タイトルの通り漆喰はローラーで塗ることで抜群に綺麗に仕上がる。
注意としてローラー専用品を使うこと。でも普通のやつを使って上手くいった人もいるので書いておく、まあ参考に。
僕はコーラルテックスのローラー用を使ったんだけどなかなか良かった。
いつものように必要なものや、注意点、手順やコツについて解説していきたい。
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漆喰のコテ塗りはムズい

コテ塗りにチャレンジした人ならご存知の通り、塗ってるさきからボトボト落ちるわ、パターンが安定しないわで想像した10倍は難しい。
左官系の技術はまさに指先一つの繊細さが織りなす職人芸、電動工具でなんとなく切ればなんとなく収まる木工DIYとは少し毛色が違う。
もちろん素人でも何回かやればコツを掴めてくるのでチャレンジするのも楽しいと思う。
僕は漆喰も珪藻土モルタルもコテで塗ったことはあるけど、頻繁にやるわけじゃないから、毎回塗り始めは下手くそなんだけど、塗りながらコツをつかんでだんだん上手くなってくる。
それが厄介。
このせいで塗り始めと塗り終わりで全く違うものになってしまう。なんて言うか同じ素材に見えない、本番中に成長されても困る。
今回もぶっつけ本番だったし、失敗したくなかったので、素人の友達がめちゃくちゃ綺麗に塗り上げたローラー漆喰を見て真似することに決めた。
素人漆喰、間接照明で映えまくってる図↓(メーカー推奨のローラーではない点に注意)

西洋漆喰コーラルテックスとは
「古代珊瑚や貝殻などの堆積物から形成される天然素材炭酸カルシウムを主成分とする内装仕上げ材です。」
ってのが販売元の触れ込み。
当たり前だけど、昔失明の原因にもなった消石灰なんかは含まないし、VOC(揮発性有機化合物)、ホルムアルデヒドなんかのシックハウスの原因物質の放散もF☆☆☆☆(フォースター)の認定の元に保障されている、現代に適合した普通の塗料だ。

最初から練ってあるのは攪拌機を持ってない僕にもあなたにもとても優しい、西洋漆喰と銘打っているけど僕には違いがわからなかった。
コーラルテックスローラー用の特徴
一般のコテ塗り用のやつなんかと比べた体感値も含めて書いてみると。
- 仕上がりがプロくなった
- 見た感じや粘りはほぼヨーグルト、匂いも少し似てる気がする
- ジョリジョリした骨材が含まれず、ペンキと似た感覚で塗れる
- 容器の密封性が高く、開封後1年以上放置しても使えた
- カラーバリエーションのセンスが良い
- 舐めてみたら舌の水分をごっそり持っていかれた(調湿性)
- 粉の漆喰より高い
正直なところ悪いところは思いつかない。
僕に誹謗中傷されないと言うことはかなり優等生なんだと思う。
ローラー用じゃないやつをローラーで塗った人
結論から言ってメチャクチャ綺麗に仕上がってた。
「間違って買ったけどどうしようかなー」って言ってたけど結局砂骨ローラーを使って塗ることにしたらしい。
ローラー用と違ってジョリジョリした骨材が入ってるわけだけど、バッチリ綺麗に塗れていた。
*後日写真を撮らせてもらって載せたい。
まあ責任は一切持たないけど、すでにコテ用買ったって人も試してみても良いんじゃないかな。
カラーバリエーションいけてる
普通にいけてるし単純に多い。

今回使ったのはエッグシェルカラーという色。白系のトーンが多いのは嬉しい。
010 NATURAL WHITE が基本色で8,800円で、その他カラーは9,800円となる(2021年現在)
後で説明するけど砂壁の上とかに塗る場合はシーラーをしっかり塗ったほうが良いのでセット品がいいかも。
塗れる面積と必要な量
16Kg入りで塗れる面積は8〜16平米なのでさほど多くない。
例えば6畳の部屋の壁を全面塗るとすると、おおよそ3本買ってそこそこ余るくらいだと思う。
でも僕の場合は6畳の部屋だったけど、ドアや窓の開口が広かったので2本で十分だったので、ちゃんと計算して買った方がいい。
開封後一年以上保管できた
実はあまりものをもらって使ったんだけど1つは新品、1つは開封済みだった。
練って使うタイプの素材は使用リミットがかなり短いイメージがあった。
だから開封済みのものは使えないかもと思っていたけど全然使えた。

