木工DIYの初心者で、最初にあるといいと思うのは「差金(曲尺)」「止め方スコヤ」「スケール(メジャー)」。
と言うわけで、それらの選び方や特性について、DIY使いならではのポイントを主観を交えて解説していきたい。
また関連記事として、初心者だからこそ持っておきたいデジタル測定器なんかの話もまとめている。
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Contents
差金(さしがね)・曲尺
差金の使い方には伝統的なスゴ技がたくさん存在するけど、ここではDIY的な選択に重きを置いて解説する。
たくさんあればあるほど便利だけど、とりあえず30cmと50cmがあるといいと思う。
この差金は種類がかなりあって、初心者はまったく無用な機能のついた物を買ってしまいがち。
種類が多すぎる
選択の考えとしては、最もシンプルで最もスタンダードなものを選ぶということ。
言葉にすると。
- 角厚ではなく同厚を選ぶ。
- 凹凸のあるA型ではなく、平たいC型を選ぶ。
- メートル寸法かつ、表裏同目のものを選ぶ。
まず角厚というのは、角が厚くなっているということ。以下は角厚と同厚の比較写真。
角が厚くなっている必要があるだろうか。ないよね。
なにか理由があると思うんだけど僕は知らない。上の写真の平たいものが使いやすいと思っている。
凹凸というのも上の写真を見て貰えばなんとなくわかると思うけど。断面形状が下の図のようになっている。
A型がこんな形をしているのは、本当の墨で墨付けをするため。平たいと内側に滲んでしまうのでこのようになっている。
というわけで、鉛筆やカッターなんかでで墨付けするDIYerには扱いにくくなるだけで全く必要ないと思う。
メートル寸法かつ、表裏同目のものを選ぶというのは下の写真。
上のものは訳のわからない寸法で、下のものはメートル法の寸法になっている。
わけのわからないものは「角目」「丸目」というもので、角目は√2、丸目はπ(3.14)刻みになっていて、これをどう使うかはここでは説明しないけど、少なくともDIYerで使いこなす人は稀だと思うし、ほとんどが間違いの原因にしたならない。
なので、全部普通にメートル法で表記された表裏同目を選ぶ方がいい。
お勧めできるもの
まず30cmタイプはシンワの黒いやつがめちゃくちゃコスパがいい。
だって400円くらいだし、普通に使えるしなんの問題もない。
次に50cmタイプは自分的は幅広タイプを使っていて、これが上のタイプの欠点をカバーしてくれる形でとても使いやすい。
このタイプは幅が20mmあって剛性があり、担保される直角精度もかなりのもので、後で説明するスコヤの代用にも十分なってくれる。
さらに一般的な幅15mmの差金は、内側の目盛りで測る場合、マイナス15mmして計算する必要があって、めちゃくちゃ間違える。(自分は)
この広幅タイプは、内側にちゃんと20mm引いたメモリが書いてあるので初心者にも超優しい。
外のメモリを読んだ場合でも20mmを引き算する方が間違えにくいし。
30cmタイプもこちらを買ってしまっても十分使える。
ただ、個人的には30cmタイプは容赦無く曲げて使うので、直角精度が狂ってしまうことを前提としていて、50cmタイプはスコヤ的な使い方をするためにも、あまり曲げたりしない。
みたいな棲み分けをしているのでケースバイケース。
スコヤ
大体は寸法より直角などの角度を測るためのもので、目盛りが入っていないものも多いけど、ここではあると便利な2パターンを紹介する。
完全スコヤ
直角を測る、線を引く以外のなんの目的もない測定器。
目盛りが入っていない差金の下位互換のようにも思えるし、実際上で紹介した広幅の差金であれば多くのシーンで代用できる。
スコヤの優れる点は土台がついているので自立するという点。
さらにこの土台の部分を妻手と言うけど、ここを材料に引っ掛けて測りやすいという利点もある。ただ、土台が重くて傾くんだよという意見もある。(自分)
個人的な話だけど、差金と比べた使用頻度は圧倒的に低い。立てて測りたい時だったり、差金の直角を測ったりくらいにしか使っていない。
まあなかったら困る時はあるんだけど、一応揃えるなら直角精度が命なのでこれもシンワでいいと思う。
