木工DIYにハマったなら道具を増やすことに執心すべきだと思う。
有史以来、新しいモノの前には新しい道具があった。DIYにおいても新しい道具に触れることが新しい手法の理解につながり、実現可能な造形が無限に増えていく。
作りたいモノありきで必要なものを買っていけば無駄がない。
そして道具にはそれぞれ重視すべきポイントや機能があり、逆に無駄な機能にはお金を払うべきじゃない。
マキタハイコーキのバッテリーの運用も考えながら、その辺を徹底的に解説していきたい。
工具の並びは買った方がいいと思う順番で並べている。
Contents
インパクトドライバーの選び方
インパクトドライバーはあらゆる現場や工場で、あらゆる職種の人に使われている世界一売れてる電動工具だ。
回転に負荷がかかった時、その名の通りインパクト(衝撃)を与えて回転を補助してくれる。
先端を交換することでネジやボルト締め、穴あけ、様々なシーンで使用できる。
競争も激しく日進月歩でハイエンドのハイエンドが生まれていっているけど、ぶっちゃけた話、ほとんどの機能は1日千本以上のビスを打つ大工さん以外には無用の長物で、その他の業種のプロであっても高いものを買う必要はあまりないと思っている。
といっても本体だけならハイエンドでも2万以下だけど。
DIYユースなら大きく分けて選択の基準となる2つのD環境があると思う。
- A.小屋を建てたり部屋を作り替えたり内装や建築的なDIY
- B.決まった作業場で家具を作ったりする木工的DIY
Aならやっぱりハイエンドタイプと5Ah以上の容量の大きいバッテリーが欲しくなる。
Bなら単純に使用頻度が下がる上に、充電もしやすい環境下にある可能性が高いので、単純にグレードを下げていいと思う。14.4Vあれば十分、バッテリも3Ah以下で十分だと思う。
インパクトが年々進化していってるポイントの1つは後ろ頭から先っぽまでの距離。これがどんどん短くなっていっている。
ここが短くなるほどつっかえることが減って作業性が上がるんだけど、DIYerにはそのようなシーンはあまりないかも。
もしあったとしてもアングルドライバーとかフレキシブルシャフトとか使えば解決する。
他にも速度調整やいろんな機能が搭載されている。
テクスなんかは金属扱わない人は一切使わないだろうし(ドリルビスを頻繁に使う人には役立つ)、速度調整も僕の場合は最速のままほったらかし。
ただしハイエンドになると、トリガーのレスポンスがよく、速度の微調整がやりやすくなる。
つまり単純に使いやすくなるし、その使用感の違いはDIYerでも十分感じ取れると思う。
しかしその辺りは好みも大きい、大工さんも機能というか微妙な使用感とメーカー愛で選んでる気がする。
初心者向け商品
初めて買うんだったら充電式バッテリータイプで14.4V以上あれば最高の相棒になってくれる。あとLEDライトは付いてた方がいいかな。
あとこれは個人的な意見になるけど、安いからってドリルドライバーを買うのはやめといた方が良い。
初心者であるほどネジ締めはインパクトの方が使いやすいし、作業速度もだいぶ違う。
買うならトルク調整が必要になった時とか、キリ先を痛めない穴あけ専用機が欲しいと思った時くらいで良いと思ってる。
ただしマンションなんかで音が出ると厳しいって時は、ドリルドライバーはほぼ無音で作業できるので選択肢に入るかもしれない。
というわけでお勧めするインパクトはハイコーキのこれ↓
価格は12,000以下で上に書いた条件を全て満たしながらバッテリ(容量1.3Ah)が2個もついてる。スゴイ。
マキタのエントリー品はもうちょい安いけどバッテリーが1つ(1.5Ah)だけで、プロ向けの工具との互換性もない。
ただしハイコーキにおいても14.4Vの工具ラインは今後消滅していくだけなので、実際のところバッテリー共有は望めないんだけど、18Vだと6000円くらい高くなる。
そこを無理して18Vを買ったところで付属しているのは容量の小さいバッテリーだし、そもそもマルチボルトバッテリ(18V,36V工具間で共用できるバッテリ)を買わないと、使える工具の幅がマキタと比較して格段に少ない。(1/3以下)
なのでとりあえずインパクトだけ欲しい人は他の工具との共用は考えなくていいんじゃないかな。
頻繁に使うのでインパクトに限っては専用のバッテリとして運用していってもいいと思う。
使用頻度が高くても丸ノコなんかと比べて電池の持ちもいいので、小さくて軽いバッテリが好き。(主観)
