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トリマーテーブルを作ろう【トリマーで何ができる?その3】

2021年6月6日

前回は倣い加工(ならいかこう)について説明してみたが、その倣い加工に特に力を発揮するのがトリマーテーブルだ。

パーツが細くなったり小さくなると、トリマーを材料に乗せかけること自体が難しくなり、非常に危険。ぜひ作っておこう。

トリマーテーブルを作るのは大変というイメージがあると思うけど、ぶっちゃけ10分でつくれる。なので作り方について解説してみようと思う。

木工機械の中でも、買わずに作ったほうがいいものナンバーワン。

材料費もほとんどかからない。

ちなみに倣い加工の記事はこちら↓トリマーを持ったら必ず知っておくべき技術だ。

【2021.12更新】倣い(ならい)加工というコピペ技術【トリマーで何ができる?その2】

ここではトリマーの超重要技術である「倣い加工(ならいかこう)」について説明してみようと思う。その1では、基本技能に近い例を紹介した。ちょっと ...

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概要 - トリマーテーブルとは

簡単に説明すると、トリマーを逆さまにして、ベースを大きくして安定させたもの。トリマーではなく材料を動かす。

僕は作業場が狭いので仮設固定の収納式にした。これを独立のテーブルにしてしまえばまんま「トリマーテーブル」となる。

図のように非常にシンプルな構造となっており、倣い加工などベアリング付きビットでの作業だけを行うならば、ストレートガイドすらも不要。

このような感じで材料を当てて動かすことで加工する。

写真のような大きさの材料だと、手持ちのトリマーを当てて加工するのは至難の業だが、トリマーテーブルであれば比較的安全に、安定して作業ができる。

とはいえ材料を弾きやすいのは同じなので、雑なことやってたら指ごと持って逝かれるから気をつけろよ。

使い方の感覚は、少しテーブルソーや昇降盤に近いか、その辺使ったことある人なら危険予測もできるだろう。

怪我を避けるには材料をしっかり抑えること、刃と指の距離を一定以上離すこと。どうしても刃に指が近づいてしまう時は、可能なら棒などで押すこと。

こいつを駆使して、クソ硬い木材トップランカーでもあるホワイトオークさんをこんな形に削ることができた。

製作手順 - トリマーテーブルを作る材料

それでは順次説明していく。下記はテーブルソーの機構を満たすための必要最低限の材料だ。

盤面とガイド

盤面はなるべく平面の出た板。

  • 厚み - 12mm〜18mm程度
  • 大きさ - 用途に応じて(写真は370×730程度で小さめ)
  • 素材 - 合板、ランバーコア、MDFなど狂いの出にくい積層材がおすすめ

ストレートガイドは反りなどが無く、底とガイド面が直角である必要がある。

写真では45x45の角材を使っている、がランバーコアを貼り合わせたり、箱状にして直角を作ったほうが正確だと思う。

  • 大きさ - 底とガイド面はがたつき防止のために45mmは欲しい
  • 素材 - 合板、ランバーコア、MDFなど狂いの出にくい積層材、さほど精度を求めないならなら角材でも代用可。

トリマーを固定するネジ

これは盤面にトリマー本体を固定するネジ。本体に取り付いているベースを取り外し、付属していたネジと同じ太さのものを買おう。

  • 長さ - 20mmあれば大体いける。材料を挟んでトリマー本体に届けば良い
  • 太さ - ここではM4サイズ
  • ネジの頭 - トラス頭、もしくはナベ+ワッシャー。材料を抑えることができればなんでも良い。

トリマー本体

なんでもいいんだけど、コード式でいいと思う。

一つ付け加えるなら刃の昇降が簡易なものが良い。

おすすめはリョービのこの辺。(写真のものより安い)

こいつは偉大なる電動工具メーカーであり、ハンドルーターやトリマーの機構の先駆けでもあるポーターケーブル社の昇降機構をパクったものなので信頼性がある。

欲しい。

使用するキリ(ビット)

  • φ35mm - トリマービットがでる穴を開けるキリ、用途に応じてお好みで調整。
  • φ4mm - ベース取り付け用のネジ径に合わせて。M4なら4mm。
  • φ10 - 上のネジ頭を沈めるためのもの。ネジの頭が入るサイズで。

製作手順 - 盤面の加工

盤面のセンターに、トリマー付属のベースプレートをあてる。

ちなみにこの加工はオモテ面から行う。

そして取り付け穴をマーキングする。

続いて穴あけ

前作ったものなので木目が違うがオモテから加工をしている。

4点の穴はφ10mmと4mmの2段穴になっている。

あとはネジでトリマーの本体を裏側から取り付けるだけ。

ドライバーで閉めよう。インパクトでもいけるけど。

こんな感じ。

ここまで手際よくやれば10分かからないと思う。

こんなふうに作業台などにクランプ付けするだけで、倣い加工や面取り専用の仮設トリマーテーブルとしては十分過ぎる性能を発揮する。

ストレートガイドの作り方は以下。

製作手順 - ストレートガイドの製作

まずストレートガイドの機構について。

市販のトリマーテーブルはストレートガイドを2点スライドで操作するものが多いが、トリマーテーブルは点(ビット)と線(ガイド)の位置関係で加工寸法が決まるので、ガイドを平行に動かす意味がまったくない。

よくわからんと思うので下の写真を見て欲しい。

このように軸を一点にしてしまえば余分な操作が必要なく、距離も測りやすい。

凝った人は下の方に目盛りを貼ってもいいと思う。

軸は下からビス留め。

この機構はすごい木工家である「Ishitani Furniture」さんの製作動画を見てたら出てきたのでパクらせていただいた。すいません。

同じく、凝った人なら上下からボルトナットで挟み込めばいいと思う。

ビットが接する箇所の切り欠きは穴と同じくφ35のキリで掘ってある。

このやり方はほんとなんでもいいので好きにやればいいと思う。

製作手順 - 脚の取り付けで対荷重アップ

とはいえこのままでは強い荷重がかけにくい。

なので脚を作った。

これもクランプで固定できる超簡単なもの。気になる人がいれば動画で解説してるので見てくれたら嬉しい。

まとめ

長々と解説してきたけど、基本構造さえ押さえればビビるほど簡単に作れるのがトリマーテーブルだ。絶対買うなと言いたい。

バラせば脚付きでもこんなボリューム、ぶら下げてしまっておける。

本日はここまで、なにか参考になれば幸いだ。

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