燃えたぎるような「あれ作りたーい」衝動にチャチャ入れしてくれるのはいつも「お金儲け」の考え。
ということで、己の内なる葛藤と戦いながら、去年クリーマで売るために作った色々なものを販売価格とともに紹介したいと思う。
要するにネタが切れてどうしようもなくて辛いので身を斬るネタシリーズだ。
今や会社員も副業の時代。DIYもお金も大好きだグヘヘという、清らかな人たちに見てほしい。
センターテーブル
ことあるごとに記事に登場するこのテーブルは今の所一番のお気に入り。
販売価格は7万〜10万。カリモクのローテーブルを参考にして値決めした。
知っての通りクリーマやミンネで売るにはなかなか厳しめの価格設定だけど、出品から数日で売れた。
とは言いつつこの金額のものはそう簡単には売れてくれない。
今回はちょうど特集掲載作品を募集していたので、そこに引っ掛からないかなと思って作ったんだけど、うまいこと引っかかってくれた。
クリーマはこういうところがありがたいんだよな。大好き。
「次の10年も一緒に。ロングライフデザイン作品」という特集に入れ込んでもらえた。
どういう作戦で臨んだかというと、ロングライフデザインというワードを見て最初に頭に浮かんだのがミッドセンチュリーというワード。
10年と言わず70年以上愛されている造形を組み込んでみようと思った。
この造形はPinterestでいろんな家具を研究しまくってたどり着いたんだけど、見ての通り脚のフレーム構造がポイントで、これは結構簡単に作れる。
ラタンもすっごく映えるのに実は簡単なんやで。
いろんな家具を見て、そこから作り方を考えていくのはすごく楽しい。何事も真似から入るといろんなことがわかる気がする。
デザインを考えるのも作り方を考えるのも全部楽しい。だから生きてるだけで楽しいはずなんだけどそう簡単にはいかない。(脱線)
造形に関してはトリマーの倣い加工という技術を知っていればできる。
詳しくは下の記事で書いてるよ。
【2021.12更新】倣い(ならい)加工というコピペ技術【トリマーで何ができる?その2】
ここではトリマーの超重要技術である「倣い加工(ならいかこう)」について説明してみようと思う。その1では、基本技能に近い例を紹介した。ちょっと ...
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ラタンは今月中に記事作ります。
こいつを作ってみてミッドセンチュリーっぽい造形とラタンにハマった。
本当は北欧ヴィンテージの代名詞であるチークで作りたいところなんだけど、クソ高いし環境的にブラックチェリーが手に入りやすいのでそれで作った。
ちなみに作るの嫌になって今は展示だけにしてる。
月末から自分のためだけにフローティングトップの片袖デスクを作る予定。チークもちょっと使ってみると思う。
やばい、やっぱ楽しい。
チェスト
10万オーバーで売れた唯一の家具。
前から見ればタモ無垢だけど横はパイン集成材だ。
オプションで横をホワイトアッシュにしたり、いろいろ足すと10万を超えるけど「こんなん売れるのかな」と思ってたけど速攻フルオプションで売れてビビった。
正直めっちゃ緊張した。
しかも出張中で一週間ほど帰れなかったので、ホテルでソワソワしながら材料を発注したのを覚えてる。
でもマジで嬉しくて、出張中は会う人みんなに優しくなれたのも事実。
板接ぎ含め、Wアッシュはすべてマルトクショップに丸投げしたのは秘密。
当然これも本来簡単に売れる価格設定ではないんだけど、やはり特集をしてもらえたおかげ。
この時は特に狙っていたなかったんだけど、「今週注目の新作100選」というのに入れてもらった。
この特集は問答無用でトップページを飾らせてくれる。
仕組みとしては、初日はトップページだけど、毎日少しずつ下に下がっていくという感じなのでかなり長いこと注目される。
その威力は凄まじく、1日で2,000ビュー付くぐらい見られた。もちろん見られるかどうかは写真が全てなので頑張るしかない。
天板はメラミンであるにもかかわらず側板が無垢材なので、念の為伸縮対策が必要。動きがあった場合も正面は固定されたまま背中側がスライドするように考えてある。
ちなみにクソでかい角のRを加工するためだけにルーターを買った。
デカすぎてひく。
しかし速度可変付きのマッスルルーターのおかげで、ホワイトアッシュさんは焦げることもなく、とろけるように丸くなった。
もちろん段階的に削ったで。一発でやったら死ぬで。(木が)
こういうでかいビット使いたい時とか、負荷の高い溝切りなんかをやるときにはルーターは役に立つ。
いつか買うことになるから今買え。
金があるならこっちやぞ↓
ちなみに僕はプロトタイプを作ったときには知り合いの撮影スタジオに、無料&無期限かつ、備品として使ってもよし、壊れてもよしの条件でレンタルに出している。
もちろん裏に値段をつけるのも忘れてはいない。
しばしばいらないものを寄贈しているので、空いてるときはご好意でちょっとぐらいならただで撮影させてもらえる。(頼んではない)
倉庫がわりに使える上に撮影料はただ。(頼んではない)
スタジオの人と仲良くなると便利やで。(無理に頼んではない)
スツール
このスツールは7,000円〜12,000円で販売した。
樹種は色々なんだけど、スツールの特徴はとにかく数が売れること。
ダース単位で普通に売れるのが素晴らしい。
たくさん作ると効率がめちゃくちゃ上がる。同じことを繰り返すとメンタルは大いに削られるのが弱点だけど。
そしてたくさん売れるのは安いからというだけではない。
自分の家にある家具の数を数えてみよう、机はいくつあるか、チェストはいくつあるか?
