シェアハウスDIYリノベ 作り方

引き出しの箱組み徹底解説【#7 DIYリノベでシェアハウスをつくる】

2021年4月29日

今回からクローゼット部分に着手していくんだけど

「昔のタバコ屋の窓口」っぽい感じを目指している。

意味わかんないと思うけど、出来上がったらかっこよくなる予定なので見ていってね!

というわけで、クローゼット部分に組み込む、引き出しの箱を作っていく。

ビス留めで組んでもいいんだけど、せっかくなので「片胴付き追い入れ接ぎ」とかいう、言いにくい名前のやり方で組んでいく。

こんな組み方見たことあるよね。
名前とは裏腹に結構ポピュラーなやり方で、そんなに難しくない。

この記事は動画と連動してるので、こちらも見てもらえると良い。

使う道具はトリマーだけ。
お勧めトリマーのレビュー記事はここを見て欲しい。

前回までの床張りの記事はこちら↓

無垢フローリングの貼り方解説【#6 DIYリノベでシェアハウスをつくる】

ああやっと床が貼れる。この日床が貼れなければベニヤの上に引っ越すところだったんだけど無事に貼れたので、解説しながら振り返っていきたい。ちなみ ...

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引き出しのイメージと使用素材

仕上がりの感じは、下の絵を見てもらうと手っ取り早い。

今回はファルカタを使う、厚みは側板と前後板ともに13mmを使う。
化粧の前板は別で取り付ける予定だ。

あとで解説するが、今回は吊り桟ではなくスライドレールを使う。

板の厚み

大体この図の通りで大丈夫だと思う。
側面と前後が13〜18mm程度、底が5〜9mmくらいかな。

重い食器を入れる時は、底は9mmくらい欲しいな。

今回はホームセンター都合で9mm。

板の素材ファルカタについて

今回は洋服収納なので、ほぼタンス。
タンスと言えば桐(キリ)ダンスをイメージする人が多いと思う。

桐は多孔質でとても軽く、柔らかい。
なので保温能力が高く、湿度調整機能も非常に高い。

さらに燃えにくいという。
発火点は425℃、杉の238℃と比べて高い上に、炭化して鎮火しやすいんだとか。

洋服をしまうのにうってつけの素材だ。

家具屋さんのブログが詳しいのでそちらを参照されたし

おまけに柔らかくて軽いので加工もしやすくてとにかく最高。

その桐の代用材として使われるのがファルカタ

種類は全然違うんだけど同じような特徴を備えている。

触ったらわかるかも。

どちらもホームセンターにあるので、あるものを使えばいいと思う。

洋服収納の引き出し寸法

服を入れるための引き出しはどのくらいのサイズがいいのか?

そんな時はGoogle画像検索!

