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知って損はないコーススレッドビスの話 DIYで扱いやすいネジ・ビス・コースレッド

コーススレッド、木ネジ、タッピング、まとめて「ビス」

木材をいじくる上で一番お世話になるのは「コーススレッド」タイプだけど、なんかいっぱいあるんだけど、長さくらいしか見てないって人も多いかもしれない。

それでもなんか回せば使えるのがビスのいいところでもあるんだけど、パッケージに表記されてる情報や、形状にはいろんな役立つ情報が含まれている。

初歩的なところから、案外知られていないかもしれない事も含めてまとめていきたい。

コーススレッドとは

コーススレッドは建築内装業界およびDIY全般でよく使われるネジの一種。

その他のネジと比較して

・ピッチが広い→ねじ込むのが早い

・ネジ山が高い→保持力が高い


・焼き入れされて→硬い

というわけで、木→木の締結にはほとんどコーススレッドが使われるし、使いやすくもある木材専門のビス

木に対して別の素材を取り付ける時にも使える。(タッピング1種使うことが多いけど)

正式名称はCoarse thread 「コース・スレッド」だけど、大体スが一個消えてコースレッドと呼ばれる。

だから以後はコースレッドと書かせてもらう。

先割れ(足割れ)とフレキ

パッケージしばしば書いてあるこのワードだけど、あるのとないのでは雲泥の違い。

先割れはこれ(左)。

この先端加工はビスの打ち込み時にドリルのような働きをしてくれて、材料が割れにくくなる。

特に軸細タイプ(スリム)のコースレッドはほとんどこの加工がなされているので、下穴を開けずにバンバン打ち込んでいける。

木の割れを防ぐための先端加工は「先割れ」以外にもたくさんあるので、興味があればホームセンターで色々観察してみよう。いろんな発見がある。


フレキ頭というのも似たようなもの(左)。

この頭の裏についた突起が材料を削り取ってくれるため、ラッパ頭が綺麗に材料に沈み込むのを助けてくれる。

軸ならまだしも、頭の径を沈めるために掛かる負荷はめっちゃデカく、そのタイミングで材料が割れることが一番多い。

杉なんかだと割れるだけで済むけど、オークみたいなクソ堅い木に下穴も皿取りもなくビスを沈めようとすると、負荷に耐えられなくなった頭が自動でチョンパする。

杉やベニヤであっても下のようにササクレが立ち上がってしまうのを防いでくれる(左)。


これもまた軸細コースレッド(スリム)には基本搭載されていることが多い。

なので自分はほとんどの作業が軸細なんだよね。

スリムと普通コーススレッド

ジャンル的には細いか太いかだけの違いだけど、スリムはフレキ頭と先割れが標準装備なので非常に扱いやすい。

でも保持能力は普通のコースレッドの方がもちろん高いので建築内装関連ではそちらが多く使われる。

自分は家具サイズのものを作ることが多いのもあって、ほぼスリムビスしか使ってないくらいだけど、それは常にボンドを併用できるシーンだからとも言える。

なので天板と幕板であったり、引き出しの前板であったり、ボンドを使わないシーンでは普通のコースレッドを使う。

とは言っても面倒臭かったり、感覚的にスリムでいいやと思える時はスリムで行くので気分次第。

例えば7,8年前に杉板の簡単なウッドデッキを、手元のスリムビスだけで組んでみたことがある。

結果的に、現在はいろんなところがすっぽ抜けてるし、錆びて朽ち果てて土に還ろうとしているやつもいる。

ステンレス 錆びるものと錆びないもの

やや錆びにくいものと、すごく錆びにくいもの

ステンレスはよく「SUS(サス)」と略す。

SUSのビスを買う理由としてはウッドデッキなど外で使うだとか、なんか大事なものを作りたいとかそういう時に買うと思う。

ステンレスというだけで基本的にユニクロメッキよりは錆にくいけど、その耐候性は種類によって大きく異なり、外に使うと簡単に錆びるものもある。

ホームセンターなどでよく見る2種類について、実用的な部分での違いをめっちゃ簡単に説明する

SUS304 オーステナイト系

錆びにくい
×磁石がつかない
×舐めやすく、捩じ切れやすい

ウッドデッキ用のステンレスビスなんかはこれが使われていることが多い。

ただしビット磁石にくっつかないので!!!!圧倒的に!!!作業がしにくく、堅木に打ち込むと「なんか首がちぎれたんですけど」ってなりやすい。

家庭用のシンクなどにもよく使われる。(業務用は磁性のあるSUS430が多い)