マキタのバッテリ1つのものであっても相当ヘビーな作業をしないと1日で使い切ることはほぼないと思う。
だから別にちょっと安いマキタでもいいと思う。
というかAmazonなんかで見かける中国系の激安謎メーカーのものでも無双の活躍をしてくれると思う。
ヘビーDIYer向け商品
自分の作業場を持ってゴリゴリやってる人には不要かもしれないけど僕の考えを書いてみる。
ハイコーキだったらインパクト買うときにマルチボルトバッテリ2個セットを買うのがコスパがいい。
マルチボルトバッテリの単品買いはすごく高い。単品だと約13,200円くらいするけど、セットだと実質10,000円以下で買える。
とはいえインパクト本体はDIYの普段使いに36Vも必要ないと思ってるので18Vとしてみた。(14.4Vでも僕は十分)
【追記】プロモデルでは36Vの方が安い(もしくは変わらない)という現象が起きているので36Vに変えた。
【追記】ハイコーキのマルチボルトの互換品(パチモン)もAmazonで流通し始めた。マキタ同様安全性の問題が予測される。
続いてマキタの選択肢は18Vオンリーで良いと思う。
なんせマキタの18Vのラインナップは300製品近くとブッチギリで多い。
これはハイコーキの36Vが70機種、18Vが80機種を大きく突き放す数値。(2021年12月)
DIYお役立ちのランダムサンダとジョイントカッタに関しては独占状態。
40Vmaxのラインナップも2021年末段階でハイコーキの36Vのラインナップを超えてきたが(90種類vs70種)上にあげたような、マニアックで職人に売れない工具をカバーするのは結構時間がかかると思う。
【追記】以前まで互換バッテリーで回す組み合わせを載せていたが、安全性の問題などもあるため、純正のフルセットに変更した。
結局のところハイエンドになってしまってすごく高い上にセット買いの恩恵も少なめ。
一応バッテリが大容量の6.0Ahというのはポイント。
でもインパクトの場合は現場でたくさんビスを使わない限り3.0Ah、なんなら1.5Ahで断然軽くて取り回しがいいと思う(主観)
【追記】あと最近のマキタのバッテリはハイコーキに比べて高すぎる。と言うかハイコーキがすごく値下げしてきてるんだけど。
今度バッテリについての記事を書こうと思う。
丸ノコの選び方
初めて買う人にとっては革命的な工具な丸ノコ。
ぼちぼちの精度でベニヤなんかをザクザク切る道具だけど、気合を入れて調整すれば結構正確なカットもできるのが魅力。
選択肢は限られてくるんだけど、僕が丸ノコを買う上で重視したいなと思う項目は以下の通り。
- アルミベース - 対衝撃性・耐候性が高い
- 理由がなければ刃径165mm - 汎用性が高く替刃が安い
- 集塵接続可能
- 充電式
初心者向け商品
コスト、機能、あまりに差がありすぎて、ハイコーキのこれしか選ぶものがない。
マキタリョービなんかからも出てるけど、1万円以下で集塵機の接続ができて、切り込み深さがワンタッチレバーで調整できるものは他にない。
文句なしのこれ一択商品。
【追記】2022年にさらに素敵な丸ノコが発売された。
上のやつよりは少し高いけど、なんとこいつはバッテリタイプのDIYライン。つまり無敵。
ハイコーキのバッテリ持ってる人だったらもうハイエンドは必要ないってなるかもしれない。
本体価格12,000円台のこいつはかなりお値打ち。バッテリ&ケースを含めても20,000円程度。
ヘビーDIYer向け商品
動かして使う工具はコードレス化の価値が高い、特に丸ノコはコードをぶった斬りやすい。(やったことないけど)
インパクトの次にバッテリ化するものは丸ノコじゃないかと思う。
木工に対してマニアックならトリマの方が優先順位高いかも。
充電式丸ノコの選択肢もバッテリーの汎用性的にマキタかハイコーキになるんだけど大きな差はないと思われる。
なんせ需要の高い工具なだけに、各メーカーとも完成度が高すぎて、精度がーなんて言われても僕には違いがまったくわかりません。
まあ細かい機構の違いはあるので、僕はマキタのHS631DZSを使ってるんだけど、そこらへんの比較が気になったら下の記事も参考にして欲しい。
【充電式丸ノコのススメ】 マキタ HS631DZS (18V)レビュー
丸ノコのコード邪魔だよな。引っかかるじゃん、足払いしてくるじゃん、切れるじゃん。充電式丸ノコのメリットは誰もが承知だと思う。マキタのバッテリ ...
