材料(主に木) 考え方

【前編・楢&オーク】DIY家具でも使える広葉樹と突き板の話

2021年7月7日

僕が作っていて楽しいのはやっぱり家具。引越ししてもずっと使えるし、人にあげることもできるし自慢もできる。

だから家具屋に行ったら構造やディテールを、いやらしい目つきで舐め回す(ように見る)だけでも幸せだ。

するとなんと言うことでしょう。杉やパインで出来ている家具は全然見当たらないではないですか。どれもこれも「ホワイトオーク」だの「ウォルナット」だの「チェリー」だの「ホワイトアッシュ」だのetc.

要するに気合い入れて作りたい時はやっぱ広葉樹に限る(主観)。もちろん針葉樹を使った魅力的な家具や建具は多く存在するけど、個人的には広葉樹が好きだと言う話。

というわけで、僕が今まで使ってみた広葉樹のについて、DIYer目線での経験や使用感や特徴などを、思い出とともに解説してみようと思う。

しかし無垢材は高い。なので逃げ道として非常に優秀な「突き板」のDIY的入手方法と使い方についても話していきたい。

共感できる人は見ていってよ。

針葉樹と広葉樹の違いを軽くおさらい

中学の生物で習ったよね。けどここでは生物ではなく材料としての目線でその特性を書いていく。

針葉樹

Cedar, Cedar Branch, Branch, Needle, Conifer, Tree

馴染みがありそうなのはこんな感じ(括弧内は英名または近縁の外国産材、多分あってる)

  • 杉 スギ (シダー)
  • 檜 ヒノキ
  • 榀 シナ
  • 唐松 カラマツ(ラーチ)
  • 赤松 アカマツ
  • 銀杏 イチョウ
  • 栂 ツガ トガ
  • ホワイトウッド
  • アガチス
  • 集成材になってるパイン類

一般に空気を多く含んでおり、多孔質のため、軽く、柔らかく、加工性に優れるが傷つきやすい。

構造が単純で成長も早く、まっすぐ育つものが多いので上下の力に強いとも言われたりする。

建築の構造材に使われるのは99.9%針葉樹だ。化粧の床柱とかには広葉樹も使われる。

ところでホームセンターにはやたらと杉ヒノキが多くない?実際日本は異常な針葉樹大国らしい。

これは有名な話だけど、戦後、木材供給がヤバいことになった当時の政府の方針で国内の山林の4割にスギとヒノキを植えまくったという。

雑木林は杉林に姿を変えた。

気候や風土を顧みず植えまくった杉林は、時に花粉症の主役として、時に豪雨災害時に家屋を破壊する流木として荒ぶった。

そして価格の下落によって維持管理を担う林業が衰退した事がこれに拍車をかけた。

なぜ広葉樹を植えなかったのか。大○進政策みたいだな。

決して針葉樹が嫌いなわけではない。

針葉樹は軽量で加工もしやすいため建築構造材には欠かせないが、たぶん家具向けではない。

広葉樹

green tree on green grass field during daytime
  • 欅 ケヤキ
  • 栗 クリ
  • 橅 ブナ(ビーチ)
  • 山桜 ヤマザクラ *単にサクラとも
  • ブラックチェリー *アメリカンチェリーや単にチェリーとも
  • 胡桃 クルミ *オニグルミ(ウォルナット *色が全然違う)
  • 楢 ナラ (オーク)
  • 梻 タモ(ブラックアッシュ)
  • ホワイトアッシュ
  • 楓 カエデ *サトウカエデ(メープル・ハードメープル)
  • 樺 カバ *呼称が不安定(バーチ)
  • 花梨 カリン
  • チーク
  • ウリン
  • セランガンバツ
  • マホガニー
  • ブビンガ
  • アルダー
  • ゴム
  • ファルカタ
  • バルサ

ざっと書いたけど知ってる木も結構あるよね?

