この記事で、はDIYラインのスライド丸ノコ三闘神の一角をになう「リョービ(京セラ)TSS-192」のレビューと、初回調整でやった事全てを書いていきたい。
マキタ、ハイコーキの徹底比較が見たくてしょうがない人は下の記事を見て欲しい。
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DIY用スライド丸ノコ厳選3選+1【考察と比較】
平成8年の日立のスライド丸鋸があまりにズタボロになってきたので、リョービ TSS-192という丸ノコを買った。ハイエンドがすげえ誘惑してきた ...
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比較しまくった挙句、僕が選択したのはこいつだ。
何故選択したのか?どんな人におすすめできて、どんな人はやめた方がいいか、購入後の調整方法など含めて徹底的にレビューしていきたい。
Contents
リョービTSS-192はマキタハイコーキと何が違うか

これは別記事の引用になってしまうが、まずはスペックから。
リョービが優れる点は以下。
- 設計が新しい
- レーザーマーカーがある
- 安い
- コンパクトで移動が容易
劣る点は以下
- 切断寸法が短い
- 右傾斜5°が不可(フローリング貼りの際に使う)
ハイコーキ FC7FSB | マキタ M244 | リョービ TSS-192 | |
Amazon価格(2021/5) | 42,000円 | 42,000円 | 35,000円 |
発売年(当ブログ調べ) | 2011年 | 2012年 | 2017年 |
本体重量 | 11kg | 12.3kg | 10.5kg |
本体寸法(最大時) | 奥行き945mm 幅405mm 高さ420mm | 奥行き | 奥行き750mm 幅420mm 高さ480mm |
のこ刃直径 | 190mm | 190mm | 190mm |
切断寸法(幅) | 305mm | 312mm | 220mm |
切断寸法(高さ) | 50mm(305mmカット時) | 50mm(312mmカット時) | 51mm(220mmカット時) |
テーブル回転角度 | 左45° 右57° | 左45° 右57° | 左47° 右47° |
傾斜切断角度 | 左45° 右5° | 左45° 右5° | 左45° 右なし |
回転数 | 6000min-1 | 6000min-1 | 5000min-1 |
集塵機接続 | 可能 | 可能 | 可能 |
スライド方式 | 1段 | 2段 | 1段 |
レーザーマーカー | なし | なし | あり |
定格電流 | 11.0A | 11.0A | 11.6A |
消費電力 | 1050W | 1050W | 1100W |
リョービTSS-192が劣るのは稼働距離と右5°傾斜。これはどちらも一般的な複合フローリングの施工に必要な能力。
なぜか?
設計チームの気持ちになって考えよう。
「DIYerって床の施工とかやらなくない?」
「じゃあその辺の機能カットしてコスト下げよう」
「おまけにレーザーマーカーつけよう、DIYには便利やろ」
そんな感じちゃうかな?知らんけど。
ちなみにこの記事は動画での解説も行なっている。
リョービTSS-192をお勧めできる人 できない人

というわけでこの辺は至って明確。
自分の環境を考えてみよう。
お勧めできるのはこんな人。
- 作業場が狭い
- しまったり出したりする
- 持ち運ぶ
- レーザーマーカー使ってみたい
逆にお勧めできないのはこんな人
- 303mmの複合フローリングをしょっちゅう貼るプロ
- 作業場が広くて、あと7000円出せて、常設ステーション作りたい人
リョービTSS-192を使った純粋な感想
僕が今まで使ってたのは、引退した大工さんのお古の、日立(現ハイコーキ)の骨董品なんだけど、回転を止めるブレーキとかも壊れたし、クッソ重いし、ガイド歪んでるしで買い替えた。
今までスライド丸ノコは、長ものをカットするには便利だけど、精度を求めるものではない「荒加工用の機械」というイメージだったが、それが覆された。
直角がすげえ正確、45°もほぼピタピタ。レーザーマーカーは二軸で調整できて万全。あとめちゃくちゃ軽い(骨董品と比べて)。
テーブルソーも持ってるんだけど、明らかに出番が減った。
もちろん稼働部位が多い分だけ、スライド丸ノコの精度ははテーブルソーに比べて不利だ。
しかし十分すぎる汎用性を感じられる。大いなる逸品だと感じた。
なんせ安い。
リョービTSS-192の機能の紹介
切り込み深さ設定
下のGIFアニメのような機構で切り込み深さを設定する事ができる。

そして、上のネジを回せば、どこで止めるかを微調整できる。

この機能を使えばこのような溝の入った材料を量産できる。これは片胴追入継ぎの溝だ。
引き出しの箱などを作るときに便利だと思う。引き出しの箱を作った記事はこちら↓
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引き出しの箱組み徹底解説【#7 DIYリノベでシェアハウスをつくる】
今回からクローゼット部分に着手していくんだけど 「昔のタバコ屋の窓口」っぽい感じを目指している。 意味わかんないと思うけど、出来上がったらか ...
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切り込み角度変更
背中の黒いレバーを回すと切り込み傾斜のロックが解除される。

