もしあなたが初めてDIYで何か作ってみようと思った時、まずはホームセンターに足を運んで・・・。
どの木を買えばいいんだよ!
と言いたくなると思う。
そこで、ホームセンターに売っている木材も中心に、どんな木材がどんな物を作るのに適しているのか、まとめてみようと思う。
上から順に初心者向けに並べてある。
Contents
棚板などに便利な集成材【表面がキレイ】

一言でいうと、とにかく使いやすい、手間がかからない、素晴らしい材料。
ホームセンターでよく見かけるのは「パイン」とか「なんとか松」とかその辺たと思うけど、どちらも松系の木材だ。
写真のようにジョイントして一枚の板にしてあるものを集成材という。
お店の工事なんかで、大工さんに「なんでもいいから一番安く棚をつけて」といったら大体こいつが無塗装で使われる。
- 表面がキレイに仕上がっているのでそのまま使える
- そったり割れたりすることが少ない
- 強度がある
- 木口や側(がわ)もキレイなので隠す方法を考えなくて良い
- 見た目は好みが分かれる
- 所詮、集成材
- やや重い
適した使い方
そのキレイな表面と強度、反りにくさから、ちょっとした棚板からテーブルの天板まで様々な用途に使える。
厚みも十分あるためネジや釘で留めやすく「板を四角に組み合わせて箱をつくる」というような、直感的な設計でも思った通りの形になってくれる。
もちろんタンスやキャビネットのようなものも作れるが、少し重くなりがち。
塗装をするのも簡単で、木目を生かしたいならワトコオイルやオールドウッドワックスなんかがお勧め。ただしテーブルなんかに使うときは少なからず色移りの問題がある。
時間が経てばほとんどしなくなるが、白いワイシャツでマウス触ってたらやっぱ少しは茶色くなる。
気にするならなるべくクリア(透明)にした方がいいよ。
木目を消して一色に塗装したいなら水性のペンキがおすすめ。ただしこれも爪でガリっとやれば削れてしまう。
これら全てを解決する方法として「ウレタン」とかいた透明の塗料を塗るという手がある。これは表面にプラスチックの膜をつくるような物、手触りは結構変わるのと、キレイに塗るのは結構難しい。

このミニチェストはフレームをパイン集成材の、クリアワックス塗装で作ってある。
正面は後述するシナベニヤ、引き出しの前板はメラミン。
種類
ホームセンターに売ってある大きさは長さ910〜1820mm、幅200mm〜450mmといったサイズが多い。厚みは15mm、18mm、25mmなどなど。
材木店で扱う業者向けのサイズは幅が600mmまでで、長さが4.2mとかが標準。大きめのホームセンターにはあったりするので、長いカウンターとか作る時には行ってみてもいいかもしれない。
ダイニングテーブルを作るなら1820x910mmというサイズを探すと良い。結構あると思う。
木の種類は本当は無数にあるんだけどホームセンターにはあんまりない。うちの近所にはタモとかはあったりする。
気になる人はネットで買うといい、集成材を一番大量に扱ってるのは僕の知る限り奈良のウッドモールという店。
メラミン化粧棚板【耐水性】

いろんなメーカーからいろんな種類が出ているので名前もそれぞれ違う、メラミンカラー棚板、メラミン化粧棚板とかいろいろ。
白が一番多いけど、黒だったり木目だったり、様々な種類がある。
表面にメラミン樹脂を浸透させて作ったシートを貼っており、非常に耐候性に優れる。
買うときはこの「メラミン」という言葉が含まれているかどうかに注意しよう。いわゆるカラーボックスと呼ばれるものに見た目が似ているが、耐候性が全然違う。
カラーボックスは大半がプリント合板というもので、メラミンと比べてだいぶ劣る。
見た目も違うので、慣れてくれば一目で見抜けるぞ。
- 表面がキレイに仕上がっているのでそのまま使える
- 基本的にそったり割れたりしない
- 水に強い
- 強度は心材によるが、大体がファルカタかMDFという素材でさほど強くはない
- 木口や側(がわ)もキレイなので隠す方法を考えなくて良い
- 木材とは言えない?
- 集成材よりだいぶ軽い
適した使い方
水に強いのでキッチン周りの棚なんかにはピッタリ。
凝ったDIYをするなら食器棚の引き出しなんかには特に使いやすい、木口にも同色のテープが貼ってあるので手間がかからない。
切ったとしても「木口テープ」というものを貼り付ければ同じようになる。
ツルッとした人工的なフェイスが好みではないという人も多く、特にデザイナーなんかには結構嫌われがちな素材だが、白や黒の板は、木で作った家具のアクセントにもなる。
便利な素材は使いこなしてナンボなのでアイデア次第でいくらでも活躍の場がある。
ちなみに塗装する物ではない。後悔するぞ。

この家具の引き出しの前板はメラミンで作った、かわいくない??