広葉樹はざっくり言って密度が高く中身がギュウ詰めなので重く、硬く、加工が難しいが耐久性に優れる。

しかし、そもそもの種類が多いのでこれに当てはまらないものも多い。

バルサはほぼスポンジケーキだし、ファルカタもめちゃくちゃ軽くて柔らかい。

こいつらが広葉樹だなんてさっき知った。地球は平面なんだと教えてもらった時くらいビビった。

例外は置いといて、一般に成長が遅く、縦にギュン伸びする針葉樹などと違って、横にも太っていくスタイル。

この木なんの木 気になる木 はもちろん広葉樹(モンキーポットらしい)。

強度や重厚感もさることながら、木目の緻密さがまるで違う。どう考えても家具に最適。

広葉樹は家具になるために生えているんじゃないかと思ってる。

切り倒して加工するしかない。

しかし製材手段がないのでネットのカット販売で買おう。そしてその記事はまとめてある。

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楢(ナラ) ホワイトオーク レッドオーク

昔、大阪のTRUCK FURNITUREにめっちゃ憧れて大好きになった素材が「オーク」。それも節のあるやつ。

下はTRUCKの代表作のひとつSUTTO TABLE。

オークは虎斑(とらふ)という独特の模様が美しいとされているが、下賤な僕にはそのあたりの魅力があまりよく理解できない。

なんていうかもっと荒々しい部分に魅力を感じている。

直線的で現代的なフォルムの家具や、真鍮なんかとの色の相性がすごくいいと思う。

種類

同系統のものに「楢」「ホワイトオーク」「レッドオーク」とある。

楢は北海道から中国ロシアが主な産地で、アジアの北の方に生えてある。

オーク2種は北米が主な産地で、イギリスでも歴史的に愛されてきた材料なんだけど今はあんま採れないみたい。

  • 楢ナラ - 木目がやや緻密で色は白っぽい。比重0.67(杉は0.39)
  • ホワイトオーク - はもう少し目が荒く、やや黄色みがかったものが多い。比重0.7
  • レッドオーク - 同上の木目で、ややピンクっぽい色をしている。耐水性が低いのでタルなんかには使わないらしい。比重0.7

とか書いたものの、この差を見極められる人がどれほどいるのか。

僕には全然分からない。

色なんかも産地や個体差で逆転するし、2種類並べてくれたら当てられる自信はぴったり50%だ。

同じホワイトオークでも買うタイミングで全然色違うやんか。

60代の尊敬する大工さんに、こんなん作ったよ!って見せたら「これは楢のちょっと違うやつですね?」って言われたことがあるんだけど、確かにホワイトオークだった。
(これって凄いことだと思う。普段広葉樹はそんなに触らないはずなのにやっぱり達人だ。)

ちなみに下の看板の盤面はこの3種類の混合で作ってみた。

薄板を格安で売ってくれる材木屋で買ったけど、色の差が出るように貼り分けただけで、どれがどれかは全然分からなかった。

下の床はホワイトオークの無垢フロアなんだけど色全然違うよね。赤っぽいのもあるし、レッドオークですって言われたらそうですかってなる。

非常に硬い

間違いなく若者だった頃、初めて加工した広葉樹がこのホワイトオーク。

知識も電動工具もなく、手加工オンリーでローテーブルを作った。

脚の斜めも手鋸でカットしたが、信じられないほど硬く一生切れないんじゃないかと言うくらい時間がかかった

マンションだったので、ノミの加工はベッドの上にゼクシイを引いてその上で叩いた。叩いた。叩いた。

これはトラウマになった。

ツッコミどころは無限。しかしまあ形にはなった。

オークの手加工は本当にしんどい。

丸ノコくらいは絶対必要。そして丸ノコを使ったとしても尋常ではないほど硬い。でも切ることはできるはず。

そう言えばこの材料もマルトクショップで買った。

ほんとめっちゃ前からあるな。

ビスを軽く捻じ切る異常なSTR

「オークの手加工」トラウマにより、しばらく広葉樹を敬遠していたが、電動工具も買い、針葉樹で色々作った後、再びホワイトオークでダイニングテーブルを作った。

この天板は自分で接いだものではなく、無印のテーブル脚に載せるために買って使っていたものを転用した。

脚と幕板が新しく作った部分。

これはダイニングテーブルの基本構造の解説に使ったものなんだけど、実は最初、天板の固定方法の基本を知らなくて、幕板を直接天板にビス留めした。(愚か)