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丸ノコにおいてもハイコーキは18Vでいいんじゃないかと思う。
やはり36Vは1カットの速さが仕事に影響を与えるようなプロの道具。
【追記】とはいえ最近では値段が変わらないので36Vを選んでしまうかも、カット速度はやはり18Vよりも早い(電池の消費も早い)。
ちなみにマキタ付属の鮫肌というやつはめっちゃ切れる。
ただしネーミングセンスがヤバい、ハイコーキもつられて黒鯱とかいう刃を出した。
ランダムサンダー・オービタルサンダーの選び方
左の丸いのがランダムサンダー(又はダブルアクション)で右の四角いのがオービタルサンダー、どちらも木材を研磨するサンダーで似ているので間違われやすいやすいが機構は大きく違う。
- □オービタルサンダー - 振動(オービタル)
- ○ランダムサンダー - 振動+回転運動(オービタル+ランダム)
大きな違いには見えないかもしれないが振動だけだと研磨跡が残りやすく、特に杉などの柔らかい材料をステインで染色する時には見事に傷が浮かび上がる。
振動に緩やかな回転運動を加えるランダムサンダーはダブルアクションとも呼ばれ、発生する研磨跡を回転で分散させるために、均質な研磨がしやすい。そして研磨力がめっちゃ高い。
あと車の洗車にもポリッシャーとして使える。
研磨力の弱いオービタルサンダーは平面を崩さない仕上げサンダとして使用されることが多いけど、僕はオービタルサンダーを使うことは無く、ランダムサンダーで全て賄っている。(主観)
ちなみに強く押し付ける人がいるみたいだけど、押し付けると回転が止まってオービタルサンダーと同じになる上に力が加わるので傷が入りやすくなる。
使い方のコツは、自重に任せて一切力を加えないことと、加工中はひと所にとどめずに頻繁に動かすこと。これで研磨傷を抑えた綺麗な仕上がりが可能になる。
使い所は非常に多い。ホームセンターでプレーナー材と書いてあっても結構表面は荒れているもの。
そこでランダムサンダーを使えば手でやるより圧倒的に早くスベスベにできる。
そういう時の番手は#60〜120くらいかけても良いんじゃないかな。仕上げでは#240くらいを使う。
他にも下の写真のような接合部の研磨では、木目方向に研磨するのが素手だと難しいためランダムサンダーが非常に役に立つ。
というか無いと無理。さらに微妙な目違い(段差)くらいなら解消してくれる。
まずランダムサンダーがオービタルサンダーに優れる点は以下の通り
- 研磨傷の発生が少ない
- 研磨力が段違いに高い
- 力が分散されるため、底面のパッドの寿命が高い
- 同上の理由でペーパーの減り具合が均一
- 車を磨ける
そしてランダムサンダーを選ぶ基準は下の通り
- 速度調整機能 - 柔らかい素材を削りすぎないように
- 充電式 - 使用頻度が高いため
ランダムとオービタルについて仕組みから説明してる記事はこれ。
ランダムサンダーとオービタルサンダーの違い、原理、選択、使い方
原理の違いを理解できれば合理的に選んでいけると思う。 まずこの記事を書くきっかけとなったランダムサンダの使い方のコツについて説明したい。 ラ ...
