「頑張ってればお金は後からついてくる」なんて話があるけど、それ適当すぎるだろ、真面目に考えろよ、怒るぞ。
自分も今まで何かを成したい、面白い案件を取りたい、コンペに勝ちたい、すごいものを作りたい、クライアントを満足させたい。
そんな野心ゴリゴリに仕事に取り組んできて、結構うおーってなる体験ができたし、自己承認欲求をパンパンに満たしてもらえたりもした。
でもお金なんてついてこなかったぞ。
お前は頑張ったのか?
いつから頑張ったと錯覚していた?
Contents
頑張ってればいいのか
今のところお金さんに対する見解は、
創意工夫の果てに価値を創造した成果に与えられる勲章だと思っている。
それを「金のためじゃない」なんて侮辱発言を繰り返しながら、目先のやりがいばかりを貪り食って「わたし頑張ったよ〜(訳:金くれ)」なんて言ってる人間に与えられるわけがない。
これじゃ怒られる。
だから真面目に考えてみる。
お金そのものを2種類に分けて考えると。
・A 収入(所得)
・B 貯金(資産)
この二つは相互関係にあって、片方が増えれば片方も増える、というよりも増やすこともできる、が正しいかもしれない。
もちろん、Aを得て初めてBを作ることができるのでAは非常に重要だ。そしてAを増やすためにはBも増やす必要がある。
A(所得)についての考察
Aを得るための一般的な手段は、その辺の会社に就職して働くことだとおもう。
文字通り「就職して普通に働く」だけでこれを満たす。
僕が問題として取り上げたいのが、上で書いた「頑張ってればお金は後からついてくる」の「頑張って」を、この「働く」の部分に適用されがちだということ。
なぜかというとそこを頑張っても大きなリターンは得られにくいと思うから。
だから、この価値観を植えつけたのは「ブルジョワジーどもの陰謀だ!」っていうアカい考え方も成立すると思う。
それはどうでもいいとして、頑張って働く人と普通に働く人の差がどんなもんか計算みれば簡単だ。
例えば同じ能力の2人の新卒社員が初任給月20万円からスタートしたとして、5年後の4月の給料はどんな感じになるだろうか。
・普通さん : 25万円
・頑張さん : 26万円(+4%)
その差は4%。差が開いてこんなもんじゃないか、同額の可能性もありえる。普通さんも普通に職務を果たしてるんだから文句を言われる筋合いはない。
ここまでの5年間の2人の総収入を比べてみよう。開始地点が同じなので差は4%以内になるはずだ。
・普通さん : 1320万円
・頑張さん : 1344万円(+1.8%)
1.8%、この1.8%のために頑張りさんが頑張ったことはなんだろう?
2人とも残業の無い世界に生きているので、雇用契約に基づく8時間+毎日家で1時間こっそり頑張っていたとする。
これは12.5%の追加時間。
これによって同率の成果、つまり12.5%の成果が出たとする。
頑張りさんは+12.5%もの成果をあげたにもかかわらず+1.8%の所得しか得られなかったことになる。
グロい。
恐ろしいのはこのグロさは計算しない限り体感的に感じられないところ。
この12.5%時間を普通さんがぼけっとしてただけなら大した差はないだろうけど、もし普通さんが副業でUBER EATSのドライバーなんかして毎日1000円でも稼いでたらもっとグロい。
・普通さん : 1440万円(+9.1%)
・頑張さん : 1344万円(+1.8%)
UBERの配達って、伸び代のない副業だと思うけどそれでデカい差が開いてしまった。
もっと伸び代のある副業を5年続けたならとんでもない差が出るだろう。
普通さんは副業の頑張りで9.1%多く所得を得た。
頑張さんは仕事の頑張りで1.8%多く所得を得た。
おそらく2人の過ごした時間は20代前半から中盤という人間にとって最も貴重な期間。
大切にして欲しいもんやわ。
ここでまとめることは2つ
- 会社の仕事を頑張って上乗せされる所得は少ない
Ex.5年の総収入でで0%〜5%程度 - 副業を頑張って上乗せされる所得は多い
Ex.5年の総収入でで9%〜無制限
残業すれば無制限に残業代もらえるんだよとかいう世界線は考慮していない。
完全成果給の会社であっても倍の成果で倍の所得はありえない。(経費的にも)
というわけでAの所得に関する考察はこんなもんにしてBの資産についての考察もやってみよう。
B(資産)についての考察
ここでも普通さんと頑張さんに登場してもらおう。
二人とも税金のない世界に住んでり、若くてさまざまな経験に投資する費用も多い。
出費総額は2人とも5年間変わらず毎月20万円だとする。5年で1200万円だ。
普通に働くと総所得は1320万円なので5年後の貯金(資産)はこうなる。
・普通さん : 120万円
