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【DIY】最初に知りたいドリルの種類と違いと使い分け【木材向け】

2022年4月26日

ドリルの種類多すぎ問題。

穴を開ける道具はDIYの基本中の基本でありながら、無限とも思える種類がある。

なので、初めてドリルドライバーを手にして穴を開けたいと思ったとき、最適なビットはせいぜい1種類か2種類に限られるにも関わらず、そこに辿り着けない。

まず調べておきたいのは「何が違うのか?」だと思う。

初心者が穴を開けるとき、知っておきたいドリルビットの種類を「違い」にフューチャーして解説してみる。

木工用と鉄工用の違い

とにかく穴さえ開けばいいんだよ。と思うなら、相手が木材ならどっちを使っても穴は開く。

でも綺麗で正確な加工を行うためにはやはり木工ビットを使ったほうがいい。
(木工ビットで金属に穴を開けることはできない)

木工用

木工用もいろんな種類があるけど、先端は間違いなく尖っているのがポイント。

基本的に木に穴を空ける時には千枚通しのようなキリで開けたい場所にマーキングしておき、このトンガリをそこに合わせて掘り始める。


木工用ドリルはさらに、図のように「ケガキ刃」「スクイ刃」と言うものがある。

ドリルで刃物になっているのは基本的にこの部分だけ。

なので研ぐ時はこの部分だけ研げば良い。

この刃がどのように材料を加工していくのか、図解すると以下の通り。

まずはマーキング。

先端がマーキングポイントに刺さる。

次にケガキ刃がコンパスのように外周に切り込みを入れ、木材の繊維が断ち切られる。

次にスクイ刃が、その間をすくいとる。

このコンビネーションが木工用ドリルビットの特徴。

センターがズレにくく、外周をケガキ刃が先行するため、特に入り口のバリやささくれを防いで綺麗に仕上がる。

ケガキ刃のない木工ドリルもあるけど、それは正確さよりも他の点に重きを置いていることが多いと思う。

綺麗な加工をするならこのタイプで、大きく分けて2種類あるので以下の項目で解説する。

鉄工用

鉄工用はもう少しシンプルな形をしており、材質がハイス鋼以上と言うこともあって、適当に掘る分には木工ドリルよりも加工速度が速い。

でも見ての通り、先端の「トンガリ」と外周の「ケガキ刃」がないため、入り始めにずれやすく、繊維のある木材はバリやささくれが出やすい。柔らかい杉とかとくに。

細かく言うと先端はチゼルエッジっていう平坦(山型)の部分があるのでどうしても滑る。それを無くすシンニング加工という削りが施されたものもあるけど、木にはあまり関係ない。

さらに切屑の排出効率も悪いので焦げやすい。なのでやっぱり木工には不向き。


ただし下穴に適した2mm台のラインナップが豊富で、そのサイズになるとズレやバリとかも問題になりにくい。

なので個人的に木材の下穴は2mmや2.5mm鉄鋼ドリルをよく使う、しかもダイソー。一応下穴錐も持ってるけど必須ではない感じ。


木工メインでやっていても金属の加工は避けては通れないので、その時には当然こちらを使う。

金属への穴あけはマーキング用のオートポンチ切削油を用意しておけば、小さい穴開けなら大体問題なく行えると思う。

ある程度大きい穴を正確に開けるにはチゼルエッジをかわすため、センタードリルなどを使って加工していくことになると思う。

木工ドリルの先ネジと先三角の違い

木工ビットの中で最初に把握したいのは「先ネジ」「先三角」の違い。

乱暴に言ってしまえば、手持ちの作業を行うには先ネジビットの方が使いやすく、ボール盤作業には先三角の方が使いやすいと言える。

先ネジ(インパクトビット)