「タンス 図面」で洋服収納のスタンダード寸法を知れる。
「タンス 引出し サイズ」とかでもいい。

これに、実際の収納するものを考えながら決めていけばいい。

一番重要になるのは「引き出しの深さ」だと思う。

食器の収納とかだと、市販の仕切りケースなんかを入れたりするだろうから、その時はそれに合わせて幅と奥行きの計算もしたほうがいい。

有効寸法を決めた

実際に使える部分のサイズを「有効寸法」と呼んだりする。

この図のような作りだと、引き出しの底から、上の引き出しの前板までが有効に使える。

どこが有効寸法になるかは作り方によって変わるので、よく考えよう。

ちなみに設計するときには、スペースを適当に割りふって、あとから有効寸法がどれくらいになるかを計算している。

「148mmか、うーんオッケー!」

みたいな感じだ。

材料から計算する設計

引き出しって同じものをいっぱい作るから大変だ。

でもそれも設計の工夫で楽にできるはずだ。

上記の図を見てもらうとわかるが、2種類の側板がすべてキリのいい数字になっている。

これはホームセンターで確認した材料の寸法に合わせたものなので、縦にカットしていくという手間がない。
ズレて失敗する確率も下がるのだ。

縦切りはホームセンターで切ってもズレるからなあ。

引き出しの組み方 -片胴付き追い入れ継ぎ-その納まり寸法

ネットで調べて、この組み方はよくやってたんだけど、すいぶんと覚えにくい名前だ。

僕なりの注意点と、納まり寸法を書いてるので、よかったら参考にして欲しい。

構成要素はこんな感じ


サネは材料の半分ぐらいにしたくなるけど、薄くて大丈夫。

厚いと図のような破断を引き起こす可能性がないとは言えない。

まあ落としたりしないかぎり壊れないけどな。

こちらもコツみたいなもの。
場合によっては背中部分が当たることでスライドが止まるような構造も考えられる。

こんなふうに残しておけば、切って微調整もラクにできる。

あと、なんかこのほうがカッコイイと思う。

スライドレールの厚みの計算

一気にプロっぽい仕上がりになるのがこのスライドレールだ。

どんなプロが作った吊り桟でもこいつには敵わない。

残念?いやこれが文明の力。

今回使うのはスガツネ工業(LAMP)のこちら。

なんていうか、大体の家具金物はコスト、パフォーマンス共にLAMPが頭1つ抜けている。

あとコイツは絶対ネットの金物屋で買うべし、ホームセンターはバカ高い。

設計から具体的な取り付けまで述べていく。

厚みの計算

スライドレールの厚みは12.7mmというものが多い。

これはインチからきているもので、なぜこうなってるのかは知らない。
0.5インチ = 12.7mm

12.7mmとかどうやって加工するの?ってなるけど下のようにするといい。

実際にはスライドレール自体に誤差の許容寸法が設定されているので、上の図ピッタリでも上手くスライドしてくれる。
それ以上の誤差があっても大きいより小さい方が調整しやすい。

誤差の調整(箱が小さかった場合)

スライドレールをつけてみて、少し動きが悪いな、とか、無理しないと入らないって場合は、取り付けるときに両面テープを貼るといい。

コンマ1mm単位で調整できるし、非常に簡単。
足りなければ増やしていくだけ。

誤差の調整(箱が大きかった場合)

トリマーでストレートガイドを使って削る。以上だ。

まあこうなった場合でも、1mm以下の寸法を削るのはすごく簡単なのでなんとでもなる。
デカいストレートビットを使えば簡単だ。

まあ、スライドレールは次回で取り付けるので、今回は箱の設計に関わる寸法のみ。

詳細な解説は次回する。

引き出しの板の加工

加工が完了するとこうなる。

片胴付き追い入れ接ぎのミゾ

こちらは片胴付き追い入れ接ぎのサネを差すためのミゾだ。

ストレートビットで彫ってもいいんだけど、僕はエンドミルをお勧めする。

上のものは6mmなので3mmを探そう。
ストレートビットとは切れ味が全然違う、最初結構感動した。

加工のポイントは、サネより1mm程度、深く彫ること。
つっかえて箱が大きくなるのを防ぐためだ。

幅自体は、とりあえず指定寸法で彫れば良いって感じ。
サネの方で寸法を合わせていく。

片胴付き追い入れ接ぎのサネ

こちらのサネ側の厚みをミゾの幅に合わせていく。

こちらはトリマーの刃の出具合で全てが決まるので、一発勝負は厳禁。

同じ厚みの端材を使って、うまく差さる厚みに加工できるように調整しよう。

この時の注意点は、余裕を持って入る状態にすること。

ホゾ組はギチギチに作るけど、広い面積で組み合わせるコイツはギチギチだと、ボンド塗った時にめっちゃ入りにくくなる。

全体で組み合わせるので、溝がゆるくても全く問題ない。

底板のミゾ

こちらは9mmの底板を挿すためのミゾだ。

こっちも9mmの板を入れる予定だけど、10mmで加工した。

底板に関しては、四方から挟まれるので、ゆるくて外れることはない。
10mmでなくても、余裕を持って入るならOKだ。

組み立て

まずは仮組みしてみる。

こうして

気持ちいい

こんな感じでただの箱になった。

余裕を持って加工することで、一発で決まった。

これは快感。

あとはボンドを塗って組み立てるだけ。

今回クランプの長さが結構必要だったので、1度に1つしか組めない事態に。

ハコ組みにも板接ぎにもベストなのはこの形のクランプ。

国産ならトラスコとかでも出てるんだけど、PJと言ってみたりUKと言ってみたり一貫性がない。統一しろ。

とりあえず結構な値段するので数が揃えられないんだよなあ。


あと直角はしっかり確認すること。

直角じゃない時は下の図のようにクランプをかけると調整できる。

と言うわけでただの箱が完成した。

うん、ただの箱だ。

次回は引き出しになるぞ。

あとこの、箱をのせてる部分はカサ上げして作った。

引き出しを設置する場所に水平な床を作った

ここは引き出しとか扉とか設置する予定なので水平にしたかった。
全体の床は水平じゃないけどね。

レーザーの基本的な使い方に関しては前の記事を参考にしてもらっても良い。

内装DIYやるならレーザーは絶対買った方がいいと思う。

今回は床なので簡単に説明する。

まず根太をひいて、ビス留めしたいポイントの、レーザーからの距離を測る。

この距離が一番小さいポイントが、最も高くなってる場所だ。
ここを基準とする。

他のビス留めポイントも全て測っていき、基準から何ミリ下がっているかを書いていく。

今回は最大5mm下がっていた、

というわけで、こんな感じで複数の厚みのチップを用意した。

これをそれぞれのビス留めポイントの下に挟んで、ビス留めしていく。

全景はこんな感じ。
これでほぼ水平な床になるはずだ。

床板になるベニヤを設置して。ビス留め。

隙間を巾木のようなもので埋めて完成。

こんかいはここまで。

次回は引き出しが引き出せるようになるはずだ。

続きはこちら↓

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