・頑張さん : 144万円(+20%)
資産として積み上がっていくのは所得から生活費を差し引いた残金なので、1.8%の収入差は20%という看過できない差まで広がった。
ということは普通さんがUBERで配達してたらもっとエグイはずだ。
・普通さん : 240万円(+100%)
・頑張さん : 144万円(+20%)
グロい。
2人の所得差は10%も無いのに資産の差は倍近くになってしまう。
この理屈でいけば、年収400万のサラリーマンと500万のサラリーマンの所得差は1.2倍程度だが、両者の資産額は下手をすれば数倍から10倍くらい変わってしまうことも十分あり得る。
グロいので一旦普通さんにはUBERをやめてもらう。
そして節約さんを登場させる。
実は普通さんと頑張さんは偉そうにも渋谷の家賃10万のウサギ小屋に住んでいる。
若いくせに情弱なのでスマホと通信費は今時15,000円払っている。
対して節約さんは同じく渋谷だけど少し駅から離れた家賃6万のボロいウサギ小屋に住んでいる。
スマホと通信費は5,000円だ。
外食や交際費は特に制限せずに二人と付き合ってるので節約額はトータルで5万円。
彼らの5年後の資産はどうなるか。
・普通さん :120万円
・頑張さん : 144万円(+20%)
・節約さん : 420万円(+250%)
グロい。
もし節約さんがこの資産を年7%の利率で運用しているとすれば、1年で30万程度の所得が発生することになる。
(仮に2021年のS&P500で運用していた場合は100万円以上)
頑張りさんが5年の努力で普通さんにつけた所得差は24万円なので年あたり5.8万円。
節約さんは鼻くそほじってるだけでこの頑張りを無に帰すことになる。
恐ろしいのは節約さんは特に頑張っていないということ。
資産が増えれば所得が増えるし、所得が増えれば資産が増える。
まとめよう。
- 所得の増加はその増加率以上に資産を増加させる
Ex.+9.1%の所得増加でも100%の資産増加 - 家賃などの固定費のカットは特に頑張ることなく資産を増加させる
マジで家賃を減らすのは効く、ケータイ代も。
だってなんも節約しようとしてないのに節約できてるんだから。
まとめ
- 会社ではやるべきことを誠実にこなしていればよい。
- 余った頑張りエネルギーは副業(自分のビジネス)に回した方が良い。
- ランニングコストを削る方が頑張りエネルギー効率が良い。
というわけでお金についてきてもらうために、もうちょっと具体的なことに踏み込んでみたい。
累乗ってやばい
累乗って知ってる?ベキ乗ともいうらしいけど。
たとえば「1.5」という数字の12乗を計算してみると約「130」になる。
これは何かが毎月1.5倍に増えていけば1年で130倍に増えるということを表す。
この伸びは二次関数のグラフに似て、指数的な伸び方と言ったりもする。
もしこれがA所得やB資産に適応できればヤバいくらい増えるよな。
そんなうまい話あるわけないだろっ!て思考停止するのは不真面目なので、まじめに考察してみる。
A(所得)についての考察
会社の給料ってそんなふうに増えないことが多いと思う。
大体毎年1万円とか、1.5万円とか足し算で増えていくことが多いよな、役職がついたりしたらガツンと上がったりもするけど。
いやそもそも増えねえよって世界もたくさんあるだろう。
そりゃ社員が与えられた仕事で累乗的に利益を生み出すのは(業種によるけど)不可能だ。
そこで手取り早いのはやっぱり副業か、個人事業主をやるってことになる。
自分がやってみた経験に基づいて2つの例を出してみよう。
ハンドメイドなどの製造販売、サービスの提供
これは何かを作って売ったり、何かをしてあげて対価としてお金をもらうって手段で、お客さんさえ捕まえたら非常に手っ取り早く稼げるんだけど、稼ぐには相応の時間と労力がかかる。
1日にぶっこめる時間が8時間としたら、それが所得の天井になる、収入が増えるに比例して時間が削られていく、まんま時給換算できる単純労働だ。
クリーマの販売で実感してる、複数注文が入ったら嬉しさ以上に恐怖がある。
金と時間は例外なしのトレードオフだ。
時給は工夫次第で高めることはできるけど天井は低い。
効率化を行うためには結局人を雇い、外注を行い、自分が実務から遠ざかるしか無い。これって企業経営だよな。
それを目指す人はそれでいいんだけど、僕は下に人をつけるのがとことん嫌いなので無理無理無理のかたつむりだ。
ブログ、YouTubeなどの情報提供
物も情報も作るのには相応の時間がかかるけど、売りさばいても消滅しないのが情報。
しっかりしたプラットホームがあれば1人に売るのも1,000人に販売するのも労力は同じ。