まずこいつは基本的にボール盤では使えない手持ち専用。←重要。

特にインパクトでの使用を考慮した刃先になっているものが多く、インパクトビットなんて名前がついていたりするけどドリルドライバーでも問題ない。


先端がネジになっていて可愛い。

その特性を生かして回した分だけ進んでいく。回すのは自分じゃなくて電動工具なので、人の腕力はほとんど必要しない。

コースレッドを打ち込むようにサクサク素早く穴が開けられる上に全然疲れない。

かよわくても使える突撃型ドリルビットだ。

と言うわけで「力がいらない」「作業が早い」ってのがこのタイプの最大の特徴。

ボール盤を持たない人は最低限こちらを持っておくと良いと思う。


ただしデメリットもある。

回した分だけ進んで行くというのは、言い換えれば「勝手に進んでいく」とも言える。

途中で止めたいと思ってても、気づいたら貫通しちゃってた。みたいに暴走しちゃう側面もある。

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もちろんゆっくり回せばいいとも言えるんだけど、刃物は基本的に素早く動かした方が綺麗に切れる。

特に、最初にケガキ刃が入る時などは無停止から回すと繊維が引きちぎられて切断面がガタガタになったりする。

途中で止めたい時も、綺麗な底を作るには高速回転していたほうがいい。でも彼はアンストッパブル。


なので途中で止めるような「ザグリ穴(止め穴)」みたいなものには向かないけど、ドリルストッパーがあればそれなりに綺麗なザグリ穴が掘れる。

写真はスターエムのストッパー、樹脂製で空転するので材料に傷が入りにくい。(でも杉とかすこし跡がつく)

ちなみにドリルはスターエム皿取り3x9。ビス留めには黄金サイズかつ黄金の組み合わせだと思ってる。


結局はボール盤作業の方が上手くいくんだけど、ないものはしょうがない。


一番向いているのは貫通穴。

貫通穴は裏側に捨て板を当てるのはが最低限の鉄則。

でも、もっと綺麗に開けようと試行錯誤した結果、両側から開けるのがベストだという結論にだれもが辿り着くはず。

先ネジタイプは回転速度=進行速度なので深さのコントロールはしやすく、先端のネジ部分さえ貫通してしまえば突撃も止まる。

なので先端のネジがこんにちはしたところでストップし、裏側からちょっとだけ掘れば、とても綺麗な貫通穴が掘れる。

力を入れずネジに任せて進めた場合、抜け切らずこの程度で空転し始める。

でも実際にはもうちょっと手前で止めたほうがいい。


冒頭でボール盤では使えないと書いた理由は、回転が制御できないため、ネジで材料を持ち上げてぶん回すみたいなコントになりがちだからだ。

先三角

先ネジタイプはアンストッパブルだけど、こちらは繊細な加工に向いた技巧派。

基本的にボール盤で必携になるタイプだけど、手持ち工具でも細かいことがしたいいろんなシーンで使える。

技巧派はスターになれないのか?

そんなことはない、スターエムの先三角は個人的に穴あけの主役。


こちらは回した分だけガンガン入っていくと言うことがないので、手持ちで掘り進めるには人間の手の力が必要になる。

掘るのに時間はかかるし、力を入れる分だけ少し疲れる。

だから手持ちでやるには先ネジタイプの方が出番が多い。


しかし、回転速度と掘り込み速度を切り離すことができるので、「高速回転させながら ゆっくり進める」みたいなことが実現可能。

上で言った通り、美しい切り口を実現するには回転速度も非常に重要。

個人的な考えだけど、手持ちであってもスパッと綺麗な切り口を作りたいときはこちらを使う。

特にドリルガイドなんかを使う時、先ネジタイプは10mmくらいになるとデカイネジのせいで偏芯回転運動みたいになってちょっとブレたり、無理矢理ガイドを押しのけようとする。

