手工具 考え方

初心者でも長く使える オススメのスタンダードなクランプを厳選【買って良かった】

2022年8月31日

自分はいろんなクランプを持っているけど、改めて考えてみると普段使うのは数種類だけ。

じゃあその数種類だけ買っておけば良かったじゃんともいえる。

というわけで今回は初心者向けに、めっちゃ使えるスタンダードクランプについて独断と偏見で厳選しつつ、持論を展開していこうと思う。

変わり種など、バリエーションについてのの話はまた今度。

こちらは動画でもまとめている。

クイックバークランプ(弱)/イーバリュー

クランプの用途はざっくりいって「作業のための固定」「接着のための固定」に分けられるけど、「作業のための固定」に便利なのがこのタイプ。

間違いなく自分は一番使っている。

価格600円程度ともっとも数を揃えやすいのがE-VALUEのクイックバークランプ

締め付け力は40〜50kg程度

クイックバークランプとは片手でレバーを操作してクイックに締めれるクランプで、回したりする動作が不要なので利便性が抜群。

その中でも抜群のコスパを誇るのがコイツ。

作業台に材料を固定したり、丸ノコやトリマの定規を固定したり、雑多な面同士の一時固定によく使っている。

逆に接着時のクランピングにはあまり使っていない。

昔ながらのC型クランプや、小さめのF型と似たような用途で使うことができる。

というわけで自分はCもFも全く使ってない。

弱点は力が弱いことだけど、掴み口が樹脂で滑りやすいことが余計にそう感じさせているふしがある。

これは二重の弱点のように思えるけど、このパッドのおかげで材料に傷がつきにくいため、多くの場合当て木が不要になってむしろクイック性能に対して二重に貢献している。

凹んでもいいから滑りを止めたい時、このカバーは簡単に外すことができる。(外すことはまずないけど)

基本操作は下のようにレバーを握り込んで締め付けるだけ。

親指のところのポッチを押せば解放される。この位置は結構良い。

というか次に紹介するパワー型クイックバーより形状的に扱いやすいと思う。

ちなみにヘッドを上下付け替えることで、締め込むだけでなく広げることもできるけどあまり使わない。

具体的な用途としては。

単純に材料の固定とか。

丸鋸定規の固定とか。

材料をビス留めする時の段差防止とか。

まあいくらでもある。

注意点として、ネットで買うときは下のものと間違えないようにしたい。

バーの太さが全然違うので締め付け力も全然違うんだけど、Amazonなんかで見てると大きさがわからない。(小さいのはそれはそれで使い道はあるんだけど。)

正しいのはこれ。

あらゆる材料の固定にボチボチの力で貢献してくれる。

自分の所有数は150mmを6本、300mmを2本。

ラインナップとしては450mmもあるけど持っていない。むしろ300mmもあまり使ってない。

ただコイツの力では不足するシーンはもちろんある。

クイックバークランプ(強)/IRWIN(アーウィン)・SK11・KDS

クイックバークランプは利便性が高い代わりに力が弱いのが弱点だけど、それを克服した製品はたくさんある。ネックは高いところ。

ざっくり並べるとこんな感じ。

  • IRWIN(アーウィン) 136kg 1500円〜
  • SK11 150kg 1700円〜
  • ムラテックKDS 350kg 3000円〜

kgで言われてもピンとこないと思うけど、どんなもんかというと、自分のものづくりにおいてはホゾ組み、板接ぎ、あらゆる作業は約200kgのクランプで賄えているといった感じ。(後で紹介する)

というわけで自分が持ってるのはIRWINの150mm。

選択基準はまあ一番安かったのとブランドネームに惹かれただけの話。

掴みパワーは確かにE-VALUEのものより強く、そのパワーを発揮するには自分のパワーもある程度必要とする。

ノミや手ノコ作業をするとき、設置面の小さい材料を固定する時はE-VALUEだとちょっと弱かったのでバイスを持ち出してたけど、コイツで済むようになった。

クイックバークランプを一時固定に使うという発想は変わっていないので、自分的にはコイツを2本だけ持っていれば+3000円でE-VALUEの不足を十分に補えるといった感じ。

同じ考えで使うDIYerならば基本はE-VALUEで、サポート役にコイツかSK11のクランプを2本程度持っておけばほとんどの作業は事足りると思う。

ご存じムラテック(KDS)のメタルバークランプは確かに魅力的だけど、自分にとってはかなりオーバースペック。

他の2つに無いIRWINの特徴は掴み口の角度がフレキシブルなところ。

一つ上の写真の材料は少し傾斜がついているので、そういった場合も多少乱雑につかんでもグリップしやすいのかもしれない。

この辺りの製品は600mm以上のサイズもあったりするので、製作物の接着時のクランプがけにも使えることが多いけど、そのあたりの作業には後で述べる別のクランプを使っている。

ハンドクランプ

便利なクイックバークランプだけと、ちょっと長さがあって扱いにくいことがある。

その時はこのようなクランプも2つくらいあるといい。

いやまあそれほど使わないけど。

ユニクランプ(パラレルクランプ)/トラスコ・ベッセイ・KDS

「接着のための固定」を一種類で全て解決するユーティリティプレイヤー。

あらゆる接着作業のクランピングから材料の本気の固定まであらゆる用途に使えるのがこのタイプ(トラスコ)

