36V充電式ルーターがマキタハイコーキ共に出揃ったところでスペックやなんやらを比べてみよう。
価格は今のところマキタは40,000円するのに、ハイコーキはAmazon16,600円。
ハイコーキは30,000円出せば充電器バッテリ収納箱のフルセットまでついてくるためコスト的には比較にならない。
しかし操作性や利便性においてマキタが明らかに上回っているので、これが価格差を覆すレベルなのかどうか、自分の目で判断してみて欲しい。
(RP001Gの資料はマキタ公式HPおよびYouTubeより引用)
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パワーは同格
共に2.5Ahで最大出力1.1kw程度の36V電源を使用するため、パワーソースはほぼ同じ。
モーター出力についてはいつも通り情報がまとまっていないため、直接比較できるようなデータはない。
電源操作は好み程度の違い
共にハンドルに備えられたトリガースイッチで行う。
ハイコーキはロック解除ボタンを押しながらトリガーオンの2点方式で丸ノコみたいな感じ、ボタンを離す順序を変えることで連続作業に移行できる。
これは元々マキタがACタイプ(RP2301FC他)で採用していた形式に近い。
逆にマキタはロック解除ボタンを押してからトリガーでオン、連続作業は別途サイドボタンを押すものに変更されており、動作が一つ多い。
このあたりは慣れれば動作が少なく物理スイッチのみのハイコーキの方が早いと思われる。
ロックレバーはマキタ
切り込んだ時にその位置でロックするレバー。
これがハイコーキはこんな感じで2点方式になってて右手側についてる。
マキタは1点方式で左手側についてる。
2点のハイコーキ方が使いやすいように見えるが、トリガーで人差し指が拘束されている時は結局やりにくい。
マキタのこのレバーは左手にロックレバー、右手に電源レバーと操作が分業されているので単純に使いやすく、レバー可動域も限定されているので1点操作でも全く問題ないと言える。
マキタプランジルーターはAC機やプランジベースを含めてこの形式だ。
共通してレバーの戻りを助けるスプリングが入ってるんだけど、これがたまに悪さをするので個人的には外すとさらに利便性が高まる。
重さと大きさ
同じ容量の2.5Ahのバッテリをつけた場合で統一する。
重さは
・マキタ 3.9kg
・ハイコーキ 3.7kg
サイズは(幅x高さx奥行き)
・マキタ 275 x 288 x 135mm
・ハイコーキ 275 × 280 x 148mm
重さが違うと言うとはいえゴールデンハムスター一匹分なので大した差はない。
高さはストローク量の関係でマキタの方が高く、奥行きはベースの関係で違うけど作業に関わるかは未知。
どちらも従来のAC機から圧倒的にコンパクトになってるので優劣つけ難い。
ビット脱着機構はデフォでハイコーキ、社外品でマキタ
共に使用できる軸は6mm,8mm,12mmとインチ規格の6.35mm,12.7mm。
まったく同じ、と思いきやコレットがスリーブ方式かチャック方式かという違いがある。
荒っぽく言うとスリーブは使いにくい。チャックは使いやすい。
で、マキタは6mmと6.35mmと8mmが使いにくいスリーブ方式、ハイコーキは6mmだけスリーブ方式。
だったらハイコーキの方がいいじゃんとなるけど、マキタは6mmと6.35mmのチャック方式が社外製品で存在する。
そしてそれはハイコーキに使えない(試した)
社外品色々買えばマキタの方がいいかもしれないけどまあどっこいかな。
ちなみに交換の方法はどちらもスパナ一本方式限定。
コンパクトな分、狭い脚の間で作業しないといけないからまあやりやすいとは言えない。
しかしここでも違いがある。
ハイコーキは写真の通り、ポッチの位置的に邪魔なストッパブロックがある方からスパナを突っ込まなくてはいけない。
普通に脱着する分には干渉しないんだけどなんかムカつく。マキタは邪魔なものがない反対側からスパナを突っ込めるのでムカつかない。
回転速度もすこしマキタが幅広い
マキタは8000-25000min-1
ハイコーキは11,000-25,000min-1
最低回転数でマキタが上回っているんだけど、これを活かすタイミングがあるかは人次第。
ダイヤルはどっちも運転中に右手で触れる位置にある。そしてどっちも微妙に調整しにくいがマキタのほうがマシ。
ストロークもマキタ
上下にいくらストロークするか。
マキタは60mm
ハイコーキは50mm
ボール盤のようにストロークが重要になるシーンは少ないと思うけど、長いのは正義。
ただし、短いビットを使う場合はストロークが長いと材料と距離が離れすぎて不便になることがあるので、両者共にこれを縮める機構が備わっている。
ハイコーキはローコストで古典的なダブルナット方式、マキタは従来より緩み留めナイロンナットシングルで、便利な手回しノブ方式。
ハイコーキの場合ストローク調整を一切しない、というか気づかない人も多いだろう、逆にマキタはストロークが長い分だけ気になることもあるだろうからこういう方式になってるんだと思う。
マキタが圧倒的に優れる深さ調整機構
自分の知る限りマキタのプランジルーターはすべて共通の微調整機能が付いている。
ダイヤル付きのネジを回せば1回転1mmの深さ調整が可能、見ての通りコンマミリ調整も容易だ。
調整したら正面下にあるダイヤルを締め込めばそこでロックされる。さらに緩めた状態で押し込めばネジロックが解除されて自由に上下させることもできてめっちゃ便利。
赤い傘は目盛りを読むための針代わりだけどこれはまあお飾り程度。
対してハイコーキはこんなもの一切なく、ただのシャフトが入ってるのみ、
これで微調整するにはストッパブロックの間にThickness Gauge的な何か、調整したい厚みの何かを挟んで調整するなどの工夫が必要になる。
でもそんなのめんどくさいのでシャフトをこんなふうにカスタムした。
M6並目ネジは1回転で1mmの調整が可能、スプリングのテンションで空転を防止するので調整速度はマキタより早くなる。
詳しくは以下の記事でまとめてある。
M3612DAの紹介と便利カスタム【ハイコーキ36Vルーター】
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結局どっち?
自分はハイコーキを買った。
理由は3つ。
1.実用上問題になるのは深さ調整機構のみで、それは上述のカスタムで解決できると思ったから。
2.ハイコーキの36Vバッテリも入手して今後の選択肢を増やしたかったから。
3.価格に笑ってしまったから。
というわけで好き色で選ぼう。