蓋そのものの密封度もかなり高い。
さらに表面に円形の保護フイルムがのっかっていて、これを残すだけでもかなり水分の蒸発を防いでくれると思う。

だから捨てちゃダメ、この辺の写真は動画のキャプチャだから、よかったらYouTube見てもらったほうがわかりやすいかも。
用意するもの
- ローラー専用しっくい
- 砂骨ローラー
- 塗装バケツなど塗装具一式
- マスキングテープ・マスカー
- (下地によってカチオンシーラー)
ローラー専用しっくい
上述した通り専用品を使う。
砂骨ローラー

砂骨ローラーとはマスチックローラーとも呼ばれたりする網目状になった多孔質のローラーで、普通のペンキなどは塗ることができないとされている。
目の荒さにいくつか種類があって、今回の専用漆喰はこのローラーの細目を使うように推奨されている。
普通の塗装用ローラーはメーカー的には良くないとされているが塗れなくはない。
この写真はまさに一般ローラーで塗ったもの。

別に良いじゃんって思うけど、なぜ推奨されないかは下のリンク先に書いてある。
まあ砂骨ローラーは、下の写真のようにゆず肌と呼ばれる軽い凹凸のある良い感じの仕上がりになるので、個人的にもそちらをオススメしておく。

塗装具一式
ローラーで塗装をするときの道具一式。
シゴキの網がついたバケツ、洗う手間が省けるPPバケット(だいたい洗う)、ハケ数本、高いところを塗るなら継ぎ柄。
この辺はセットで買うのが一番安い、ネットでも良いけどホームセンターの方が安いことが多いと思う。
一番安いものを買って良いと思う。
マスキングテープ・マスカー・シーラー
この辺についてはほぼ下地処理や事前準備にあたる。
マスキング作業は非常に重要、下の記事で詳しく説明しているのでそちらを参考にしてほしい。
-
砂壁に珪藻土(漆喰)を塗るための下地処理【#2 DIYリノベでシェアハウスをつくる】
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塗装順序-水分調整
いざ塗っていきたい、バケツ開封の後、まずは希釈。
もともと練っている商品だけど重量比10%の水で希釈するとされている。
16Kgの商品なので1.6L程度の水で薄める。この辺は適当でも良いと思うけど、あまり途中で希釈比を変えるのもよくないと思うので従っておいた方が無難だと思う。

適当な棒切れでよく混ぜる。

しっかり混ざったら塗装バケツに移す。

塗装順序-際塗り
最初にやるのはハケを使ったキワ塗り。
ローラー用漆喰というのは終始一般的なペンキの塗り方と何ら変わらない。
なのでこの工程はとても重要。


塗装順序-面1回塗り
ローラーを使って面を塗っていく。部屋のイメージが変わる楽しい瞬間。

漆喰というだけあって、一般の水性ペンキと比べるとかなり粘度が高く、ヨーグルトっぽい。
こちらは砂壁を塗っている図。

こちらはせっこうボードを塗っている図。

粘度が高い分、均一に乗りにくく、普通の水性塗料ほどスムーズには塗れない。
そして一度塗りが完成するとこんな感じ。

左の一部は二回塗りしてあるので、一回塗りでは下地が透けているのがわかる。
最低2回、こだわるなら3回は塗る必要があると思った。

せっこうボードであってもこの通り。
左の2回塗りした部分においてもパテのラインがまだ確認できる。
粘度が高いからと言って勝手に厚みが出るわけでは無い、結局塗り重ねる必要がある。
というわけで、一旦は基本的に2回塗りして、荒さが目に付いたり納得のいかないところだけ増し塗りしていった。
完成
BEFORE

AFTER



カビとシミだらけだった我が家がとても綺麗になった。
ムラは少しくらいあるのかもしれないけど、目視で全然感じられない。つまりムラは無い。
素晴らしいゆず肌の仕上がり。
舐めてみたら舌の水分を全部持っていかれた。
しっくいならではの調湿機能は十分作用してそうだ。
漆喰塗りたい初心者だけど失敗したく無いとか、コテ目のでた荒々しい感じじゃなくて落ち着いた感じにしたいって人にはおすすめできる。