2008年頃、大阪の北浜あたりで働いてたんだけど、当時からカシミールをはじめ、カレーに対する情熱あふれる店が目立つ街だった。
同僚に連れられていったのが、当時できたばかりと思われる「コロンビア8」。感動で涙を流すこともなかったが、なかなか美味かった。それからランチタイムには足繁く通った。
しばらくしてから僕は大阪を離れ、遥か遠くに飛んで行ったっきり帰って来れていない。帰ってくる予定もない。
ある日、遠く離れた地で、あの日のカレーを食べたいと思った。
大阪を離れてからというものの、あのカレーが自分の中でどんどん神格化されていったのだ。
貧しい舌の記憶を頼りに、かの店に思いを馳せながら、適当なスパイスカレーのレシピを集め、暇さえあればカレーを作っていた。
僕は未だ、市販のカレー粉を使ってカレーを作ったことが一度もない。特に理由はないが、最近ではなんとなく誇りに思えてきた。
気がついたらSBフーズから「大阪スパイスキーマカレー」なる名前でレトルトカレーまで出てやがる。調べてみたら店の数も増えてやがる。
数年前、帰省した際に久しぶりに食べにいった。
無骨な感じで喋りがイマイチな感じだったオーナーは、観光客相手にビジネス関西弁で無双する使い手になっていた。
気づけば僕の作ったカレーは憧れの店の味とはかけ離れていて、なんか違うものになっていた。でも結構うまいと思う。
だからレシピを載せてみる。
Contents
スパイスについて
スパイスって要するに香り付けであって、甘いとか辛いとか、味に直接関わる物ではない。カレーの味付けのバランス係は塩が担う。
で、スパイスの種類なんだけど、ざっくり分けて、ホールとパウダーに分けられる。
ホールスパイス

ホールスパイスってのは、要するにすり潰していないスパイスの原型で、葉っぱだったり、種だったり、木の皮だったりする。
そのままの状態だと、香り成分が弱いので、砕いたりちぎったりすることで香り成分が出てくる。
写真の茶色い筒状のやつはシナモンで、折ったり割ったりする。葉っぱは煮込みによく使う月桂樹の葉だ。これも破ったりする。
基本的ホールスパイスは長時間煮込んだりする料理で進化を発揮する物だけど、カレーの場合は、油のプールでじっくり泳がせることで香りを移す、テンパリングという技を使う。
このテンパリングは一気に香りが立つ上に、絵になるシーンなので、ホームパーティーの引き立てにもなってくれるだろう。
日本ではテンパリングした後のスパイスは取り除くことが多いんだけど、ジャリジャリとした食感が好きな僕はクミンとコリアンダーシードは残しておきたい、カルダモンは噛むとツラいけど見た目的に残したりする。
とりあえず一番最初にぶっこむスパイス。それがホールスパイスだ。
パウダースパイス

入れた瞬間即座に香りを放ってくれる。それがパウダースパイス。
ホールスパイスをすり潰した状態で、煮込みの途中で入れてもいいし、仕上げにかけたりしても良い、万能なやつだ。店で買うならパウダーの方が手に入りやすい。
各種混合したカレースパイスとして売っているものがガラムマサラというやつで、配合に特に決まりはなく、インドなんかだと家庭によってそれぞれ違うんだとか。
Myガラムマサラを作ってもいいかもね。
スーパーで売ってない問題
S&BとかGABANとかのスパイスでもいいんだけど量が少なすぎて割高だ。
10gで300円するものが、ネットだと100gで650円なんだからアホらしすぎる。
特に、僕が一番使うカルダモンはスパイスの中でもかなり高価だ。
一番安いと思うのが神戸アールティーという店。
スパイス専門店ならまず揃わないものはない。
この辺の小袋スパイス系はAmazonだといきなり割高になったりするので楽天をお勧めする。
といっても、料理っていきなり作りたくなっちゃうから、店で買ってしまうこともしばしばあるけどね。

100均で買ったビンに詰めた図。
レシピ
僕がずっと作ってるのは一言で言うと、大根が入ったキーマカレー。
微塵切りの大根は年々小さくなっていって、今は7mmくらいがベストだと思っている。
仕上げに乗せているものは気分によって変わるんだけどカレー自体は変わらない。