こちらの方が高速で回しても暴れにくく正確な加工が行いやすい。


ザグリ穴を開けるにも適しているんだけど、決めた深さに加工しようと思うとやっぱりドリルストッパーがいるので、絶対的な優位性は無い。


そして貫通穴を開けるときは、自分の力で押し込んで進める以上、貫通寸前で止めるのが非常に難しいのでやっぱり先ネジビットの出番となる。


こう書いてみると、やはり手持ち加工の場合には一部の例外を除いて出番は少ないと思われる。


さらに後述する竹用ドリルにその存在意義を問いただされている気もする。かわいそう。

違いのまとめ

表にするとこのような感じ。

先ネジ先三角
穴あけ速度×
速度調整
貫通穴
ザグリ穴
ボール盤作業×

ボール盤がなければ先ネジから揃えるべきで、必要になれば先三角を買えばいいと思う。

セット品かスターエムか

もちろん安いセット品を買ってもいいと思う。

でも切れ味に不足を感じたり、精度を求めるようになってきたら、スターエムのやつ買っとけばいいと思う。

自分も昔セット品で買ってたけど、気づいたら3mmから10mm、とんで12,15,16mmとスターエムセットが揃ってた。

セット品と比較して単純に切れ味の違いを感じると思う。

なぜ切れるのか?は謎なんだけど、もしかしたら材料の硬度自体が少し高いのかもしれない。

ほぼ全て国内製造で寸法精度は本当に信頼できる。シェアもナンバーワンなので、何も考えずにホムセンで単品買いしても多分それスターエムだよ。

じゃあセット品は悪なのか?

実際、単価はかなり安くなるし、ライトなDIYなら穴さえ開けば解決される問題が大半だと思うし、破損の可能性が高いので安物を使いたい時だってある。

だから大いに需要はあると思う。

無責任にお勧めをあげるとするなら、素晴らしいデジタルノギスで密かにファンになったアークランドサカモトの「GREAT TOOL」ブランドをお勧めしておく。

9mmが入ってるのがいいね。3mmはあまり使わないかな。

これHRC硬度42~48って書いてあるけど、スターエムは52とか53くらいだってどこかで見たことがある気がする。

気のせいかもしれないけどそんな違いもあるのかも。

その他木工ドリル

ホームセンターにありがちなその他ドリルについて。

竹用ドリルってなんだ

結構耳にする竹用ドリルだけど、これは上にあげた先三角の完全上位互換で、竹も上手く切れる木工ドリルと言ってもいいと思う。

この記事を書くにあたって初めて使ったんだけど、めっちゃ切断面がキレイ。 バリが全く出ない。

褒めるところしか見つからない。

竹のような曲面でも上手く加工できるため、丸棒などの加工にも向いていると思う。アクリルや塩ビにも使えるので汎用性も高い。

キレイに開けたい木工用としては全部これでいいと思う。

唯一の弱点は、研げないところ。

でも先ネジでないものはボール盤で使用することが多く、普段使いでネジに当ててダメにする事件はなかなか起きないため、研がなくても相当長く使える。

あれ先三角の存在価値は?もはや製品の名前を変えたほうがいいのでは?

然手持ちドリルでもめっちゃキレイに開けれるので、ラフな作業は先ネジビットに任せて、こいつは油を欠かさず宝物のように扱って、いざと言う時に使うといいと思う。

あ、一応お値段は先三角の1.2〜1.5倍くらいはする。

曲面安定性や切断面の精度に優れる理由を考察してみると「ケガキ刃」がダブル(二条)になっているので負荷が分散される、スクイ刃は直線ではなく丸ノミを逆にしたような感じ。

つまりよくわからないけど切れる。

F型ビットってなんだ

ホームセンターの木工ビットコーナーにF型ビットってのがある。

パッケージにバリが出にくいと書いてあるので買ってしまいそうになるけど、丁寧な作業をしたいんだったらこいつの使い所はあんまりないと思う。

試しに買ってみたけど、やっぱりケガキ刃がないので上の2つと比べて明らかにバリが出る。

皿ねじを埋めるための面取りにも微妙、それだったらスターエムの皿取りキリ3X9の方が手っ取り早いしズレないので綺麗。

どんな作業を想定して作られているのかあまりわからない、コンパネとか?