食器収納の引き出しには間違いなくドンピシャ。ちなみにちょっと見えてる天板も黒いメラミンだ。
種類
建材としてはDIY向けオンリーの製品で、ホームセンターにしか売ってないと思われる。
大きさは長さ910〜1820mm、幅200mm〜450mmといった感じで集成材の隣で見かける。厚みはマチマチだが、13〜18mmくらいをよく見かける。
カラーラインナップは白、黒、いろんな木目なんかがあるが、木目となるとウソくささがあって僕は好まない。
無垢材【雰囲気よし】

無垢材というのはジョイントしたり張り合わせていない一枚ものの板材を指す。幅広になる程高い。
大きな天板を作るときは150mm〜300mmくらいの幅のものを、職人の手でジョイントしたりするけど、それでも無垢材という。高級無垢家具の店で「これ集成材やん!」とか言わないようにしよう。
ホームセンターで売っているものはスギかヒノキなどの針葉樹の場合が多くて、幅が150mm〜240mm、厚み24〜36くらいまではあると思う。
これらは職人が足場だったり屋根の破風板という部位に使うための規格なので、無垢材と呼ぶとプロ的にちょっとおかしい。でも便宜上無垢材と呼んでおく。
もちろんどのような使い方をするも自由。
棚板にしてもいいし、ウッドデッキにしてもいい。
買う時にすでに反りまくってる場合が多いので気をつけよう!
- やはり木工家具の花形(主に広葉樹)
- 思っている以上にそるし、たまに割れたりする
- 強度は木目方向によって決まる
- 木口や側(がわ)も無垢材なので隠す必要がない
- スギやヒノキなどは軽い(比重0.4)がオーク(0.7)などは重い
適した使い方
まさに木そのものであって、何にでも使えるのが無垢材のよさ。
しかし非常にそりやすく、無垢材によるDIYは常にそりとの戦いになる。
無垢材の反りや表裏について詳しく解説した記事はこちらを参照。
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雰囲気は抜群に「木」なので、DIY初心者なら、そることも気にせず使ってみてもいいと思う。
棚板やディスプレイ台なんかに使う分には多少反ってても問題ないだろう。
塗装はオイルやワックスなんかが雰囲気良くておすすめ。
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水回りに使いたいって時はウレタンニスなんかを塗ると良い。しかし一般販売されてるものはテカテカになるし、ハケムラが出てなかなかうまくいかないと思う。
種類
多種多様すぎるのでここでは多くを語らない。
ホームセンターではスギやヒノキがメインになると思うけど、一歩上のDIYを目指したいならネットで広葉樹を買ってみるといい。その緻密さと美しさにもう広葉樹から抜け出せなくなるぞ。
ちなみに無垢広葉樹には規格サイズがない。製材機械がない以上、広葉樹は下に貼ってあるようなネットのカット販売で買うしかない。

初めてチャレンジするなら、ウォルナットやホワイトオークなんかいいと思う。下の写真はホワイトオーク。

その場合は絶対オイルフィニッシュで仕上げることをお勧めする。間違ってもニスはやめよう。
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箱っぽい家具造作に最適なランバーコア【軽い】

軽量のファルカタ材を芯にして、仕上げ材料で両面からサンドイッチしたものがランバーコアだ。
ちょっと大作を作りたくなったDIYerにはちょうどいい材。使うようになったらめちゃくちゃ使うと思う。
表面の仕上げは大きく分けて、木目の「ラワン」「シナ」、真っ白でツルッとした「ポリ」がある。
それぞれ「シナランバーコア」「ポリランバーコア」と呼んだりする。
上の写真はラワンで、下の写真はポリ(ランバーコアではないが)

