往々にしてしてとけばよかったと後から思うことがある。独学だったら特に。
というわけで自分が思う知っときゃよかったTipsをまとめていきたい。
もっと基本的なところが気になる人は下の動画も見てほしい。
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ビット軸の径には6mm(ミリ)と6.35mm(インチ)がある
買ったビットが適合しないということは、インチ国家のせいでしばしば起こりうる。
ビットを差し込む口の周囲をコレットと呼ぶ。日本国内の基本的なサイズは6mmだけど、海外のビットは6.35mmも多い。
国産のほとんどのトリマは6mmしか標準付属していないため、最初に6.35mmコレットも買う必要がある。
しかもメーカー及び機種間においても仕様が異なる場合が多いので気をつけて買おう。
ビット形状のバリエーションは6.35mmの方が間違いなく多いため、最初に6.35mmコレットを買っておいた方がいいと思う。
DIYの名機、リョービMTR-42だけセット販売しているのを確認している。
使ってる人が多いと思われるマキタRT50DZ系は6.35コレットがめっちゃわかりにくく、なぜか販売店も異様に少ない、なので適合しないものを買ってしまう人が非常に多いのでリンクを貼っておく。
プランジベースがある
トリマは基本的に上から下に打ち下ろす動作ができない。
にもかかわらずそのような加工が必要になるシーンは非常に多い。
この動作はプランジ機能というけど、日本では一般にルーターと呼ばれるものに搭載されていることが多く、これをプランジルーターと呼ぶ。
しかし特別な事情がない限り、でかくて扱いにくいプランジルーターを買う必要はなく、トリマにプランジ機能をあたえるアタッチメントとしてプランジベースというものがマキタから発売されている。
マキタRT50DZは当然、ハイコーキM3608DAにも適合する。残念ながら京セラリョービ製品には適合しないけど、ごく簡単な工夫で装着させる動画はたくさんあるので検索してみると良いかも。
具体的な機能や使い所なんかは下の記事にまとめてあるので見てほしい。
マキタトリマのプランジベースはハイコーキにも使えて便利【ルーター化】
このベースはマキタRT50DZもハイコーキM3608もどっちも完璧に対応している。マキタの開発チームが自社製品の品質向上を目指して開発したは ...
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回転数を変えることでできること
トリマの回転数は大体30,000min-1程度で、その他回転工具と比較して非常に速く、その速度はミリ秒パルサーに匹敵するけど、ハイエンドとなるとこの速度を最低10,000min-1程度まで落とすことができる。
回転数と関連して認識しておきたいのが、トリマービットの大きさは色々あるけど、大きなビットほど外周の速度が速くなると言うこと。
例えば標準的な6mmのビットに対して、36mmの横溝ビットを同じ回転数で回すと外周の速度はそのまま6倍になる。
これは単純に危険ということもあるし、慎重に加工したとしても速度が速い分だけ非常に焦げやすいため、回転数を落とす機能が重要になってくる。
というわけで回転数制御は焦げを抑制するのにも一役買うわけだけど、基本的に刃物は早く動かす方が良く切れる=綺麗に切れるので、悪戯に回転数を落とすと加工面は粗くなる。
これは特に逆目の加工で顕著に現れる。
また、加工とは無関係かもしれないけど、スローダウンすることは初心者の恐怖心を緩和することにもつながる。
慣れないうちはトリマーの動作音事態恐ろしいもの。
優しい低回転から付き合いを始め、トリマーの特性に慣れていくのも良い選択肢だと思う。
ちなみに回転数の制御範囲は色々あって、今のところ10,000まで落とせるのはマキタとハイコーキのハイエンドのみ。
京セラリョービのものは16,000まで。
マキコーのハイエンドについては下の記事で比較している。
【敗北を知りたい】ハイコーキM3608DA 向こう5年は敵なしのハイエンドトリマ【無慈悲】
ハイコーキM3608DAは2022年現在、間違いなく国内最強のトリマであって、他機種との違いが明確すぎて記事を書くのも簡単だ。 そのスペック ...