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初心者向け商品
工具としての構造はさほど複雑では無いものなので、メーカーにこだわる必要はないと思う。
このコスパが良すぎるもので十分と思われる。集塵は当たり前だけど速度調整まで兼ね備えてこの金額はビビる。
レビューを見ても納得できるものが多かった。
自分自身使ったことがないので具体的なことは言えないけど、AC機であることを除けばブランドメーカーにこだわる理由は一切ないと思う。
ヘビーDIYer向け商品
動かして使う工具かつ頻繁に使うものなのでやっぱり充電式が良い。
そうなると選択肢はマキタかボッシュしかない(ハイコーキの充電式は無い)。ということで僕はマキタを使ってる。ちょっと古いけど良かったらレビュー記事も参考にして欲しい。
マキタ18V充電式ランダムオービットサンダーBO180DZ【おすすめ工具レビュー】
充電式サンダーてどうなん? 結論としてめちゃくちゃ使う。 もしかすると一番使うかもしれない。 確かにサンダーを買っても、何か作れるものが増え ...
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ちなみにマキタとハイコーキが似通った製品であるのに対して、ボッシュ(独)の製品は日本人から見て独自のアイデアを搭載する製品が多い。
粉塵濾過フィルターだったり、材料に当てるまでは回転しないアイドリングシステムだったり色々あるので調べてみると面白い。
正直マキタのBO180DZには新しいアイデアが込められているわけでもスペックとしてさほど優れているわけでも無く、バッテリ共有がやりやすいだけだ。
【追記】マキタのBO180はバッテリと本体の重心バランスが他機種より優れているかもしれない。(押さえつけず自重で滑らせるように使う)
しかしながら海外メーカーとしては日本で最もシェアを持つボッシュも全製品が投下されているわけでは無く、プロモデルには充電式製品がない。
というわけで結局マキタになっちゃうよね。
トリマー(&ルーター)の選び方
インパクトと丸ノコが切った貼ったの基本的で直線的な「加工の主役」だとするならばトリマーは「ディテールの主役」。
料理で言えば塩であり醤油であり胡椒であるこいつは、知識と応用のアイデアを蓄えていくことで、ものづくりのクオリティを爆発的に高めてくれる。
個人的に最も重要で使用頻度の高い電動工具。
本気で憧れのデザインを実現しようとすると、木工において丸ノコとインパクトはほとんど出番がない。
ちなみに初心者の方はトリマーの可能性や技法について下の記事で説明してるので見てくれたら嬉しい。その2以降が充実してる。
応用技術【トリマーで何ができる?その1】
「トリマを買ったけど、全然使わないんだけど。」「溝が切れる、面取りができる、それで?」 いやーめっちゃわかる、わかるよ、トリマをただの文鎮だ ...
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トリマーを選択する際に重要な要素は限られている。
- 回転速度の減速調整機能
- 充電式であること
他にも形状的に作業性を高めてくれる要素は多いがそれは以下の項目で。
初心者向け商品
こちらもまたコストや性能の差が大きいため以下のリョービMTR-42の一択となる。
上にあげた要素は満たしてないけど入門用と考えればしょうがない。
このトリマの素晴らしいところは下のDeWALTの名作トリマの機構と全く同じであるという点。
どう見ても色違いなんだけど、下の便利機能を備えている。
- スパナ一本でビットが外せるナット固定機能
- 切り込み深さが微調整ダイヤルで調整可能
- 横出しコードで逆さま置き可能
- 海外サイズのコレットコーンがセット販売
1万円以下で買えるDIYモデルなのに、他社にはない機能が揃い踏み。
集塵接続プレートはこれ。
ハイコーキマキタは、建具屋さん家具屋さんなど購買層が限定されるトリマーの開発には熱心ではなかった様子。
リョービMTR-42がDIY最高のトリマな理由【VS.マキタM373】
圧倒的に違う、圧倒的に違うのになぜかマキタを選ぶ人が多いように思える。優れた工具がブランドネームに押されてしまうのは悲しい。 リョービのMT ...
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さらにリョービハイエンドのTRE-60Vには速度調整機能までついて、数年前までは国内随一だった。
バッテリー式が出るまでは。
ヘビーDIYer向け商品
閉所の加工で焦げやすいトリマは標準で30,000min程度の回転速度を落とすことで加工の幅が大きく広がる。
AC機だとリョービのTRE-60Vの16,000minが最低速度。充電式だとマキタRT50DZとハイコーキM3608DAの10,000minが最低。
というわけで自動的に充電式を選択することになる。リョービは涙目。
そもそもトリマが充電式であることは個人的には最重要事項。使用頻度は爆上げだ。
この2機種の比較は下の記事にまとめているので気になる人は参考にして欲しい。
【2021/8フル更新】マキタ18V充電式トリマRT50DZレビュー&ハイコーキM3608DAとの比較【おすすめ工具レビュー】
後日発売されたハイコーキのM3608DAとの比較も加えたので購入を検討している人は資料の一つとして役立てて欲しい。2021年8月現在は2万円以下で購入...
