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木表・木裏と反り・伸縮・鉋がけ方向の話【実際どうなる?】

2021年7月6日

木の表裏を気にしてるだろうか。当然気にするべきだけど気にしなくてもいい時もある。

木表と木裏では、性質もそうだけど、木目の重なり方なんかにも結構わかりやすい違いがたくさんあって、その辺を知ればおのずと使いわけも見えてくると思う。

木目について考えるのは結構面白いので、立体的な図を用いながら説明してみたい。

DIYに縁がありそうなものを引き合いに、表裏のいろんな見分け方、反りの方向、順々に説明していこうと思う。

大前提

木の表裏について調べてる人ならこんな図は見飽きたかもしれないが一応書いておく。



このように木の外側に来る方が木表、内側が木裏と呼ばれる。

というわけで木口の年輪を見れば、どっちが木表かってのはすぐにわかる。これが一番簡単な見分け方だ。

基本的にほとんどの木工造作では木表が造作の「オモテ」の方向を向くように使われる。

特に素足の床なんかは絶対に木表じゃないとダメ。なぜかと言うと、木目がキレイとかは置いといても、反りの方向が抑制しやすいのと、ささくれの起きやすさがダンチで違う。詳しくは後述。

どのように反(そ)るのか

「反る」と書いて「そる」と読む。

ご存知の通り木表は両端が持ち上がって真ん中が凹むるように反る。反対に木裏は真ん中が盛り上がってくる感じだ。

矢印のように、年輪の方向に縮んで行くのでこうなる。これは乾燥と経年による「痩せ」が原因、梅雨時などの多湿環境下では膨張するため逆の動きもあるが、長期的には痩せていくためこのような反り方をする。

じゃあどれくらい反るのかと言うと、反る時は笑っちゃうくらい反る。

とあるゲストハウスで、結構幅広の一枚板が、弱々しい金具で棚として固定されてたんだけど、反りの力で固定ビスを引き抜いて思いっきり海老反りしてたのを見たことがある。

これはおそらく現地調達した生木を近所で製材して、大量の水分を含んだまま使ったんだろうけど、イメージ図だとこんな感じ。

この反りの力はなかなか強く、40mmとか50mmとかになってくると人の力では抑えが効かない。

厚物には特に対策が必要。

床に木表を使う理由

図を見てもらうとわかるが、床の固定方法は木表の反りを押さえるようになっている。

このように反り上がろうとする両端を釘とサネで押さえつけ、盛り上がろうとする裏側を下地で押さえることになる。

つまり木裏を表にした場合、茶畑のようになってしまうわけだ。

市販の無垢フローリングなんかだと間違ってることはまずないので安心だけど、杉の板なんかを買ってきてビス留めする時なんかは気をつけたほうがいいと思う。

ウッドデッキならばどうする?

木表は言い換えれば真ん中がヘコむように反るので、屋外で使用するウッドデッキなんかでは水が貯まるんじゃないかと思うかもしれない。

実際その通りで、ウリンみたいに硬くて幅の狭いやつならまだしも、ホームセンターなどで買った乾燥の甘いスギで幅180とかになると結構露骨。(材木屋さんだったら大丈夫と言うわけではない)

ウッドデッキは水平に貼ることが多いけど、僕は少し水勾配(水が流れるための傾斜)をつけたりもするんだけど、それでも真ん中の方には長いこと水気が残る。

なので僕がやる時は木裏を使うようにしていて、やはり木裏を使えば驚くほど水はけが良くなる。どんな大雨でも水が溜まると言うことは一切ない。

杉などの素材を使う場合は水はけの良さはデッキの寿命にも直結する。塗装より断然寿命に影響すると思う。

そして勾配をつける場合は表裏だけでなく前後の方向(元と末)などにも注意している、なぜか。

【重要】木裏と木表の木目の重なり方

木表と木裏では木目の重なり方が全然違うので、ささくれなどの起きやすさが違うし、カンナ掛けや水を流すべき方向も変わってくるので、図解でなるべくわかりやすく説明してみる。

まず下のイラストのように、表裏が全く同じ木目の材料があったとする。

木目が同じであっても木目の重なり方が全く逆。

それをなるべくわかりやすくミルフィーユ的に表現したものが下の図。

直感的に「裏」の方がささくれやすいのがわかってもらえると思う。タケノコ状の木目が浮き上がるように重なっていて、あらゆる方向から簡単にめくれ上がってしまうように見える。

反対に「表」のほうは木目が内側に入り込むような感じで、比較的めくれにくい。

では実際に木裏がどのようにめくれ上がるかは下の写真。

これを見れば、素足で歩く床に木裏を使ってはいけない理由がわかってもらえると思う。

厄介なのが、先っちょにちょっとでも引っかかると、かなり奥の方まで浮き上がってしまう。こうなればどうしようもない。

とまあ、この構造がわかっていれば、カンナをかけるべき方向と水を流す方向は簡単だ。

このような感じで矢印の方向を木材の「順目(ならいめ)」と呼ぶ。その反対は文字通り「逆目」と呼ぶ。

カンナにしろ水にしろ、順目の方向に流すのが基本

逆目に水をかけると木の中に浸透しやすいし、カンナだと思いっきりささくれを起こしてくれる。

これがわかってれば、何をする時も木の向きがおのずと決まってくるので悩むことは無くなると思う。

表面からも見分けられる

これらの木目の入り方の違いによって、表裏は木口を見なくても見分けることができる。

若い大工さんが壁に貼る板を仮並べしてる時に、ボスがきて「これ裏向いてるぞ」って言ってるのを見たことがある。

いわく、なんとなく目の入り方が違うからわかるんだそうだ。表は入り込んでる感じ、みたいな。

熟練者だとパッと見でも見分けられるようだけど、個人的には結構難しい。しっかり見極めたつもりで木口見たら違ってたなんてこともある。(未熟)

