椅子を作りたいとずっと思ってた。アームのついた三次元的なやつ。
ずっと思ってたのでしばしばアイデアスケッチを書いてみたり、いろいろ調べたりしてきて、最近になってようやく着手しようと思った。
背もたれのついた椅子自体作ったこと自体ないんだけど、とりあえず1脚作って見たい。
どうやったら作れるか?ってのを自分なりに考えてやっていくので、その過程をまとめていく。
3次元造形 何から手をつけるか
まず3次曲面で構成された複雑な形状をあたまの中に思い浮かべるのはめっちゃむずい。
イメージはしてたから作れそうな気持ちだけはあったけど、脳みそがついていかない。
まずは自分自身が形状を把握するためにも、手を動かしてみるのは大切だと思う。
とりあえず前、横など一方向から見た感じとか、椅子ってこうなってるよな?って感じでメモ書きのすみっこに落書きしていく。
理解のためのスケッチなので、定規とかは使わずふにゃふにゃと描く。
んで、ポイントのディティールとか、曲面部分がこういうふうになるのかとか、ひたすら書いたり写真をみたりして把握していく。
こうか?違う。こうなるのか?そうか。みたいにインプットアウトプット、確認、理解を繰り返していく。
そうすると不思議なことに、徐々に脳が教育されていき、複雑な形状もなんとなく頭の中で処理できるようになっていく。
そこでなんとなくイメージしたものの全体像をある程度具体的に書いてみたのがこれ。
コンセプトもクソもなく、ただ漠然とフロントフレームが目立つ感じにしようと思っていた。
割と全体像はまとまっていて、ここからすぐに図面化することができた。
CADで思考
図面化すると言っても試行錯誤のパートナーを紙からPCに変えるだけでアイデア段階にすぎない。CADとメモ書きはずっと行き来する。
側面と正面から椅子として最適な高さ関係を設定したら、2次元的にパーツフォルムを考えていった。
あとはCAD の画面が謎の線で埋め尽くされていく。
脚が細すぎる、太すぎるとかも調整していく。
問題のアームの形状だけど、自分にはメッシュを使うような高度な3D技術がない。覚えないといけないとはずっと思ってる。
というわけで「U」の字を作って。
アームの側面図を引き伸ばしたやつと噛み合わせて。
重なった部分を残す。
いっきにそれっぽくなった。
この形状はあくまで平面で表現できる「2次曲面」
この形状を作ることができれば、あとは手で削って仕上げていけるかもしれない。(削れるとは言っていない)
じゃあこの形状を実際にどうやって作る?というのは置いといて、大まかなアーム形状は作れたので、先に全体のフォルムを検討していく。
というわけでこう。
スケッチとかなり近い。
フレームは2次元で表現できるものを組み合わせただけ。なんだけど傾斜が多くて加工は大変そう。
実製作に向けて
ここから実製作を考えていくんだけど、木取り図まで行った後に何度もフォルムチェンジを繰り返して、材料を注文した後にも形状の変更を行ったり製作方法の再検討を重ねたりした。
なにしろ初めてやるわけで、全てがみずみずしい経験すぎてめっちゃ楽しい。デジャブだらけの日常を彩ってくれる。
でも失敗は嫌だ。失敗したくない。材料高いし。
なので検討しまくる。
まずはアームをどうやって作るかだけど、下のような2次元パーツを3層組み合わせることにした。
どのようにずらして組み合わせるかの計算は結構大変かも。
そしてこの塊にまずはフレームとの接合点をマーキングする型が必要なのでこんなものを(ひとまずデータで)作った。
丸ダボで差し込む予定。
そのあとは、3軸方向の位置を確認できるなにかを用意する。
この側面型は高度な3Dモデリングが苦手な自分にはかなり難しかった。
曲面を平面に展開したもので、厚紙なんかで作って側面に当てることで加工ラインを確認することができる。
すこしズレがあると思うけど、実製作の時に徐々に修正しようと思う。
フレームはというと。
このようにホゾを設定していって、設計図となるモデルを作った。
わからなくなったらこのモデルに答えを聞く。
この辺の加工も大概ムズイ。
やっかいなのが二軸傾斜する部分で、どうやれば加工できるかというのを事前に検討しておく。
うんできそうだな、できるかも?
まあ理論上はできるはず。となったら次に進む。
【追記】
2軸傾斜となる部分は無くすことができた。詳細は後ほどの記事で。
削るとこをメモしとく
3Dモデリングで表現しきれなかった部分、手作業でどのように削っていくかをシミュレーションしたい。
モデリングに対してメモ書きを加えていくことで、あらためて理解が深まるというか想像できるようになるというか、シームレスに繋がるんちゃうかとか、とりあえずこういうのを残しておくとあとあとの役にも立つと思う。
この辺までくると実製作に踏み出せそうな気がしてきた。
木取りと型作り
こんなふうにCAD上で木取りもできるんだけど、実際の型がないと木材には写し取れない。
のちにトリマーによる倣い加工も必要になってくるのでまずは型用のデータを1/1スケールで作る。
そしてセブンで実寸印刷する。(40円)
家でやってもいいけどインクジェットとレーザープリンタでは雲泥の差。
分割になるのでグリッドを入れて位置合わせの目じるしにしたり、寸法の狂いを見れるようにしている。
あとはうまいこと印刷したものをスプレーノリで貼って、気合いで加工する。
必要な情報を映し取ったら紙は剥がした。
工程を撮ってなかったけど、バンドソーで切り抜いて、スピンドルサンダーとディスクサンダーで整えた感じ。
TBS80はお気に入りなんだけど生産中止かもしれない。4万以下なら買いかも。
リョービ 卓上バンドソーTBS-80【レビュー&評価】他DIYモデルとの比較
リョービのバンドソーTBS-80を買って結構使ったのでレビューしたい。木工用のバンドソーとは文字通りバンド状になったノコ刃が回り続けることで ...
続きを見る
ディスクサンダーは常に必須。
【レビュー】プロクソン ディスクサンダーDS250【唯一無二】
これはオタク専用ディスクサンダー。0.1mmのスキマを見て心神喪失状態に陥ったり、1日50回くらい「完璧」って言葉を使ってしまう、ちょっとア ...
続きを見る
スピンドルサンダーはあまり使ってなかったけど、最近出番が増えていってる。
続き
リアルに今日の作業は型作りまでだった。
今後も日記のように製作過程をまとめていきたい。