初めて買う電動工具は多分こんな形をしている。
この二つは似たような姿形をしていて、作業に対する得意不得意はあれど、多種多様なビットを回転させる工具であることは共通しているため、できることに大きな違いはない。
DIYをするなら間違いなく万能選手である14.4V程度のインパクトから持った方がいいと思うのは僕の考えだけど、ドリルドライバーから入った方がいい場合もある。
僕はコーナンオリジナルの3,000円のドリルドライバーから入った。
両者のどこに違いがあり、それによってできることがどう変わるのか、結果的に誰にどれが適しているのか真面目に考察してみる。
Contents
インパクトとドリルドライバの具体的な違い
簡単に言うと、
インパクトはパワーとスピード。大きめのものづくり。
何をやらせてもスピーディーに作業ができて、特にネジ締めにおいては安定感も勝る。
そのパワーでバイクなんかのボルトだって結構回せる。
ドリルドライバーは技巧派。細かいものづくり。
力加減が得意で、無用に衝撃を加えることもなく回転軸も安定している。
スリーブ・チャックの違い
インパクトのビット取り付け部はスライド装着のスリーブ。ドリルドライバーにおいてはキーレスチャックと呼ばれるものが採用されている場合が多い。


これによって次のような違いがある。
- 脱着はインパクトの方が間違いなく早い。
- 回転軸の安定性はドリルドライバーの方が優れる。
- 装着可能なビットの形状もドリルドライバーの方はほぼ無制限なのに対し、インパクトは専用六角軸のものを使う必要がある。
ドリルドライバーは回転軸がほぼブレないため、本体を固定して材料側を押し当てるなど、ジグに組み込んで使ったりもしやすい。
インパクトはドリルを装着してもカチャカチャとした遊びがあるけど、先を材料に当ててしまえば、穴がブレるようなことはほぼない。
しかし、精密さを求めるならドリルドライバーの方が安定する。
ただし、細い下穴ドリルみたいな折れやすいものは、遊びのあるインパクトのスリーブのほうが折れにくい気もする。
ネジ締めを行う際も、この遊びが手のブレを若干吸収してくれる感じがある。
インパクト機能
これは文字通りインパクトドライバーに備わった機能で、負荷がかかったときにインパクト=衝撃を加えることで回転をサポートする。
この機能はネジ締めで圧倒的すぎる力を発揮する。
このインパクトによって、ネジの頭にビットが強く食い込むため、ズレて頭を潰してしまったりすることが極端に減る。

これは初心者においてもめちゃくちゃ助けになると思うし、両者の違いを大きく実感できると思う。
当然ながら締め込み速度も圧倒的に違う。
この機能がインパクトドライバーの作業効率を圧倒的に高めている。
ただし、穴あけにおいてはこの衝撃が正確な作業の邪魔になる。オフにできればいいんだけど、知る限りそんな機能があるものはない。
(ドリルモード搭載品はあるらしい)
いくらゆっくり回しても負荷が掛かればインパクトは発生する。
特に金属に対する穴あけなどではドリル側のダメージが大きく、簡単に折れてしまう。
ただし、木材でそれを気にする必要はほぼなく、ホムセンでもよく売ってる「インパクト用ドリルビット」を使えば、インパクト機能によって高負荷の穴あけもバリバリスムーズに進む場合の方が多い。
これにより、穴あけもネジ締めもインパクトの方が素早くできる。という結論が自分の中で成り立っている。
もちろん精度を気にするのであればベストではないけど。
これによってインパクトは14.4Vの入門機でも最大トルクは140Nm程度あり、ドリルドライバーは30Nm程度のものが多い。
ただしこのインパクト音は、夜にマンションなんかで響かせると間違いなくピンポンを鳴らされるので注意が必要。
お昼だったら日常でも良く聞いてるはずの音なので「あー工事やってんな」みたいな感じで済むと思うけど。
トルク調整クラッチ