もう一つ、表裏だと裏の方が芯に近い分だけ赤身が多くなる。

まあ考えりゃわかることだけど、知ってればホームセンターなどで、長めの板で表に節がないやつを探すときなんか見分けがちょっとだけ早くなる。

伸縮の方向

これは簡単なので下の図を見て欲しい。

どれくらい縮むのかと言うと、杉材のめやすはこんな感じ

  • 幅方向は100mmだと1mm。
  • 長さ方向は2000mmだと1mm

これは含水率が13%から8%に下がった場合の想定だけどなんの責任も持たないのであしからず。

ちなみにウチにオークの無垢材を貼ってあるけど直射日光が当たる部分は見事に1.5mmくらい隙間が空いてる。

この法則を理解していると下のような組み方はよくないとわかる。

このような組み方はよくない。

サイズが小さければあまり問題はないが、でかいテーブルなんかだと問題大アリ。

しかしこの構造は反りを止めるために必ず出てくるので、伸縮を制する定石がある。詳しくは以下記事を見て。

【図解DIY】ダイニングテーブルの基本構造と作り方、専用金具について解説

板に脚を4本つければテーブルになるはずだけど、基本構造を知らないと意外と難しいと思う。なので今回は、ダイニングテーブルなどの大型テーブルの、 ...

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反りの対策

無垢材は反りとの戦い。反りを倒す手段は下の通り

  • 反る力に対抗する構造にする(反り止め)
  • 塗装をして水分量の変化を抑える
  • 乾燥材料を使用する

反る力に対抗する構造にする(反り止め)

これについて、さほど難しく考える必要はない。例えば下のように何も考えずに「日」の字型の家具を組んだとする。

どんな固定方法であってもがっちり組んでいれば、それぞれが反りを抑制するように作用しあうので結果としてあまり反らない。伸縮方向も正しい。

他の例えとして棚なんかだとこんな感じ。

単純に金具が端っこまでカバーしてない分だけ将来的に反るリスクが高まる。でもそこまで気にすることじゃないかも。

金具と伸縮の比率がーって思うかもしれないが、棚板程度の幅ならたいした問題じゃない。

気になるなら金具の固定穴に対して、少し細めのビスを使用することで伸縮に対応する遊びを設けられる。

と言うわけでこの辺は簡単。

もっとも反り対策を考えるべきは、でかいダイニングテーブルなど。これについては上の方に貼った記事を参考にして欲しい。ここにも一応貼っとく。

塗装をして水分量の変化を抑える

木の反りや伸縮は木の呼吸、すなわち水分量の変化によって起こる。ならばその呼吸を止めてやろう。

最も呼吸を止めてくれるのはウレタンやラッカーなどの樹脂系塗料。DIY的に言えば「ニス」。

ただし文字通り息の根を止めてくれるので、「この木は生きてるんだよ」とか言えなくなるかも。

あと職人であっても腕に差が出る塗装なので、DIYで綺麗に塗るのはめっちゃむずい。

そこでお勧めしたいのが「オイルフィニッシュ」とか「ワックス」。

オイルは正統派木工家具の基本であり、しかも簡単。ワックスも簡単。

特にオイルは木の質感を生かしてくれるし、その仕上がり感がめっちゃ好き。(主観)

どちらも詳細記事を書いてあるので参考にされたし。

【#01座学編】オイルフィニッシュとは?【特性・種類】

木工DIYをやってたら「オイルフィニッシュ」とか「オイル仕上げ」というワードにぶち当たると思う。 そしてネットなんかで色々調べるにつれて、そ ...

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オールドウッドワックスの基本的な塗り方と濃淡の調整【OLD WOOD WAX】

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あと、ちまたでは「木の呼吸を妨げない塗料」とか宣伝されているが、そこそこ妨げてくれる。

なので塗るのと塗らないのでは反り方に大きな差がある。

と言うわけで、木で何かを作る時は、加工・組み立て・塗装までをなるべくスピーディーに行うことも一つの反り対策。

塗ってしまえばそれほど反らない。

注意点として、塗装は裏表全て行うのが基本。半端に塗ると吸放湿の割合が変わっておかしな反り方をするかも。

乾燥材料を使用する

水分で反りが起こるなら乾燥材料を使用すればよい。当たり前だよね。

ホームセンターの材料を買うときに一つ注目したいのが「AD」「KD」「Gまたはグリーン」の表記。

これは乾燥方法についての記載で、それぞれの特徴は以下の通り。

ADとはエアドライの略で屋外で自然乾燥させたもの。

基本的に乾燥は十分だけど、おうちの中は外より湿度が低い。つまり反る。

外で乾燥されていると言うことは外で使えばいいんじゃないのって感じ。

KDとはキルンドライの略で人工乾燥材

KD材は専用の窯みたいな部屋で、屋外の湿度以上に含水率を下げるのでとにかく反りにくい。おうちの中で使うものに適している。

いかにも人工的な感じがするし、木材の本来のねばりが失われるとかで建築構造材にはベストではないようだけど、反らないのは正義。

無垢材で家具を作る場合、人工乾燥はマストとされていることが多い。

なんせ僕たちのお部屋の中は、丸ごと人工物で人工的な空調が施されているのですから。

グリーン材とは乾燥してない材料

すげえナチュラルライクな名前に騙されることなかれ。この材料は買ってはいけない。ホームセンターの売り場でドラゴンかと思うほどうねってる角材を見たことないか?以上。

これを見て無垢材やっぱ難しいわって思ったり、もっと基本的なところが気になったら下の記事も見て欲しい。

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