さらに下の写真はシナ。

広い面が取れるんだけど、木目は丸太をカツラ剥きしたものなので、無垢材とは異なる。
ただし小さなホームセンターだと在庫はあまり多くないだろう。大きめのところが狙い目。
- そったり割れたりすることは集成材より少ない
- 木口は断面が見えている
- 単独での強度は弱め
- ネジがあまり効かない、釘は全くダメ
- とにかく汎用性が高い
- 非常に軽量
適した使い方
なんといっても箱モノ家具と呼ばれるジャンルには最適。
箱モノというのは、タンスやキャビネット、キッチンなどの箱型のもの。プロもよく使う造作材だ。
集成材と同じように思いのままに組み合わせて作れるけど、こいつを使うならインパクトドライバー(ネジを絞める電動工具)がないとツラい。
とりあえずこれかっとけば間違いない。
ドリルドライバーはDIYには非常に使いにくい。インパクトと書いてるものを買おう。
そもそも芯がやわらいため、木口なんかはネジ自体効きにくいので、ボンドも併用しながら長めネジで取り付けるとよい。30mm以上は入り込むくらい。
表面からネジを絞める分にはそこそこ効く。
引き出しや、家具の扉なんかにもちょうど良く、シナランバーコアなんかは大体見せる目的で使われる。
木口は断面が見えてくるので、一般的に木口テープなどで塞ぐのが基本だけど、最近木口かっこいいといっている若者に会った。
時代とともに価値観は変容するもの。
塗装については無垢材と同じ考えでOK。

ラワンランバーコアで作った引き出しの前板と扉(見えない中の構造もランバーコア)。木目を揃えてる。
この幅を一枚ものの無垢板でやればリアルに100倍の金額がかかる。
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種類
大きさは1820x910mmが基本。1220x2430mmというサイズもあるが、ホームセンターにはほぼないと思う。
厚みは15・18・21・24・30mmとあって、引き出しの箱を作るときなんかは15mm。
スライド蝶番の扉には18mm。
外側の箱を組むなら18mm〜21mm。
24や30mmは何かの天板なんかに使うかな?30mmあんま使わないな。
スライド蝶番とか引き出しについては下の記事を参考にされたし。
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仕上げの種類は表面がケバ立ちやすいラワン。
すべすべで美しいため見せる造作なんかに使われるシナ。
耐水性抜群のポリ。
ポリは前に述べたメラミンと見分けはつかないが、基本的にメラミンの方が耐熱、耐摩耗性に優れる。
下地や面作りに最適な合板(ベニヤ)【強い】
ホームセンターではすっごくポピュラーなんだけど、初心者にはあまり縁がないかもしれない。
非常に考えられた構造をしており、木の繊維をタテとヨコ交互に貼り合わせているため割れることがない。
ツーバイフォー住宅の構造を担う重要な材料。
木口は貼り合わせた縞模様になっており、見せないのが基本だったが最近はわざと見えるとこに使ったり、間に色紙を挟んでカラフルにしたペーパーウッドという商品もある。
ホームセンターに置いてある樹種は主に針葉樹合板、ラワン、シナ、たまにファルカタなど。
ノンJAS合板というやたら安いものを見かけると思うが、シックハウス対策の基準を満たしてないので室内に使ってはならない。
- そりは少ない、割れもない
- 木口は断面が見えている
- 最高の強度
- 非常に重い
適した使い方
家具だと箱モノを作った時に背板に使ったり、引き出しの底板なんかに使ったりする。
シナベニヤなんかは薄いものを仕上げに貼り付けたりする。
分厚いものを使えばテーブルの天板なんかも作れるが、仕上げに何か貼ったりすることが多く、そのまま天板にする人は少ないと思われる。
とはいえインテリアDIYをする人は大量に使うに違いない。
床を張るときの下地や、壁を作る時にそのまま貼ったりしてもいいだろう。
おそらくベニヤをバリバリ使う人にこの記事は必要ないかもね。
種類
ホームセンターでは2.5mm・4mm・5.5mm・9mm・12mmとかこの辺が基本。本当は30mmとかもあるけど材木屋でもあまりない。
針葉樹合板は別名構造用合板とも呼ばれ、ちょっと厚みの規格が違う。最も薄いのは9mmからで、12mm、15mm、床下地用に24mmや28mmなんてのもポピュラー。
この針葉樹合板は最も安価で、あらゆる下地に使われる、DIY用の工房を持ってる人ならいっぱい転がってるだろう。
ラワンは家具の背板などメインではないが見える面に、シナは仕上げの化粧や箱の内側なんかに使うことが多いと思われる。
合板はランバーコアと比べて重いのがネックになるんだけどファルカタ合板はとても軽くて好き。

針葉樹合板は木目が荒々しく、節があり、こんなスタンプが入ってある。シナとラワンはランバーコアのところにのせた写真と同じ。
まとめ
全く触ったことがない人は上から順に使ってみてもいいかも。
いっぱい材料無駄にしてなんぼ。
そのうちホームセンターだけでは物足らなくなる。
工具についても、初心者がどんな順序で買うと損をしないか、書いてあるのでよかったらみて。
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