なんていうか設計思想からして大きな違いがありそうだ。
ハイコーキは集塵のために重心バランスを捨てた、マキタはその逆かなというのが個人的感想。
ていうか繊細な研磨には普通にマキタの方が使いやすいって思う、ハイコーキのはボタン配置もなんか微妙。
でもハイコーキの名誉のためにトリマーはハイコーキの方が強いって言っとく。
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違いは結構大きいので細かく解説していきたい。マキタBOの面白い小技も紹介する。
Contents
ハイコーキSV1813DAが優れる点

10年くらい前に発売したマキタのBO180DZと比較して2022年発売のハイコーキSV1813DAが上回ってきたポイントは以下の通り
変速性能
ハイコーキは6段変速のダイヤル方式でマキタの3段変速を上回る。どちらも調整幅は7000〜11000回転/分。


そこまで変速が必要かというとなんとも言えないけど、ほぼ無段変速の気分で調整できるので、有利であることは間違いないと思う。
ブレーキ性能
これはハイコーキ最大のポイントだと思う。
最速回転から電源オフで完全停止までが1秒以下で、オフにした瞬間に台に置けるので作業タイムロスはゼロといえる。
マキタは停止まで3〜3.5秒。作業時間にほとんど変わりないように見えるけど、作業中はこれが5秒にも10秒にも感じられる。
「ゼロ」かどうかでは多いに違う。ストレスが。
ダストバッグ集塵効率

ハイコーキは「80%(材料や条件により異なります。)」と記載されていて、マキタは「高集塵率」とだけ書いてある。
ダストバッグを口で吹いてみるとハイコーキの方が空気の通りがよい=集塵性能が高いと感じられる。
そもそも集塵ポートのサイズが全然違うので集塵機に繋いだ時もハイコーキの方が優れると考えられるけど、裏付けのある実験をしたわけではない。
チップソーと違ってサンダーみたいにダストが細かく軽いものはそもそもの集塵効率が高い。
でもまあ大量に削って大量に粉塵を出すならハイコーキ+集塵機の方が多分いいんじゃないかな。
ちなみにバッグの容量は、手測りで体積比を求めてみたところ。マキタ320cm3に対してハイコーキ400cm3くらいで見た目ほどの違いはなさそう。
マキタ BO180DZが優れる点
こちら自分は4年くらい使ってる。
重量

マキタ1600g、ハイコーキ1900g。
どちらも700g弱のバッテリを含んでるので、本体で300gほど違うというのがわかる。
マキタは18V 6.0A(670g)。ハイコーキはマルチボルト18Vで5.0A(700g)。

これは体感値で結構違うと感じられるので、側面を削ったり車のポリッシャーとして使うなら重要な項目かもしれない。
ちなみにハイコーキは 18V 3.0Aのバッテリ(390g)に交換すれば300g軽くなってマキタと同じくらいになる。(1600g)
マキタは3.0Aは6.0Aと変わらないので、18V 2.0A(380g)に交換すればさらに軽くなる。(1300g)
ただし材料に上から当てて使うときはあまり関係がない。
重心とバランス性能
関係があるのは重心バランスだ。
もともとマキタはバランスの良さを謳っていて、ハイコーキは触れていないんだけど、明確に設計思想が違いそう。
正直初めて触ったときバランスの悪さをはっきりと感じた。
なのでパッド裏のどこに重心があるか測ってみた。(結構正確だと思う)

*純正バッテリ、ダストバッグ(空)装着時。
結構違う。
マキタは10年前とは言えバッテリの位置をかなり詰めて頑張ってるけど、ハイコーキがその気なら同等かそれ以上行けたと思うし、単純に軽視していたんじゃないかと思う。
重心を考えるならダストバッグが横出しにはならないよね。
左右重心が偏ってるのはそのせいで、パッと検索した限りそのようなランダムサンダーは他に見当たらないし、でかい集塵口を用意するために割り切ったとも考えられる。
というか、ダストバッグが長いので、ある程度粉塵が貯まると普通に自立しなくなるというチャームポイントもある。


自分的にはバランスは結構重要なので、これについては後の項目で詳しく書きたい。
一長一短な細かい違い
パワーやバッテリ、モーターなど
双方共にバッテリ18Vで回転数も全く同じということで研磨力に大きな違いはないと思われる。検証も難しそう。
動作時間もマキタが18V 6Ahで高速40分、低速80分、ハイコーキがマルチ18V 5Ahで35分と気になる差はない。
モーター動作音はハイコーキの方が少し低音で、その分小さく聞こえる。実際小さいのかもしれない
オンオフスイッチ
ハイコーキは昔の照明スイッチみたいにパチパチするシーソータイプにゴムカバーがかかってるもの。