ブログやYouTubeは情報を販売してるわけじゃ無いけど、情報に広告を載せたり、間接的に販売を行ったりすることで収益を得る。
そしてこのブログとYouTubeは毎月、累乗的に伸びている。
100→200→300→400円、という伸び方ではなく。
100→200→400→800円、と言った感じで伸びている。
間違いなく始点はゼロからだし、流石に倍々ゲームとも行かないけど、一度サラリーマン所得の水準に並んでしまえばその先の伸び方は比較にならないだろう。
情報の種類によって天井はもちろんあるだろうけど、無限の可能性を秘めてるもんだと思って続けている。
B(資産)についての考察
資産運用はその多くで累乗的な増加が実現されている。
クソみたいな銀行金利だって一応そうだよな
ただし、どれだけ長期的な投資だとしても増加率が1%を下回る運用は損しかない。
それは物価上昇率を下回る可能性があるから。(日本政府のインフレ目標はだいたい2%)。
アメリカインドとかだったら普通に激減だし、衰退途上国筆頭の日本であってもその可能性がある。
つまり銀行に預けてるお金は日々減っていってるので、使う予定の現金の一時保管場所くらいに考えた方がいいと思う。
リスクとリターンのバランスが取れていると思うのはやっぱり米国株のインデックス投資。
まず労力がゼロ。労力はAの所得増加に掛けたいところ。
不動産などと違って知識や運用の腕前もほぼゼロで問題ない。
(というか人口減少が加速している日本で不動産を転がすのは相当な根性がいると思う。)
インデックス株の中でもよく引き合いに出されるS&P500の伸び率は年間7%で考えると良いとされている。
とはいえ2020年、21年はコロナのおかげで20%オーバーとエゲツない数字を叩き出していて、その流れは22年前半もある程度継続すると言われている。
まあもし7%で計算すれば、約10年でぶっ込んだ元本が2倍、20年で4倍になる。積立投資であれば10年で1.44倍、20年で2.17倍になる(多分)。
積み立てNISAの限度額で運用すれば、20年で元本が800万円、その2.17倍は1,736万円となる。936万円が非課税とかヤバい。
ここ数年のアベレージである15%程度で推移したとしたら4,200万非課税で増える。
なんでやってないんだよ、積立NISAくらいやっとけよ。
まわりに勧めまくってる自分が、すげえ怪しい営業マンみたいに思えて困ってる。
累乗Aと累乗Bを組み合わせるとヤバすぎる
所得が累乗で増えていくなら、資産としてプールできる額も累乗で増えていくだろ。
そしてその資産まで累乗で増えていくとかヤバくない?
A(所得)累乗 × B(資産)累乗 = やばい
そううまいこといくかな?
それはわからないんだけど計算したらそうなるのでやっている。
そもそも日本ヤバいやん
最近ではそもそも海外の成長経済の流れに資産を置いておく行為自体が防衛策だと思っている。
この30年間、世界と相対的に見て日本は物価も給料もゴリゴリ下がってきたわけだけど、この勢いはどうみても変わっていない。
日本人がアメリカで買えるものは半分近くに減ったし、タイで買えるものは4分の1になった。
少なくとも15年後の労働人口の最大値は現時点で確定してるので、労働人口と高齢人口の比率もさらに悪化し、これが加速することがが確定している。
向こう15年で過去30年分の衰退が起きるとすれば、海外リスク資産を持っている人間にとってはそれが恩恵となるかもしれない。
2037年、アメリカ資本のソニーとインド資本のパナソニックの商品は、現地人=日本人には手がでない、外国人向けの商品になっている可能性は十分ある。
というかこのまま格差が開いて行けばいつかそうなるのは必然だし、そういう話はちらほら聞くし非国民とかいわないで。
iPhoneなんか20万くらいになって、現地人はSEのSEみたいなスマホしか買えないだろうな。
でも上手いこと用意をしておけば安い国ニッポンで快適に暮らせるんじゃないか。
速攻でまとめる
この記事は自分の考えをまとめるために書いたただの雑記だけど、再認識できることが結構あった。
とりあえず全速力でお金という勲章を集めることに損はない。
これが足りなくてチャレンジできなかったことが山ほどある。
お金はチケットであり、貧困から遠ざかる魔除けであり、美味いものを食うための食券でもある。
まあどうやっても勲章集めには一定の時間がかかる。
累乗速度が一番早いのはA所得の方だと思う。
でも焦ることはないかな。
人生は長い、37年の経験から話すと、未来の自分はいつも想像したより若く、考えていることも欲しがってる物も今とそう変わらない。
10年後の自分=今の自分と考えていい。
なので今の自分の手伝いを頑張ろうと思う。