ベッセイのものもあるけどほぼ一緒なので好みで使い分ければいいと思う。

構造的にはFクランプの進化系と言え、ハタガネ、パイプクランプなどの代用が可能。利点はありすぎるので箇条書きにしてみる。

  • 縦でも横でも自立する
  • 掴みしろが長く、面でクランプできる
  • 平行に挟める
  • 力が強い(物によってはパイプクランプ並み)

自立する

クランプ面が樹脂製のボックス状になっているのを活かして縦でも横でも自立する。

接着のためのクランプはどんな体勢でも自立するのというのは非常に便利。

特に板同士を繋ぐ板ハギなどをするときには、とりあえずクランプを作業台に並べておく。

そしてクランプの上に材料を並べて調整する。といった具合に作業が超絶しやすい。

作業が終わったら端っこの方に立てておく。

下は同じく板接ぎによく使う、昔ながらのハタガネという道具だけど自立はしない。

掴みしろが長く平面

ユニクランプは掴みしろが平面かつ樹脂なので材料に傷がつきにくい。

それだけで十分な利便性だけど、下のようなシーンでも便利。

上の写真のFクランプは、板を巾接ぎするときにこのような置き方をしても材料を掴めないが、ユニクランプはがっちり掴める。

ただしこのまま締め込むと材料にバーのギザギザが入ることがあるので、下に薄い板でもかますのが理想。

平行に挟める

パラレルクランプとも呼ばれるこのタイプはクランプ面が平行(パラレル)であることに由来する。

なので掴み幅の広さを活かして引き出しなど箱モノの接着などを一発で行うこともできる。

ただしこの平行は多くの製品で謳われているけど、締め込みの力が強くなるとやはり上が開き気味になるので注意。

力が強い

このタイプのクランプは台形ネジで締め込むバークランプと基本は同じ。

なので強い。物によっては800kg程度の強さ(ベッセイ)があるため、パイプクランプと並ぶ強さ。

コスパ的にオススメしたいトラスコの製品はカタログスペックで強さ200kgf程度と、全然大したこと無いけど、DIYでそれ以上必要なシーンはあまりないと思う。

バークランプは掴む距離が伸びるほどバーのたわみにより力が逃げるため、結果的に弱くなる。

逆にゼロ距離だと破壊的パワーでIRWINのクイックバークランプとは比較にならない強さを感じる。余裕で200kg以上の力でてると思う。

ぶっちゃけE-VALUEのクイックバーで力が足りないときにはこちらを持ち出して来ればIRWINは必要ないともいえる。

選び方

バーの断面強度が強さに直結するため、写真のトラスコのものは長さ600mmまで(200kgクラス)。それを超えるとKDSのパラレルクランプ(400kgクラス)が第一選択クランプとなる。

今回紹介した200kgクラスは有名なベッセイの製品もあるけど、コスパではコピー製品であるトラスコに分があると思う。

僕は600mmを6本持っているけど本当は300mmも欲しいところ。というかこのタイプだけは本当無限の本数が欲しくなる。

下のが上位のムラテック。単純にバーの断面積が違うのと、材料をバーから少し浮かせるパーツが同梱。

さらに上位の700kgを超えるモデルがベッセイトラスコから出てるけどそれはまた別の記事で解説したい。

パラレルクランプ、ユニクランプの違いやオススメは?【KDS・ベッセイ・トラスコ】

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造作用のクランプは日々買い足していくことになるけど、買い足していくタイプは定まっていく。

自分の場合はハタガネでもパイプでもFでもなく、間違いなくこのタイプ。

回転式アンビルバイス

材料をクランプで作業台に固定するだけではベストな体勢が取れないことがある。

そんなときに便利なのは回転式バイス、自在に体勢が変えられて扱いやすい。

個人的には作業台に直接固定したくないので、写真のように24mmのベニヤに取り付け、必要なときに作業台にクイックバーでクランプ留めして使っている。

まあ大概の加工はクイックバーで事足りるけど、不足を感じたときには選択肢に入れてみるといい。

といってもバイスは基本中の基本ツールなので最初に買ってもいい。

さらにこいつはアンビルという金床がついているので、刃物の裏だしなんかにも使える。

バイスもアンビルも普通に買えば中々のお値段がする。

こいつは幅100mmのつかみ口で回転機能とアンビルも備えて4,000円台とめちゃめちゃお買い得だった。

もちろん締め込んでしまえばびくともしない強靭さを持っている。

コンクリートブロック

コンクリートブロックは地球の重力を利用して材料に圧力を加えようという知的なクランプ。

知的な割にはホームセンターで200円以下で手に入る。

主に合板同士を貼り合わせる時のプレス機的な接着に使用している。

重量は15kgくらいなのでプレス機には遠く及ばないけど、いざという時便利なのはなんとなくわかってもらえる気がする。

ネットで買うのは馬鹿らしいいし、配達の人の腰が心配なのでホームセンターの園芸コーナーでで買うといい。

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