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【敗北を知りたい】ハイコーキM3608DA 向こう5年は敵なしのハイエンドトリマ【無慈悲】
ハイコーキM3608DAは2022年現在、間違いなく国内最強のトリマであって、他機種との違いが明確すぎて記事を書くのも簡単だ。 そのスペック ...
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ハイコーキM3608DAは36Vとパワー面でマキタの18Vに対して優位なのは間違いなく、後発である分改良点も多い明確な上位互換。
ルーター化するプランジベースなどはことごとくマキタのものが流用できるというヤバさ。
しかしマキタのRT50DZも現世代のトリマとして最高の機能を備えており、長く使っている人間としてその能力に不満はない。
(2021年12月に40VmaxモデルのRT001Gも登場したけど本体形状は頭以外変わらない。)
マキタトリマのプランジベースはハイコーキにも使えて便利【ルーター化】
このベースはマキタRT50DZもハイコーキM3608もどっちも完璧に対応している。 マキタの開発チームが自社製品の品質向上を目指して開発した ...
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ちなみにこちらの2機種とも6.35mmコレットコーンは別売りで、メーカー内でも統一されていないので注意したい。
マキタ用はこちら。ハイコーキ用はこちら
動画解説
トリマーを初めて使いたい&買いたい人向けの動画解説、よかったらご参考に。
ルーターについて
ルーターとはトリマーの兄貴みたいなやつで、一般にプランジ機構で刃を上下させることができるので、板の真ん中から切り込んだりする作業が非常にしやすく、AC機なら大概トリマーの数倍(1500W : 500W程度)パワーがあるので溝加工などの高負荷の作業にも向いている。
そのパワーを生かして12mm軸という極太のビットを回すこともできる。(トリマは6〜8mm)
しかしプランジ機構は上にあげたトリマ+プランジベースで十分にカバーできる。
ハイコーキのM3608DAなら36Vだしパワーに問題がでることもないだろう。
なのでルータを買う唯一の理由は12mm軸のビットを回したい時、その時はハイコーキのM3612DAが問答無用で最強だと思う。
こいつは国内初の充電式ルーターで、スイッチの位置がレバーに取り付けられている点が何より羨ましい。
僕は同じくハイコーキのM12V2というAC機を使ってるんだけど、図体がデカすぎる上に加工後の電源を切る時の操作性がなかなか悪い。
(ルーターテーブルにはなかなか良いので懲役中)
しかも価格面でもバッテリーを除けば充電式の方がはるかに安く、小型軽量、取り回し抜群。
もし新しくルーターを買うならこれ一択だと思う。
ただしは深さ調整方式がルーターテーブルには向いていないのでそれだけ注意。(しないだろうけど)
集塵機の選び方
丸ノコやトリマーなどの切削工具が揃ってきたら集塵機が欲しくなってくる。環境によっては丸ノコを買う段階で欲しいかもしれない。
集塵機の役割は以下の2点。
- 電動工具直結の集塵
- めっちゃ吸う大容量掃除機
そして集塵機に求めたい基準は以下の通り。
- 乾式専用又は粉塵フィルタ搭載品 - 乾湿両用品は粉塵に弱い
- 吸い込み仕事率250w以上(ホース内径38mmの場合)
- 容量15L程度
無線連動の仕組みについて(ハイコーキ有利か)
集塵機には工具との連動機能が付いているものも多くて、集塵機についてるコンセントに工具を繋げばスイッチオンで集塵してくれるので便利なんだけど、充電式工具だと無線連動が必要になる。
マキタはBluetoothの受信機を工具に差し込んで連動させる。他の工具に差し替えれば即座に切り替えることができるんだけど、そもそも工具が対応してないと不可。上にあげたものは全て非対応製品だ。
変わってハイコーキはというとバッテリーがBluetoothの受信機となる方向に切り替えてきた。これによりあらゆる充電式工具が連動対象になる。これは圧倒的にハイコーキ優位でマキタに勝ち目はない。
