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【#1】スライド丁番の種類と選び方・付け方・調整 LAMPオリンピア360が最高

2021年6月9日

家具の扉に便利なスライド丁番だけど、なんだかんだ複雑に見えて、意外と使い方が分かりにくいかもしれない。

しかし基本を理解してしまえば加工と取り付けは簡単なのでぜひDIYの参考にしてもらえたら幸いだ。

あと、先に言っておくけどスライド蝶番は絶対ネットで買うべき。店頭と値段が違いすぎる。

1セット200円前後で買うべし。

安い店も書く。そして買うならスガツネ工業のLAMPオリンピア360が至高だ。(DIYにはH360ではなく360のダンパー無しがおすすめ)

理由は以下で解説する。

スライド丁番とはなんぞや

一言で言うと家具の扉のデザインの自由度を一気に高めてくれる魔法の蝶番といえる。

本体は2つのパーツに分かれていて、扉側と側板(がわいた)側に取り付ける。

動き方は複雑。だけど機構を理解する必要はない。

それでどんな利点があるのかというと、下記の通り。

扉が左右に干渉しない

これがスライド蝶番を使う一番の理由。

扉が干渉しないと言うことは隙間が要らない(1mm程度で納まる)。ということでこのように収納面を一面で見せる事ができる。

写真は一枚のランバーコアで、ひとつながりの木目で仕上げてある。

これだけでは「普通の扉やん」と思うかもしれないので、下に比較画像を用意した。

写真は合成

普通の蝶番だと写真のように、扉の付け根に縦の側板(がわいた)を入れて、内側に納めないと右の引き出しと干渉してしまう。

また、蝶番が露出しているのがわかる。

あと、収納の一員として引き出しも作ろうと思っている人は下の記事も参考にしてほしい。

スライドレールはスガツネ一択!取り付け徹底解説【#8 DIYリノベでシェアハウス】

この記事はシェアハウスリノベの一環として書いたもの。のちにスライドレールについて徹底解説した記事を書いたので、できればそちらを参考にして欲し ...

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丁番が外から見えない

スライド丁番だと文字通り外からは金具が一切見えない。

普通の丁番だと下のようになる。

このような感じで出っ張ってしまう。

昔の家具はほとんどこれで、最近はスライド蝶番が主流だけど、これはこれで雰囲気が出ると思うので僕は使い分けたりする。

簡単に外せる

文字通りワンタッチで簡単に外れるのでめっちゃ便利だ。

でも旧式のスライド丁番をいじってた時に外れないものがあった。でもそんなの滅多にない。

これが。

こうなる。

建てつけが悪くなっても調整できる

これはとくにLAMPオリンピア360が優れている機構。

最初はビシッとしていた扉も経年によってずれが生じたりして、これを「建てつけが悪い」とか言ったりするけど、この蝶番はその辺もちょちょいと調整できる。

本体に調整ネジが3つあって、プラスドライバー1本で上下、左右、前後の3方向に調整ができる。

360とはこの全方位調整機能のことを指す(多分)

どれがどの方向に動くかわかってなくても、適当にやってりゃ調整できるレベル。

スライド丁番の種類と選び方

以下の項目ではスライド蝶番の選択の順序を書いていくけど、そもそも選択肢が多いので、重要じゃない部分は単純化しておすすめを書いておく。

なお、当ブログではLAMPオリンピア360がコスト機能ともに国内最強だと考えていて、リンクの金物店がこれまた最安だと思ってる。

以降の解説はオリンピア360を使う前提で書いてあるけど、ほかのメーカーのものでもいくつか調整機能が減るだけでさほど大きな違いはないと思う。

選択①インセットorかぶせ(全かぶせ・半かぶせ)か

とりあえず違いについて図を貼っておくが、下の写真を見てもらう方がはやい。

まずインセットとは下のような物。

これはミラーが扉になっていて、木の枠の内側に収まっているのがわかると思う。

扉が側板(がわいた)のウチに収まる。これがインセット。

ちなみに押すと開くプッシュオープンタイプを採用している。インセットには相性がいい。

それではかぶせとは?