これ、サイズについてはどれがいいと一概に言えない。
30cmと50cmを持ってるけど、50cmの土台はマジで重いんだよね。
逆に6cmのミニマムサイズを持っていて、それは次に説明する止め型スコヤよりも小さいものが必要な場合に役に立っている。
主に木口など狭い面のの角度、ホゾなんか作るときに周囲の直角を測るのによく使う。でかいやつより使ってる。
止め型スコヤ(絶対必要)
この記事の主役であり、自分のものづくりの主役とも言えるのがこれ。
とにかく合理的な形をしていると思う。まずこの形状からして、角度が狂うと言うことがまず考えられない。
長ものの墨付けや、留め継ぎの角度を合わせるときなんかも必須だし、工具の刃の深さなんかを測るのにもめっちゃ使うと思う。
測定器を3つ揃えるとしたら、50cmの差金、スケール(メジャー)、この止め型定規だ。
菱形のものもあるけど絶対こっちの方が使いやすいと思ってる。
ただし、ツーバーフォーみたいに角の丸まった材料ををよく使う人は、土台がうまく材料に当たらないことがあるかもしれないので、幅広タイプもいいかもしれない。
もう一つ、一発止め型定規と言うものがある。
これは一発で隣り合う2面に墨付けができる便利キャラ。
ただ何故かステンレスのものがなく、アルミとポリかしかない。
記事と動画を作るためにわざわざ買ったので、使用感を追記する予定。
直定規
正確な寸法を取りたい時や、直線を確認したいときなんかにも役に立つのがステンレスの直定規。
家具なんかを作るには、シンワのJIS1級適合の、15cm、30cm、1mを持っていれば大体のものは対応できるイメージ。
サイズをこの辺にとどめているのはコスパが理由。
本当は1.5mとか2mもあればいいのは間違いないんだけど、1mが2,000円程度で買えるのに対して、1.5mは9,000円、2mは13,500円と跳ね上がる。
逆に30cmは500円、15cmは200円とすこぶる安い。
なので1mで賄えない分は事項で説明するスケールなんかを使って測ってるのが現状。
実際のところ15cmは送料的にホームセンターで買った方が安い傾向にあって、僕はジグに貼り付けたりするために大人買いしていたりする。
メジャー・スケール・コンベックス
いろんな呼び方があるけど、自分はメジャー育ちで就職してからスケールに帰化した。コンベックス派とは対立関係にある。
めっちゃ使う割には、どうしても高いものを買う気にならない測定器の一つ。
なぜなら個人的に大事だと思ってる選択基準が安くても満たされてるものが多いから。
- 2m以上は引っ張り出しても折れない強靭性
- ストッパーが手動
- 底が平らで安定する
あとは先がマグネットになってるとか、尺寸法が入ってるとか、ストッパーがダブルになってるとかあればいいけど、自分は別にいらない。
2m以上という目安は、簡単に折れ曲がるものは内装なんかを測るときにイライラするから。
ストッパーが手動だと、勝手に巻き戻ることが少ない。(自分の場合)
このように自分でカチッとする機構が欲しい。
下のように底が平らだと、引っ掛けて測る時に材料の上で転ばず安定する。
逆に下の写真のものは出っ張りがあるのですぐ転んでイライラする。
というわけで僕が使ってるのはKomelonの、ホムセンで900円くらいで買ったもの。
でもネットだと同じ価格でもう少し多機能なものがあったのでそちらをお勧めしておく。
ちなみに、取り扱いで注意したいのは、先端。
この先端はカチャカチャ動くようになっているんだけど、不良品とかではなく、先端の厚みによる誤差をなくすためのもの。
これによって、先端を内側に当てても外側に引っ掛けてもしっかり寸法がはかれるようになっている。
ここの金具が少しナイーブで、落としたりすると簡単に曲がってしまう。
内側に曲がってしまえば、引っ掛けても正確な寸法を測れなくなる。
外側に曲がればその逆。
曲げたら直しても色々と不都合が出るので気をつけよう。
使う上で知っておきたい便利な小技(動画)
これらを扱う上で、知っておきたい初歩的な技術はブログでは説明しにくいので動画の方でもまとめている。
今回は、全体的に動画の方が情報量が多くなっている。