ただし、ほとんどの場合このBlutoothつきマルチボルトバッテリは別売りで買うことになり、単品で17,000以上する。
【追記】2022年1月現在、13,000円台まで下がっている。
初心者&ヘビーDIYer向け商品
初心者、上級者と区切るのもおかしいので合わせて2つのおすすめを載せるが価格差は倍以上。
まずはリョービのVC-1150。
こちらは吸い込みが280Wと十分な能力を搭載しながら14,000円以下で買える頼もしいやつ。ただし乾湿両用なので木工用に使うなら防塵フィルタを同時に買う必要がある。
下位製品のVC-1100が10,000円以下で売ってるけど吸い込み力が160Wしかない。
それでも十分使えるんだけど「もっとあれば効率がいいのに!」と後悔するかも(体験談)。
リョービ集塵機【VC-1100と1150の違いとレビュー】VC-1150買えばよかったが答え(京セラリョービ)
電動工具が増えれば木くず乱舞もシャレにならなくなるので集塵機が欲しくなる。 と言うわけで吸えたらなんでもいいやと思って昔10,000円以下で ...
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工具の接続に必要なアダプタは山ほどあってめちゃくちゃわかりにくいので、すごくわかりやすく書いておく。
リョービのアダプタは山ほどあるが、ホースの径によって必要なものは限られる。
内径38mmの標準付属ホースの場合。
- M2アダプタ(R2と同一品) -他のアダプタとの組み合わせにも使う、マキタとリョービの多くの工具を接続
- マキタホースジョイント - M2と合わせてマキタのほぼ全ての工具をカバー、M2アダプタを介して接続
- H2アダプタ - ゴム製でハイコーキのハンマドリル以外の全て工具をカバー
- R1アダプタ - リョービの多くの手持ち工具をカバー
一般的な工具集塵に使われる太さ28mmに変えた場合は下の通り。
- ホース口(Rアダプタ) - リョービの多くの手持ち工具をカバー
- Hアダプタ - ゴム製でハイコーキのハンマドリル以外の全て工具をカバー
- Mアダプタ - 他のアダプタとの組み合わせにも使う、ホース先端を取り外して交換する、マキタリョービで繋げるもの多め
- マキタホースジョイント - Mと合わせてマキタのほぼ全ての工具をカバー、Mアダプタを介して接続
さらに詳細な解説はこちらの記事でも行っているのでリョービの集塵機を持ってる人は参考に。
【これだけ買え】リョービ集塵機 各社工具適合アダプタ総まとめ【マキタ・ハイコーキ】VCシリーズ VC1100,1200,1150,1250etc.
なんでこんなに分かりにくいのか、簡潔にまとめているところを探しても見当たらない。 ということでたぶん日本一わかりやすくまとめたので参考にして ...
続きを見る
標準ホースで必要品を揃えた場合は19,000円程度となる。
対してハイコーキのRP150YDは35,000円前後。
こう並べるとリョービ優勢のようにも思えるけど違いは以下の通り。
- 吸い込み仕事率はリョービ280Wに対して220Wだけど、ホースがφ28なのでφ38で計算すればリョービと大差ないはず
- 最大真空度は22kpaでリョービは25kpa
- 集塵容量は同じ15Lだけどフィルター不要なのでリョービより入るはず
- マキタ用を含め複数のアダプタを同梱しているので書い足しが少ない
- パワーは3段階で調整可能
- 掃除機として使うにはホースから別売りを買う必要がある
- 乾式専用なので水は吸えない
- 有線連動が可能、基本的にコンセントさえあれば他メーカーでも可能
- 40,000円出せば無線連動バージョンも買える
ようするに木工専用機としてわかりやすく使えるんだけど、やっぱり集塵機にこんな金額出せないかもしれない。
DIYに似つかわしくないハイエンドっぷりなので後日消すかもしれない。
ディスクグラインダーの選び方
木工を主軸とするDIYにはあまり出番がないディスクグラインダーは、切断砥石を使用した金属の切断や研磨、タイルの切断、スマホの切断。とにかくなんでもザックリ切れる便利工具。