用意するもの
二人前
- 鳥ミンチ 150g
- トマト大 1個(またはカットトマト 150g)
- 玉ねぎ大 1個 微塵切り
- 大根200g程度 微塵切り(7mm程度)
- 刻みネギ
- カシューナッツ(無塩)
- 雑穀米 適量
調味料
- 醤油 大さじ2/3
- みりん 大さじ2/3
- 塩 少々
- 水 200ccほど
ホールスパイス(括弧内はなくても可)
- 月桂樹(ベイリーブス)1,2枚
- シナモンスティック 1,2本
- ブラックペッパーホール 小さじ1
- クミンシード 小さじ1
- クローブ 7,8個
- (コリアンダーシード 小さじ1)
- (カルダモン 7,8個)
- (フェンネルシード 小さじ1)
パウダースパイス
- コリアンダー大さじ1
- カルダモン 大さじ1
- クミン 小さじ1
- レッドペッパー 小さじ1 (辛さによってお好み)
作り方
テンパリング
まずは香りを移すという儀式。フライパンの底に薄く油のプールを作る。この油の量にビビってはいけない、大さじ2くらいいれるかも。
ホールスパイスを全て入れ、弱火にかける。しばらくすると部屋中がスパイスの香りに包まれてくる。クミンなどは焦げやすいのでタイミングを遅らせても良い。ブラックペッパーが軽く弾ける頃には十分だ。

この状態でいくつかのスパイスは取り除くんだけど、雰囲気重視の人は取り除かなくてもいい。僕は、ベイリーブス、シナモン、クローブあたりは取り除く。
ニンニク生姜、玉ねぎ投入
ニンニク生姜はワンテンポ早めに、続いて玉ねぎを炒めていく。
玉ネギはみじん切りにして、レンジでチンしておく。この時ラップをかけずに600Wで5分くらいあっためる。水分を飛ばしてやるのだ。この時大根も同じようにチンしてやるといい。

玉ねぎはいわゆる飴色になるまでじっくりいこう、弱火で焦がさないようにじっくり。水分が抜けて小さくなった玉ねぎが、油のプールで泳ぎ出すような状態まで持っていく。

玉ねぎを炒めれば炒めるほど、旨味が増していくように感じる。
料理を超えて対話に近い、新しい感情が育まれていくことに気づく。カレーの味を底上げしてくれるに違いない。玉ねぎと和解せよ。
この対話には1時間以上かけてもいい。なぜならカレーは趣味の料理だから。
鳥ミンチ投入
鳥ミンチを投入して軽く塩コショウを振りかける。ダマにならないようにヘラでがんばる。

トマト投入
鳥ミンチがほどほどに炒まったらトマトを投入。炒めた玉ねぎはトマトの酸味を中和してくれるんだとか。

大根投入
続いて大根投入。レンジでしっかりあっためてたら、軽く炒める程度で十分だ。

仕上げにかかる
現状だとスパイシーなトマトと挽肉の炒め物なので、いよいよカレーに昇華させていく。
まずは水を200ccほど投入、この分量は適当で良くて、いい感じにカレーのペースト感が出ればよしだ。

程よく温まったら、調味料(醤油+みりん)とスパイスを投入する。
トマト炒めはカレーへと姿を変え、あたりはスパイスの香りに包まれる。

下味が足りないと思ったら塩を加える。ちょうど良いカレー味に仕上がったらカレー本体は完成だ。
素煎りカシューナッツを砕いて素煎り
このカレーは足し算に足し算を重ねたカレー。複雑な香りとジャリジャリとした食感を大切にしている。
なのでこれも足し算のひとつ、カシューナッツを砕いた物を素煎りする。注意したいのは食塩無添加のものを選ぶこと。

盛り付け
さあフィニッシュの時間だ。

ご飯はジャリジャリとした食感を増すために、雑穀米を使っている。
ご飯を盛って、周りにカレーをかけたら好きな物をふりかける。
- カルダモンパウダー ご飯の上にひとつかみふりかける
- カシューナッツ
- きざみねぎ
- バジル、卵、アチャール、ししとうetc.
と言うわけで完成。
正直使っているスパイスはその日の気分だったり、手元に何があるかで結構変わってる。でもなんだかんだ美味いものができる。
北浜のコロンビア8に憧れて作った割には全く違うものになったんだけど、これはこれでオリジナル感のあるものになったので気に入っている。
もしよかったら試してくれたら嬉しい。