マキタはこういうスイッチだ。説明しにくいので見て察してほしい。

ハイコーキは結構力がいるので最初は使いにくいだろうけど慣れれば問題ないと思う。
変速操作
ハイコーキはダイヤル式で親指のポジション。

マキタは電源ONボタンを複数回押すことで速度を切り替える。強→中→弱のローテーションだ。

なので弱で使いたい時には3回押すので少し面倒くささが感じられる。
ハイコーキはよく使うスピードを常にキープして置けるので便利。
しかし、ハイコーキのダイヤル操作は電源ONの時に材料から離して親指で回すのは体勢的にかなり無理がある。
こんなふうに親指を使わずにキープしないといけないから。

その点ではマキタはいつ何時でも人差し指で押せる位置にあるので楽。
ダストバッグの脱着

どちらも脱着は簡単。
マキタのダストバッグは上下を適当に差し込むと材料に干渉したり、すっぽ抜けたりするけどちゃんと差し込めば抜けないし、中身を捨てるのも簡単。
ハイコーキのダストバッグは中身を捨てるためにここをスライドして開けると、めっちゃ戻しにくい。

これはマジ。それ以外は問題ない。ただし左利きの人にはこのデカいダストバッグが邪魔になると評判だ。
視界を遮るというのもそうだけど、実際試してみたところ使いやすい距離感だと自分に当たって使いにくかった。
完璧なプロダクトって難しいんだなって感じる。
持ちやすさ
なんとも言えない、自分は慣れているマキタBOの方が持ちやすく感じるけど、慣れれば変わらないと思う。
バランスの考え
別記事でも書いたけどランダムサンダーは回転運動と偏心回転運動のダブルアクションなので、研磨痕が分散されるため傷が目立ちにくい。

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しかしそれは材料に水平に当てることが条件だし、傾けて強い力をかけると「暴れる」という現象も起きやすい。
暴れるということは1箇所に負荷がかかっている状態なので、荒いペーパーで高速回転だと強烈なエグれが発生すると思う。
暴れさせずに使うには押さえつける力をなるべく抜いて、自重で研磨面を滑らせるように使うのがいいと思ってる。
自分の手は添えるだけで行き先を誘導してあげるような感じかな。
そんな感じで使う自分みたいな人はランダムサンダー本体の重心が大事なのだ。

マキタの方は電源を入れるとほぼその場で回転する感じになるので、そのまま誘導してやれば良い。
でもハイコーキのSVは放し飼いにすると右斜め前方に走っていってしまう。
当然研磨痕も偏るはずなので、人の手で重心のコントロールをしてあげる必要がある。
もちろん慣れれば十分コントロールしてあげることは可能だと思うし、荒く削りたい時なんかはガシガシやればいいだけなので、それがメインだという人はまったく関係ないともいえる。
ちなみに集塵機を使う時にはどのみちこのバランスは崩壊するので、自分は99%ダストバックだけでの運用だ。
ハイコーキSVも使いこなせば有能な道具であることは間違いない。
BO180DZの小技
ちなみに最近気づいたんだけどマキタBO180DZはこんなことができる。

実はこれ完全に「仕様」であって、30度ピッチで好きな方向に取り付けることができる。説明書に書いてあるかは知らない。

こうするとダストバッグが空であっても重心のズレは10mm程度となり、ダストバッグが重くなっていくことを考えると重心はほぼセンターになってくる。
しかも案外視界も遮らないので見やすい。しばらくこれで使ってみようと思う。
マキタかハイコーキか、バランスか集塵か
ぶっちゃけ持ってるバッテリに従うべし。
しかしこの両者は結構違う。
一番は重心か集塵かってところだと思う。
初めてランダムサンダーを使う人はマキタBO180DZの方が使いやすいと思う。勝手にバランスを取ってくれるから。
仕上げ研磨にも向いていると思うし、軽い分洗車にも使いやすいかも。
集塵機に繋いで大規模な研磨をしたい人はハイコーキの方が向いてると思う。
ブレーキ速度の速さも作業ストレス軽減になるだろう。
結論。
一長一短!