ただし現場で最も事故が多い工具だと言う点に注意したい。
プロは多くの場合安全カバーを外しているけど(特に年配者)切断砥石なんか使う時は特に絶対外すな。
内装や解体工事の現場でもよく使う。金属を加工する人は特に使用頻度が高く「サンダー」って呼ぶとこれを指す場合が多い気がする。
個人的には数ヶ月に一度使うくらいだけど、椅子の座面彫りなんかでこいつに専用の木工サンダーを取りつけて削ると最高にスピーディーだったりする。
他にもハンガー用のパイプを切断したり、タイルを切ったりなど汎用性は高いため、色々やってるとどうしても必要になる時が来る。
ただし、その時が来ても使用頻度が低いならばバッテリー工具を買うまでもない、3,000円台で買える下のものをお勧めしておく。
ブラックアンドデッカーはホムセンのネタ工具ではなく、アメリカの世界一の工具メーカーのスタンレーB&DのDIYラインなので信頼のおけるメーカーだ。
スライド丸ノコの選び方
それ自体がヘビーDIYの領域に入ると思うけど、長い角材や板をザク切りするときなど、丸ノコの苦手なカットを行うのに欠かせない設置型の丸ノコ。
持ち運び性もそこそこ高く、どんなオンボロでもひとつ持っていれば作業性が圧倒的に向上する産業革命工具。
これについてはハイコーキのFC7FSB・マキタのM244・リョービのTSS-192と、3社それぞれの毛色があり、一概にどれがいいとは言えない。
僕も購入時には悩みに悩んで、めっちゃ比較して店頭にも触りに測りにいって調査して買った。その集大成である下の記事をぜひ参考にして欲しい。
重要な比較項目は下のような感じ。
- 切断幅
- 本体の奥行き
- レーザーマーカーの有無
DIY用スライド丸ノコ厳選3選+1【考察と比較】
平成8年の日立のスライド丸鋸があまりにズタボロになってきたので、リョービ TSS-192という丸ノコを買った。 ハイエンドがすげえ誘惑してき ...
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僕はレーザーマーカー搭載で機動性の高いリョービを使っている。集塵接続アダプタは別売りの専用品が必要。
バンドソーの選び方
同じく存在自体がヘビーDIYに分類されると思われる工具。
バンドソーとは帯状になったノコ刃が回転することで材料をカットする機械で、なにより曲線加工で重宝する。
その構造上の特性から、ジグソーと比較して一切材料が跳ねたりすることなくパワフルにカットできるので、厚物や細かいものの加工も可能だ。
木材の挽き割り能力も高いが、特有のドリフト現象という作用により刃の傾きが生じるため、ストレートガイドを使って直線にカットするのは基本的に不可能。
正確に切りたいなら、直線の墨を引いてガイドを使わずフリーハンドで切る方が確実に真っ直ぐに切れる。
ただし手動でドリフトを調整して正確な直線切りをやる方法はある。
格安バンドソーをドリフト調整で正確に直線カット【誤差±0.1mm】リョービTBS-80の使い方
DIYレベルのバンドソーでもわずか数分で簡単にドリフトフリー化できて、しかも平行精度がめちゃくちゃ良かったのでその方法を解説したい。 これを ...
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ちなみにドリフト現象を制御する調整機構が元々搭載されているものもあるが、その機構は結構アナログだったり、DIYerには手の届かないレベルの価格帯なのであまり現実的ではない。
DIY機としては曲線加工の相棒として購入することをお勧めしたい。
その上で重視したいスペックは以下の通り。
- フトコロ寸法 - 材料の取り回しが向上する
- 速度調整 - 切れる材料の種類が増える
この辺りで他を寄せ付けないほどのスペック差を見せつけて、さらに安いという逸品がリョービのTBS-80。
これに関しても他メーカーとの数値的な比較も行なっているのでぜひ下の記事を参考にして欲しい。
リョービ 卓上バンドソーTBS-80【レビュー&評価】他DIYモデルとの比較
リョービのバンドソーTBS-80を買って結構使ったのでレビューしたい。 木工用のバンドソーとは文字通りバンド状になったノコ刃が回り続けること ...