これはドリルドライバーに備わった機能。
一定の負荷がかかった時点でクラッチが滑り、回転を止めることができる。
これによって、ビスの締め具合を一定に統一することができる。
ただし木材の場合は部位によって硬さが全然違う為「一定の深さに統一」は不可能なので、その場合は深さを制限するビスキャッチののようなものを使った方が良い。
また、トルクレンチのように指定トルクで締めるようなことはできない(説明書に目安程度は書いてある)ので、感覚的に調整するのが良いと思う。
DIYerが指定トルクで締めたいシーンって車とかバイクが多いかもしれないけど、多くのドリルドライバーではそもそものトルクが足らないので、緩めることすらできないことが多いと思う。
正直あれば便利だけど、そこまで多用する機能ではないと思う。
価格の違い
インパクトの方が高い。
入門者が両者の違いを理解せずドリルドライバーを選択してしまうのはここに大きな理由があると思う。
僕もそうだった。
実際のところどのように選択したらいいんだろうか。
選択の順序
何が必要かはその人の置かれた環境とやりたいことで全く異なる。
僕らの限られたキャッシュはいつだって効果的に使いたい。
なのでこのように考えてみた。
LV.1
具体的に何かを作ると言うよりも、IKEAの家具を組み立てるとか、カーテンレールを取り付けたいとか。
でもたまーに木に穴を開けたり、壁に板を取り付けたりもしたい。
そんなにしょっちゅう使わないかもしれないし、そもそも電動工具を買うのは初めて。そんな入門者は。
激安ドリルドライバー(コードレス) 4,000円
本当にこれだけでいいと思う。マキタやハイコーキを買う必要なんてない。
1本で変わる。コーナンのドリルドライバーで新世界を見た僕のように。
ネジを締めるのが10倍早くなる。
どこでも穴が開けれる。
無いのとあるのとでは本当に別世界。
アイリスオーヤマは初心者の味方。
バッテリー1つセットで4,000円程度とめちゃくちゃ安い。
2つセットなんて絶対必要ないから。マキタやハイコーキに2万円だす必要ないから。
こいつは突如ホムセンに現れた期待の新星で、いじくり回す限り、トルク調整、スピード調整、うちの持ってるしょぼいDEWALTのドリルと、なんの遜色もない機能を最低限備えている。
最低限。つまりオーバースペック。
初めて電動工具を手にする人には文字通りオーバスペックで、これをいじくり回すことでドリルドライバーの基本を学ぶこととなる。
LV.2
昔から図工、技術が大好きで、今度庭にウッドデッキでも作ってみようと思った。とか、
簡単な木工遊びをするけど、釘とボンドだけじゃやってられなくなった。
みたいに「なにかを作りたい」人は。
インパクトドライバー 10,000円
思うに14.4V以上のインパクトは抜群に汎用性が高い。
細かいことはドリルドライバーの方が確かに得意だけど、多くのDIYにその細かさは必要なく、スピードとパワー(打撃機能)に優れるインパクトは、あらゆるシーンをワンオペでこなしてくれる。
ネジ締めはもちろん、穴を開けるのだってインパクトの方が早い。
現場の派遣バイトくん達が持参するのは間違いなくインパクト。それはインパクトが万能だから。
そんなインパクトを買う上で、いくつか考える点がある。
- プロ用か、入門用か
- バッテリー共用を考えるか
まず1について、プロ用と入門用では指先のレスポンスが明確に違う。要するに操作性が結構違う。
長く使うなら間違いなくプロ用がいいけど、そこまでバリバリやるわけじゃないって人は入門用でも十分インパクトしてくれる。
2のバッテリ共有については、あまり考えなくていいと思う。むしろしない方がいいかも。
僕はプロ用のマキタ18Vと14.4Vを持っていて、他の工具とバッテリ共有をしているのは18Vだ。
なのでしばしば18Vインパクトにバッテリが挿さっていないため、手に取るのは14.4Vであることの方が多い。
だから、14.4Vのインパクトだけでいいじゃんってなってる。
なので、インパクトだけ単独のバッテリ付きで購入しても、14.4Vくらいのパワーがあれば末長くお付き合いできる。
というわけで入門用としてはお値打ち価格のこいつをお勧めしておく。
これハイコーキの割にはほんとお値打ち。
1.3Ahという容量は少ないけど、バッテリ2個だし、おうちでDIYするなら困ることないと思う。
じゃあハイエンドはというと、、
マキタがいいとかハイコーキがいいとかそんな議論に対する答えは持ち合わせていない。
ただ、バッテリを持ってない人がフルセットで買うときの値段はとんでもないことになるとだけ言っておきたい。
でも、本体分の値段はまあ15,000〜18,000円程度に収まるので、いつかハイエンドのインパクトにする。かつ、ほかのバッテリ工具も持つならば、結局セットで買っておくのがお得となる。
これはインパクト選びと言うより、バッテリ選びとも言える大きな分岐点かもしれない。
参考までに僕が持ってるのはマキタ18Vの6.0Ah2つと、その互換バッテリ2つの合計4つだ。
それぞれのバッテリで使える工具のラインナップを見てみよう。
マキタ・ハイコーキバッテリ選びの話
マキタ18V
300種類程度
マキタ40Vmax(36V)
100種類以上
ハイコーキ18V/36V
90種類以上+70種類以上
と言うわけで使える工具の数は今もマキタ18Vが圧倒的優勢。
個人的にランダムサンダがマキタ18Vでしか使えないのはポイント。(一応ジョイントカッタも)
今だけじゃなくて将来のことも考えるならば、今一番スピーディーにラインナップを増やしていってるのはマキタ40Vmaxだ。
2021年10月のカタログで92モデルと記載があっての今だから120種類とかあるかも。
メーカー規模と過去の開発速度から見ても、ラインナップはマキタが上回ることになると思う。
機能面ではハイコーキの方が上回ることが多い印象。トリマとか。
これは後追い開発になった場合の話で、優劣をつけるわけではないが、互換性という点ではなんやかんやハイコーキの方が上手い感じはする。
まあ個人的な意見としては、今後36Vが主流になっていくと考えても、DIYにはマキタ18Vが一番選択肢が広いと思う。
ただ、日本にいればこの2社のバッテリが絶対的な選択肢になってくるけど、世界市場で見て特別優れているわけではない。
ボッシュなんかはPRO-COREという新しい18Vのバッテリで、日本のAC機の限界である1500W以上の出力を実現してるし、DEWALTはPOWERSTACKという、新構造の積層型バッテリーセルを搭載するコンセプトモデルを発表した。
この辺はそんな詳しくないので以下の記事がすごく参考になる。
LV.3
だいぶ遠回りしたけど、もっといろんなものづくりをする人をLV.3とするならば、その欲深さ故に、インパクトもドリルドライバーも持っているだろうし、ボール盤も持っているので、この記事で言うことは何もない。
動画解説
インパクト機能だのチャックの締め方なんかは動画じゃないとわかりにくいところ。
ドリル・インパクト関連の情報色々
このあたりに関連する記事は色々あるのでよかったらどうぞ。
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