SUS410 マルテンサイト系

×やや錆びやすい
磁石がつく
◯舐めにくく捩じ切れにくい

防錆メッキの鉄ビスに劣ることもあるけど、ビットにくっついてくれるのでいつも通りの感覚で作業ができるし、捩じ切れにくいので破壊的な作業にも使いやすい。

自分はSUSを使うこと自体少ないけど、屋根のある半屋外とかはこれで十分って印象。

覚え方

SUSの種類多すぎて意味不明なので一旦、

ビットにくっつかないものは錆びない(304)、くっつくものは錆びる(410)。

これだけでいいと思う。

SUSの種類は奥が深く、賢くなった気分になれるのでよく調べるんだけど、片っ端から忘れていく。

錆びない鉄ビスの方がいいかも

SUSのビスは磁性の有無による作業性と、錆びにくさがトレードオフになってしまってる上に結構高い

「SUS410がもっと錆にくくて安ければいいのに」その願いを叶えてくれるものがこれ。

おそらく防錆性能はSUS410以上、304以下ってとこだと思うけど、もちろん磁性があっていつも通りの感覚で使える上に、SUSのビスよりちょっと安い。

SUSビスの悪いところをカバーしてくれてる上位互換とも言えるかもしれない。

写真のものは新しいウッドデッキ用に買った。

呼び径と下穴

先割れやフレキがあれば下穴がいらないと書いたけど、割れを絶対防ぎたい時や、綺麗に納めるならもちろん必須。

その下穴はとても重要だけど、パッケージにはその適正径は書いていない。

まずは手元にあった呼び径3.3mmの軸細コースレッドを測ってみる。

このようになってるわけだけど、呼び径というのはネジの一番出っぱってるところを示している。

そしてネジをしっかり効かせて割れを防ぐには、軸の2.0mmと同じ径の下穴を開ければいいと思ってる。

下穴が大きすぎればホールドパワーが下がってしまうので、軸に合わせればばネジ部分がピッタリ噛み合ってくれて、ねじ山はしっかり材料に食い込んでくれる。

もちろん呼び径によって軸の太さも変わるんだけど、スリムビス(軸細)はほぼ2.0mmでいける。

で、普通のコースレッドは大体2.5mm。長さが90mmとかになると軸も3.3mmくらいあったりするけど、普段使いしそうなサイズにはスリムが2.0、普通が2.5mmって感じでうる覚えしておけばいいと思う。

極論言うと開けないよりはマシ。さらにいうとデカすぎるよりマシ。


さらにラッパ頭(か皿頭)を綺麗に埋めるためには「皿取り」という加工もしなければいけないんだけど、全部まとめてやってくれるものを使うのが手っ取り早い。

これはスターエムの皿取り錐ストッパーを組み合わせたもので、作業はまあ早いしセンターがずれないのでこれに勝るものはない。

ちなみに無垢材であっても広い面積だったり合板だったり、割れの危険がない時は下穴がない方が圧が強くなると思う。

全ネジと半ネジ

一応2種類あるけど、コースレッドタイプのビスを使う上で全ネジタイプを買うことは皆無と言ってもいいかもしれない。

半ネジタイプはネジが効かない部分があるので、2種類の材料をしっかり引き寄せ、密着させて固定させることができる。

全ネジはその逆で引き寄せる力が働かない。

そして半ネジを使う時にはネジ無し部分の長さを気にすることもさほどない。

貼り付け材に数ミリネジがかかったとしても、締め込む過程で空転して(ネジ山が壊れて)引き寄せてくれる。

全ネジタイプの利点として挙げられるのは、頭が飛んでも締結力が維持される所だとされているけど、「そんなシーンはない」という自分みたいな人には無用の存在。

実演を交えた動画

こちらの記事をもとに実際にいろいろやる動画を作っているので見てね。

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