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ベルトディスクサンダーの選び方
ベルトディスクサンダーは曲線系の加工面を整えるのに非常に便利で、上にあげたバンドソーなんかと非常に相性がいい。
精密な加工というよりも、手彫り系のカトラリーやコップなんかの外の曲面を効率よく削るのにも非常に向いている。
選択の基準というのも特に無く下のような形状のものであればどこのメーカーのものでも使いやすいと思う。
初心者向け商品
こういう形のベルトサンダーはホームセンターなんかにもよく売ってると思う。
ベルトサンダーの部分は縦に起こすこともできるのでいろんな使い方ができる。
ディスクサンダーの面はバンドソーなんかで円形に切り抜いたものの断面を整えたりするのに使える。
マイターゲージで角度を指定した削りなんかも行えるが、サンダーがマジックテープで貼り付けられているのでクッション性があるため、正確な平面を出すことは残念ながら不可能。
ヘビーDIYer向け商品
もしディスクサンダーであらゆる角度で正確な平面を出すことができれば、さまざまな作業が一気に効率化する。
プロクソンのディスクサンダーはディスク自体も直径250mmとデカく、何より盤面が鉄板なので極めて正確な平面削りができる。
正確な加工がウリなので上のベルトディスクサンダーと比較して研磨速度は遅め。一応速度調整もできる。
価格は非常に高価だけど留継ぎなんかするときに正確な角度と平面を出すには欠かせない。
こいつの必要性を伝えるのはなかなか難しい。でも頑張って伝えるために記事を書いた。
【レビュー】プロクソン ディスクサンダーDS250【唯一無二】
これはオタク専用ディスクサンダー。0.1mmのスキマを見て心神喪失状態に陥ったり、1日50回くらい「完璧」って言葉を使ってしまう、ちょっとア ...
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Wood RoadさんがやってるYouTubeでは四方転びの器作りの実演をしていたんだけど、凄まじすぎて悩んだ挙句38,000円を払って買った。
下の動画をぜひ見て欲しい、本当に欲しくなるから。
買ってみてどうかというとあらゆるシーンで非常に役に立ってて、家具の図面を書きながら作り方を考えてるときに、こいつを持ってるからこそ計画できる形が山ほどあるし、全ての製作物に関わってると思う。
具体的には例えば下の記事のようなもの。
額縁をDIYしよう【つくりかたA-Z】
額縁初めて作ったけど結構難しい。ナナメにくっつける留め継ぎが難しい。 しかしながら、DIY的にはそこまでの精度を求める必要もないだろうし、道 ...
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【前編・トリマーによる曲線加工】ラタン張り引き戸の作り方
3枚引きの引き戸を作った。建具は初めてだけどまあまあ満足できてる。 この記事では、いかにも難しそうな継手にまたがった曲線加工のトリマーによる ...
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ジョイントカッターの選び方
ジョイントカッターはビスケットジョイントを行うための工具。
意外とマニアックな工具で大工さんはほとんど持ってないし、家具屋さんくらいしか使わないものだけど、家具を作ることも多いDIYerには大いに役に立つ。
TwitterのDIYer界隈でもその活躍は目立ってる。
使い方なんかの細かいことは下の記事にまとめてあるので参考にして欲しい。
図解ビスケットジョイントのやり方 & マキタPJ180DZジョイントカッター 工具レビュー
ビスケットジョイントの出番が板接ぎだけと思ったら大きな間違いだ、もちろん板接ぎには絶大な力を発揮するが、ビスや釘を使わないDIYに挑戦したい ...
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ではどんな製品を選べばいいのかというと、マキタしか選択肢はないし、ビスケット自体もマキタから買うしかない。
AC機と充電式があるけどさほど充電式のメリットは多くない。しかし充電式のPJ180DZ方がやすいので、ここは大人しくそちらを買っておいたほうがいいと思う。
いざというときアクロバティックな使い方もできるので(上の記事参照)。
かってよかったもの総まとめ2021
動画と合わせて結構バズり気味の記事、上で解説しなかった振動ドリルとか手押しかんなもある。よかったらどうぞ。
【2021年】買ってよかった強コスパ電動工具12選
ここ数年で買った素晴らしき工具たちをランキング形式で発表して見たいと思う。 買ったものはルーターとかマルチとかインパクトとか他にも色々あるん ...
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