ボアビット(フォースナービット)ってなんだ

ある程度の大きさの穴の加工にはボアビットを使うのが現実的。

見ての通り、浅くて横に広い、刃のつき方がちょっと違う。

これは浅く広いザグリ穴(止め穴)を掘るためのもので、底がキレイに作れる。くり抜き貫通加工しかできないホールソーとは違う。


その形状から深い穴を掘るにはまっすぐ進めるのが難しく、あまり向かない。(ガイドとなる2mm程度の下穴を開けておくとよい)

けど20mmくらいを超えると普通のビットは一気に高額になってくるため、ボアビットの方が割安となる。

個人的にスライド蝶番を使うときに必須になってくる35mmを一番使うかな。

それ以上の穴になるとトリマーなんかでサークルカットすることが多い。

ちなみに大径の穴は負荷も強く、手持ちのドリルやボール盤だと全然回ってくれなかったり、堅木だとすぐに焦げたりする。(インパクトなら打撃を使って雑に開けれるけど)


そこで手を出したのが「超硬チップ付き」

超硬とは兵器の装甲に使うようなタングステンが付加された金属で、個人的にはとにかく切れ味がよく、切れ味が鈍りにくい、無敵の素材だと思っている。

その分めっちゃ高くて、スターエムの堅木用の超硬丁板錐は一個で6,000円くらいする。

いや、流石に私にはオーバースペック過ぎますごめんなさい。と思ったので、Amazonの安すぎるセットに手を出した。

なんと2,000円ちょっと。国産で揃えたら10万円近くするんじゃないかな。

で、めちゃくちゃ切れる。

今まで普通に使ってたSK11の普通鋼ボアビットが相手にならなさ過ぎて笑えるので今度動画にしようと思う。

ただしケガキ刃が2点のちょんちょんなので、手持ちドリルの場合はあんまり早く回すと横滑りが起きやすいからゆっくり回した方がいい。

そもそもデカいドリルは外周の速度が小さいものの数倍になる。

ゆっくり回してもその辺のボアビットよりも綺麗かつスピーディに加工できる。超硬は最高。

超硬と言っても色々あるし、さほど期待していなかったけど、腐っても超硬ですね、と思わされた。

寸法精度には全く期待していなかったけど35mmで+0.15mm程度の誤差だった。(この点SK11のものは寸法精度はほぼ完璧。)

でもスライド蝶番つける分には全く問題にならない。

個人的には2段穴を作るために16mm〜18mmが欲しかったんだけど、このへんの寸法誤差は測定できないレベルのものだった。

当たり外れもあるのかもしれないけど、日本語の間違った保証書がついてるので、軸ブレしてたりしたら交換してくれると思う。

ドリルを長持ちさせるために

切れなくなったドリルは研げばまた切れるようになる。

研ぎの話はまた別記事でまとめたいけど、曲がったり潰れたドリル刃は僕の雑な研ぎ方でも十分蘇ってくれる。

詳しくはスターエムさんのHPでめっちゃ丁寧に解説してある。


ただし、金属に当てたり落としたりしない限り、メンテが良ければ研ぎがなくても相当長く使えると思う。

と言うわけでドリルを買ったらとりあえずシリコンスプレー(無溶剤)を吹いておくのをお勧めする。

シリコンスプレーは前の記事でも触れたけど、シリコン塗膜を形成してあらゆるものの滑りをよくしてくれる。

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これをドリルに吹くのは結構知られた話で、摩擦力の低減、ヤニの付着の低減、単純に錆止めなんかが期待できる。

硬い木も焦げにくくスムーズに切れてる(気がする)し、刷毛でシャカシャカすれば切屑も簡単に取れてる(ような気もする)。

少なくとも買った時と同じ黒い艶が続く。

めっちゃ安いし、よく使うものは頻繁に手入れしておくといいと思う。

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