もちろん下穴を掘って留めた。にもかかわらず

一瞬で捻じ切れるコースレッド。

信じられないくらい簡単にビスが逝く。

下穴の太さがわずかに足りなかった(そう言う問題ではないくらい間違ってるけど)。

今も苦し紛れにダボで埋めた跡がある。最終的には色々調べて駒止金具を使って伸縮に対応する形で固定した。

下穴の径を適切なサイズで扱えばもちろんビスも使える。しかしオークはビス留めDIYに使うにはもったいないと思う。

金物の取り付けなんかはもちろんビスを使うけど、ホゾ組に挑戦してみるか、せめてビスケットジョイントぐらい使うといいかも。

ダイニングテーブルのベーシックな構造解説の記事も上げてるのでよかったら参考に。

【図解DIY】ダイニングテーブルの基本構造と作り方、専用金具について解説

板に脚を4本つければテーブルになるはずだけど、基本構造を知らないと意外と難しいと思う。 なので今回は、ダイニングテーブルなどの大型テーブルの ...

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木目の魅力とカンナ掛けの難しさ

荒々しい木目が魅力な楢は、強烈な節なんかも非常に似合う。

節が入っているものを求めるユーザーもかなり多い。と言うことでネットのカット販売なんかでも「節アリ商品」が最初に出始めたのもオーク。

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下は節を入れまくって作ったダイニングテーブル。天板が少し反ってるのは秘密。

こんな感じの角張った無骨なデザインがオークには似合うと思ってる。

この頃はカンナを結構使うようになっていたので、目違いの調整とか丸ノコの切断面を整えようとした。が

逆目がまったく止められない。

同じ広葉樹でもチェリーとか結構簡単に削れるからと思って、軽い気持ちで削ってみたら、取り返しのつかない傷跡が多発。

順目にかけるのがカンナの基本だけど、節まみれの楢がそんな素直なわけがないので逆目がそこらじゅうに発生する。

台直し万全で研ぎも自分の限界までやったなら、あとは超薄削りするしかない。

肌触りと経年変化

木目はワイルドであっても、中身が詰まりに詰まった比重0.7の広葉樹。

ペーパーをガシガシにかけてオイルを塗り重ね、研ぎ重ねることで、木の繊維も感じさせつつ非常にしっとりとした肌触りが実現する。

オイルフィニッシュについては下の記事に詳細。

【#02塗り方編】オイルフィニッシュとは?【塗装と原理】

ワックスの塗りかたと同様に、オイルフィニッシュに絶対的な方法というのは存在しない。 自分の求める仕上げレベルや、材料なんかによっても変わって ...

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塗装直後は肌色って感じだけど、だんだん飴色っぽくなってくる。

経年変化の仕方は木によってさまざまなんだけど、オークのそれは「正統な経年変化」って感じ。

下は塗って1月ほどの楢(左)と、5年ほど経ったホワイトオーク(右)。その差は歴然。

なんか右の方が偉い感じするやん?わかる?

尋常ではない硬さのおかげで加工難易度は非常に高いが、作った時の達成感、舐めたときの舌触り、どれも素晴らしく、しっかりしたものを作れば本当にずっと使える。

下手をすれば結婚相手よりも長い付き合いになるかもしれない。それが楢(オーク)という木だと思う。

他の樹種一覧

他の木と突き板の話は別記事で書くことにする。

内容は以下の通り。

【中編】

  • 山桜(ヤマザクラ) ・ブラックチェリー
  • 梻(タモ) ・ブラックアッシュ ・ホワイトアッシュ
【中編・サクラ&チェリー・タモ&アッシュ】DIY家具でも使える広葉樹とツキ板の話

引き続き大好きな広葉樹たちの話をしていこうと思う。 前編ではホワイトオークについて話したいことが多すぎてほぼ冒頭の延長みたいになっちゃったけ ...

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【後編】

  • 楓(カエデ)・メープル
  • 胡桃(クルミ)・ウォルナット
  • 突板(ツキ板)の話
【後編】DIY家具でも使える広葉樹とツキ板の話

結局3編構成になってしまったが今度こそまとめる。ツキ板(突板)の話もします、本当です。 無垢材については楓&メープルと胡桃& ...

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