上に載せた写真と同じものだが、縦の側板(がわいた)に扉がかぶさって隠れている。

扉が側板にかぶさっている。これがかぶせ。

かぶせ寸法は色々ある。

全かぶせ」と書いてるものはは大体19mm、「半かぶせ」は大体9mm被さる。

この辺は商品によって違ったりするのでかぶせ寸法を確認しよう。

もう一つ重要な事は、かぶせ寸法は少ない方に数ミリ調整できる

例えば18mmの側板にピッタリかぶせたい場合は、19mmのものを買えば調整してピッタリ被せる事ができる。

LAMP360は中間の「14mmかぶせ」というラインナップもある。

選択②キャッチありor無し

プッシュ式でないなら基本はキャッチありを推奨する。

キャッチとは開けたら開けた位置で止まって、少し押してやると勝手に閉まる機構。

キャッチ無しは、開けると自由にぶらんぶらんする。

価格差は(基本)ない。

プッシュオープンタイプについて

プッシュして開けたい場合は、スライド蝶番セットと別に「プッシュラッチ」または「マグネットラッチ」が必要になる。

これは扉を受け止めてキャッチしてくれる物で、蝶番が右なら左側という感じで反対側につける。基本的にスライド蝶番本体より高い。

個人的にはマグネットキャッチよりもプッシュラッチをお勧めする。マグネットはキャッチ力が弱い。

あと重要なのが、上の項目の「キャッチ無し」を選ぶ事。「キャッチあり」だとプッシュしても開かないぞ。

おすすめのLAMP360だと「オープンタイプ」と言うものがあって、これは勝手に開く力を加えてくれる。

便利かもしれない。使った事ないけど。

プッシュラッチ

選択③取り付け座金について

基本的に3点座を選ぼう。

座金というのは側板のほうにつける金具で。取り付けビスの数が3本だったり4本だったり、時に2本だったりする。

標準は3本の3点座。4点座なんてよっぽど重くて分厚いくらいだ。

選択④穴あけ径(カップ径)について

基本的にφ35を選ぼう。

スライド丁番は穴を開けてそこにはめる。

基本はφ35で、重量用でφ40とかがあったりする。

φ35は標準的な物でどこのホームセンターにもある。写真のようなものをザグリ用とかボアビットとか呼ぶが、この形を一つ持っておこう。

インパクトなら6角軸を買う事。

こんな感じではめてビス留め。

選択⑤ダンパーありor無し

ダンパーというのは閉まる時にゆっくり閉まってくれる機構。

非常にお上品に閉まってくれる。価格が倍以上になる。いらない。

バン!と閉まるのが嫌ならナミダ(クリアーバンパー)をつけたらいい。

選び方のまとめチェックリスト

  • かぶせかインセットか? - 目的のデザインに合わせて選択する。
  • キャッチありか無しか? - プッシュ方式でないならキャッチあり。
  • プッシュ方式を採用するか? - 別途プッシュラッチを購入。
  • 取り付け座金の選択 - よっぽどデカくない限り3点座。
  • カップ径の選択 - よっぽどデカくない限りφ35。
  • ダンパーの有無 - 高級家具でもない限り不要

購入時に気を付けるポイント

他にもこんなところに気をつけておこう。

  • 座金がセットかどうか確認しよう。別売りのところも多い。
  • 専用ビスが売ってたら買った方がいい。
  • 位置合わせジグが100円だから一緒に買おう。(LAMP360専用)
  • LAMP360をお勧めする。メーカーとの癒着がないならこれ一択。

スライド丁番はスガツネ工業(LAMP)のオリンピア360の一択

他は買うなと言いたい、こいつは数年前にデビューしたスライド蝶番の完成系。しかも安い。

何がすごいって文字通り360度方向に調整できる点だ。

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スライド丁番はカンペキな寸法で取り付けるのは結構難しい。大体ザグリ穴が少しずれる。しかも扉というのは材料が木であれば経年でズレが生じやすい。

そこで威力を発揮するのが調整機構。

縦、横、奥行きの全方位にプラスドライバー一本で調整できるんだからマジで楽。

絶対、楽天の金森金物店で買うのをお勧めする、税込1セット200円前後。ここより安いところを見つけたら教えてくれ。そっちで買う。

スライド丁番の取り付けと調整方法

取り付けについては別記事に分けたので下を見て欲しい。

【#2】スライド丁番の種類と選び方・付け方・調整

引き続き、取り付けと調整について解説していこう。 色々あるけど「迷うならこれにしとけ」って情報を盛り込んで説明していく。 なおこの記事では、 ...

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