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でかいベースで安定
トリマーのベースは大体90mmx90mmのものが多いけど、これが小さすぎてガタついたり安定感が不足するシーンってのは結構ある。
ならばそのベースをおっきくしてやればいい。これは非常に簡単。
トリマーのベースは裏のネジ4本で留まっているだけ。
ベースが大きくなれば良いだけなので難しいことは考えず、ネジ穴とビットが通る穴を開けた適当な板を貼り付けるだけで良い。
よく使われるのはアクリル。場合によっては8mmくらいはあった方がいいかもしれない。
例えば穴をくり抜きたい時、ノーマルのベースだとこのように段差に落ちてしまうけど。
でかいベースを付けるだけでこれを防げる。
形状については写真のような円形もありだけど、長方形でもいいし、アクリルじゃなくてベニヤでも役目は果たしてくれる。
アルミやアクリルも切れる
トリマービットの刃は基本的に超硬合金。
超硬合金というのは鉄よりも硬いタングステンという素材が主となっているので大体の金属切ることができる。
柔らかいアルミなどは楽勝の部類。銅や真鍮なんかもいけると思う。
金属加工の専門家ではないので経験則でしか語れないけど、回転数は木材加工の時と同じような感覚で、切削量だけ少なめに加工すればそうそう失敗はしないという印象。
例えばルーターテーブルを制作するときに行った下の加工。
これは金属用のエンドミル(というか木材切削用にメインで使ってる)で長方形を切ってから、普通ボーズ面ビットの段差がつくやつ(名前不明)で面取りをした。
まあかなり綺麗に切れたと思う。
続いて下はアクリル。
アクリルはほんと木材と同じような感覚で削って問題ないと思う。弾いたりすると割れるかもしれないけど。
ただしアクリルの場合は加工の時の熱が問題になるので、材料の種類に気をつけた方がいい。
ざっくり言ってアクリルの製法には「押し出し」と「キャスト」の2種類があって、キャストの方が熱に強い。
というわけで、トリマーの加工にはキャストアクリルを使うべき。押し出しは切断面が溶けてうまくいかない。
テーブル化することで安定する
トリマーテーブルというのは基本的に穴の空いた板だ。
多くの人がおそらく15分以内に1500円以内の予算で作ることができる。
さまざまな機能を盛り込もうとすればどこまでも時間をかけることはできるけど、今すぐ必要という時には簡易なものを即座に作ることができる。
簡易テーブルの作り方や考え方は下の記事参照。
トリマーテーブルを作ろう【トリマーで何ができる?その3】
前回は倣い加工(ならいかこう)について説明してみたが、その倣い加工に特に力を発揮するのがトリマーテーブルだ。 パーツが細くなったり小さくなる ...
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トリマーテーブルは特にならい加工という加工で非常に役に立つのと、細長い材料に対して直線加工を行う時に便利。
まあ生かし方は無限にある。
ならい加工はDIYスキルを爆上げする必須技術。詳しくは以下。
【2021.12更新】倣い(ならい)加工というコピペ技術【トリマーで何ができる?その2】
ここではトリマーの超重要技術である「倣い加工(ならいかこう)」について説明してみようと思う。 その1では、基本技能に近い例を紹介した。ちょっ ...
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はみ出したもののカットができる
板と板をぴったり張り合わせるのは難しい。というか不可能。
大きめに張り合わせて丸ノコで切る、みたいなやり方をしてる人もいるかもしれないけど、トリマーだともっと簡単にできる。
それをやるのがフラッシュトリムビットとか目地払いビット言われるもの。
このビットを材料に当てると。
下の材料に対して上の板が飛び出しているけど、このようにビットを当てて動かすことで、下の材料より出っぱった部分を綺麗に切り落とすことができる。
これは曲線であっても問題なく加工できる。さっきチラッと言った倣い加工とはこの延長線上にある技術とも言える。
続きは動画で
この記事は動画が先行している。記事に落とし込んでいくのがめんどくさくなってきたのであとは動画で見てほしい。