これを回すと。

このように倒れて45°までのカットができるようになる。

一応このような角度メモリが付いているが、あくまでも目安。
正確に切る時は、何かしらの角度定規を使って刃を直接合わせる→端材を切ってみて合ってるか確かめる。これが基本。

90°に戻すときはこのボルトに当たって止まる。
つまり90°がずれているときはこのボルトを回して調整する事が可能。
開封時に調整しようとしたが文句なく90°が出ていた。
テーブル回転
下の図のようにレバーを握れば、左右45+2°まで回転させる事ができる。


15°・22.5°・31.6°・45°の位置には溝が用意されていてピッタリ止まるようになっている。31.6°ってなんだろう?
運搬時の固定

刃を下いっぱいに下げて、このピンを押し込む事で上下の動きが止まる。

そしてこの黒いつまみを回せば前後のスライドが止まる。

この状態で持ち運びが可能。10kgの米くらいだ。
集塵接続

もともとこのようにRYOBI印の集塵袋が付いている。つけないよりはだいぶマシ。だがつけていても結構飛び散る。集塵力は4割といったところか。

もちろん集塵機をつけるべき。僕が使ってるのは同じくRYOBIの集塵機VC-1100お手頃で容量も十分。

しかしパワーがもう一声欲しい。もうワンランク上のVC-1150にしとけばよかったと後悔しているのも事実。
3800円の差で吸込仕事率が1.75倍高い。木工で使うなら間違いなく粉塵フィルターも必要。これはVC-1100も1150もどっちでも使える。
ちなみにどのメーカーにも言える事だが、自社でも他社でも使用工具によって複数の接続アダプターが必要になる。
つまり工具がマキタだからといってマキタの集塵機を買う必要はない。なんせバカ高い。無線連動工具で揃えるわけでもない限り、リョービがお勧め。
レーザーマーカー
ざく切りに超便利なレーザーマーカー。本来ハイエンドにしかついていない機能だけどついてる。嬉しい。
いうまでもなく、正確さを求めるなら刃を直接当てて切った方がいい。
あれば便利。なくても平気。そんな機能。


こちらはスイッチ。

こちらは調整ダイヤル。しっかり二軸で調整できる。細かいことは初回調整の項目で。
初回に行った各種調整
クランプのネジの交換
クランプを固定するネジが何故かプラスネジだった。すぐに蝶ボルトに変えよう。M6サイズだ。

京セラがなんでこんなとこケチったのか理解できない。
テーブルの直角の調整
調整の機構については下のしゃしんを見ればわかると思う。

で、実際の調整なんだけど刃にスコヤなどを当てて測る方法はちょっとやりにくい。
最終的には、材料に直角の墨線を入れて、実際に切ってみて、その通りに切れるように調整する方が確実だ。

墨を入れて、切る。これが完璧と言えるまで調整する。

切り込みの直角の調整

上でも述べたように調整自体はこのネジを回せばできる。
そして、いざ実際直角に切れてるかどうかの最終確認は、下のような切断テストを行うのがいいと思う。


45mmくらいの角材なんかでやればいいと思う。
盤面の段差の調整
下の写真を見て欲しい。


写真のようにセンターのテーブルと左右の盤面にコンマ数ミリの段差があった。このような段差は大概の機械につきもので、無理やり調整するしかない。(個体差はある)
今回使ったのは木口テープみたいなもの。


僕はこれを段差解消でよく使う。結構長持ちするのでお勧め。



段差はほぼなくなったと思われる。

左のテーブルでクランプをかけても、右のテーブルで材料が浮いていない。
という事でバッチリだ。
レーザーマーカーの調整
レーザーの調整は上記の直角水平の調整が全て終わってから最後にやる。
まず下の写真ののように、墨線を引き、刃が墨線ぴったりに当たる位置でクランプ固定する。

少しだけ切り込みを入れてやれば、墨にあっているかわかりやすい。

あとはレーザーの2軸のダイヤルを駆使してピッタリ合わせる。
ただし、レーザーは構造上、刃の真上についているわけではない。真上だと刃に遮られて見えなくるから。
なので刃を上下させる事で最大0.5mm程度のズレが生じる。
しかしながらこのズレを感覚で身につけてしまえば、レーザーでもかなり精密に切れる。
まとめ
はっきり言って、初めてのスライド丸鋸とするならば十分すぎる相棒になってくれると思う。
まあもっとショボくていいというならばこいつでもいいんじゃないかと思う。使った事ないけど。
マキタハイコーキと十分に渡り合えるポテンシャルを持った第三の国産メーカーとして、いぶし銀のリョービ(京セラ)自体が結構好き。
気づけばバッテリー工具以外はほとんどリョービだ。そんな人多くない?
今日はここまで。
その他電動工具の選択基準
あらゆる電動工具の特性や選び方について自分の知識と体験に基づいて徹底的に解説している。よかったら見てもらえると良い
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【まとめ】DIY電動工具の選び方徹底解説&おすすめ品・マキタ・ハイコーキ・リョービetc.
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