多分家に一番あるのは座るためのものだ。
これを家の外に移し替えてみて、飲食店と考えればもっと明白。カフェなんかでのスツールの需要はめちゃくちゃ高い。
あなたは1日にいくつの椅子(またはスツール)に座るだろうか。家、会社、店、多分腰掛ける何かは1日に5つ以上あるのではないか。
つまりそれだけ需要がある。そして簡単に作れるスツールは製作者側から見ても非常にコスパが良い。
そしてこのスツールは数を売ることを目的にしていたので、複並べると広い展示台になる。みたいに複数買いたくなる工夫もした。
下は作りすぎて嫌になった記念写真。
欲しくなったかどうかはわからないが作るのは嫌になった。
屋台
どんな仕事もそうだけど、一発の金額がでかい方が効率がいいはず。
小さいのを10やるよりも、大きいのを1やる方が間違いなく楽。
ではどうすればいいのか。
答えは簡単で、大きい金額を設定したければ大きい商品を売れば良いと考えた。
サイズがデカければ金額にも納得しやすい。
この屋台を売ろうと思ったのは、単純にクリーマで屋台を売っている人がほぼいなかったことが要因。
実際に僕がクリーマで初めて出品&売れた商品だった。
ニッチな市場を責める者は小金を稼ぐ。
さらに有利に働くのが、これを買う人はほぼ間違いなく事業者であるという点。
個人の支出として買うよりも、会社の経費として、事業の投資として見る方がより財布が大きくなるのは当然。
こギリギリ外注できる単価設定にしているので、薄利になるけど机に座ったままでも利益を得ることができる。
(外注といってもガチプロではなくて、DIY好きでかなりのレベルで作れる友達)
最大6台の注文を受けたことがあるけどかなり外注したのであんま儲からなかった。
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なんぼ儲かったのかとコツみたいなもの
2020年のクリーマとミンネの合計売上は100万ちょい。
自分にとってはありえないほど十分な額だった。
工具めっちゃ増えたし、普通に普通以上に楽しかった。
成果を上げていく事ができれば、おのずと社員さんに声をかけていただくチャンスも増えるし、出品するたびに特集してもらえる。
YouTubeと同じでオススメ=特集の威力はあまりに強い。
継続が全て【ネットで家具を売りはじめて、売れた】
DIYが好きな人は、自分が作ったものに金額をつけて、店頭に並べたらどうなるのか興味があると思う。2020年は大いにそれを試せた。というわけで ...
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改めて考えれば店頭に並ぶのは商品ではなく写真と文章。
なので運営側は「優れた」それをたくさん提供してくれる個人に注目すると思う。
「優れた」の判断基準はというとクリック率、お気に入り率、購入率、社員さんが見た印象しかないよね。
クリーマに関しては今のところアルゴリズム以上に「社員さんが見た印象」が一番強い気がする。
なので商品個々の販売戦略は置いといて、出品に際して共通する優先順位は下のような感じになると思う。
- 良い写真を撮る
- 良い文章をつける
- 期待値を裏切らないものを送りつける
当たり前っちゃあ当たりまえかもしれない。