丸ノコのコード邪魔だよな。引っかかるじゃん、足払いしてくるじゃん、切れるじゃん。
充電式丸ノコのメリットは誰もが承知だと思う。マキタのバッテリを持つ人が第一候補に挙げるのがこの「HS631DZS」だろう。
決して安い買い物ではないし、今の丸ノコでも十分使えるし、なかなか購入に踏み切れないって人多いと思う。
とりあえず3ヶ月くらい使ってみたんだけど、感想も結構たまってきたのでまとめていきたい。先に言っておくがバッテリ化にはメリットしかない。DIY用と比べると便利機能もいっぱい増える。
この新しい世界に足を踏み入れるかどうか悩んでる人はぜひ参考にして欲しい。
Contents
動画レビュー
よかったら動画も見て欲しい。
丸ノコからコードがなくなるメリット

充電式丸ノコを探しているみんなは、コード式のインパクトはほぼ使ってないだろう。片手に持ってあっちゃこっちゃで作業するインパクトはコードとすこぶる相性が悪い。
僕はおそらくその次に来るのが丸ノコじゃないかとにらんでいる。
コード切断の恐れがない

現場作業でも趣味の工房であっても時間の限られた中、バタバタと作業を進めてると、多少なりともモノがごった返してくる。
カットするのは板ものが多いだろう。回したり、ひっくりかえしたり、ザクザクカットしていたら妙な手応えと共に突然回転が止まった。あれおかしいな?
あせって作業してるとコードを切っちまったなんて話はよく聞く。(やったことないけど)
「コードレスにしたかったし」なんて、しょうもない冗談のネタにしかならない。
動かしながら使う道具に尻尾が生えてるのは邪魔なだけだ。
ミスが格段に減る
このやっかいな尻尾は当然作業の邪魔もしてくる。
たとえばベニヤの長手を一発でカットする時、コードが変なとこに回り込まないように注意を払いながら切り進めていく。
しかしなんだ、いきなり進まなくなったじゃねえか、コードつっぱってるよ、なんでそこにひっかるんだよ。
カットラインがビビって余計な手間が増える。それもコードのイタズラの1つ。
充電式であればイタズラっ子は不在。カットラインだけに集中できる。
いつでもどこでもすぐ使える

丸ノコを引っ張り出したらまず延長ケーブルを引っ張り出してコンセントにぶっ刺す。
コンセントが届く範囲にスペースを確保してカットを始める。
大したことないと思うかもしれないけど、ズボラな人間としてはこの手間が結構めんどくさくて、手鋸で切ってしまおうとか、スライドでなんとか切れないかと考えたりすることがままあった。
事務所の裏に広めのスペースがあるんだけど、サブロクサイズをパパッと切りたいと思っても、ワンカットのためだけにいちいちコードリールを出して電源を確保しないといけない。
その辺充電式はマジで便利。取り出した瞬間、どこへでも持っていって即座に切れる。
キャンプにも持っていける。出すのめんどくさいなって思うことはなくなる。
ストレスからの解放

これ見てる人は好きで木工やってる人が多いと思うけど、趣味でストレス感じたくないよな。
コードが生えてる以上、カット中であれ、取り回し中であれ、その行方を常に気にかけていないといけない。
道具が増えればコードが増える。コンセントの口が足りなくてアレを抜いてコレを差す。丸ノコを使おうとしたら、おいおい電源差さってないじゃねえか。
イライラしてると足払いまで食らうオマケ付き。
ああ全ての電動工具からコードがなくなればこのストレスから開放されるのに!
つまりそう言うこと。
マキタハイコーキ論争
この記事を読んでる人の大半はマキタの18Vを持ってると思う。そうだよね?
でもそうじゃない人もいるかもしれないから僕の考えをまとめておこう。
マキタバッテリーがあるならHS631DZS

言うまでもなくマキタの18VバッテリーがあるならHS631Dで問題ないだろう。工具としての信頼性はどちらのメーカーも抜群だ。
どちらも持っていないDIYerなら?
結論として、僕の場合はマキタを選択することになる。
なぜならよく使う18V工具のつがハイコーキには存在しないから。
ランダムサンダーとビスケット用のジョイントカッターで今の所ハイコーキからは出ていない。
この2つはDIYの家具作りにめちゃくちゃ役に立つ。
どれもレビュー記事を書いてるので、丸ノコの検討に疲れたら気分転換にでも見てもらえると嬉しい。
初心者向けに簡単に説明すると、ランダムサンダーは使用頻度の高い万能サンダー、ジョイントカッターは一歩踏み込んだ特殊工具と言ったところだ。
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バッテリに思う
リチウムイオン電池が市場に投入された時、ハイコーキは旧モデルバッテリーとの互換性確保のために差し込みタイプのバッテリの開発を進めた中、マキタは旧モデルを切り捨てスライドバッテリタイプを発売。
結局スライド式バッテリで勝利したマキタが爆速開発でラインナップを固めて市場を制圧した感じ(らしい)。
その流れでバッテリ工具は明らかにマキタの方が充実している。18Vに限って言えば、マキタ300種類近く、ハイコーキ80種類近くと数の差は大きい。36Vの領域だと、両社とも50種類程度のラインナップとなっている。
2022年現在マキタ40Vmaxが爆速開発で90程度、ハイコーキが70程度と再び逆転した。
そんなこんなでハイコーキが後追いで商品を出すことも多く、結果としてマキタ工具の改良版みたいな位置付けになってる場合も多い。
これは開発、改良の応酬だから長い目で見て選択をうながす理由とも言えないんだけど、18V/36Vの互換がある点ではハイコーキに分がある。
実際、最近の現場ではハイコーキの存在感は際立ってる。プロは工具にパワーと効率を同時に求めるし、ハイコーキはそれにバッチリ答えた形なんだろう。
とはいえ18Vとの互換性を切り捨てたマキタとしては再び40Vmax一本で18Vの領域までカバーするつもりなのかもしれない。
なんかかっこいいいし、僕もすごく欲しいんだけど、そんなパワーが必要かと言われるとまず必要ないんだよなあ。
マキタハイコーキの18V充電式丸ノコの比較
実際両社の丸ノコの比較はどうなんだよってとこだけど、HS631Dと同じ並びにあるハイコーキの商品はC18DBALだ。どちらも刃径は165mmでベーシックな逸品だ。
実は僕が初めて使った充電丸ノコは、大工さんに使わせてもらったハイコーキなんだよな。この際いろいろ調べつつ書いてみたい。
どちらも発売から数年経っているが新しいのが出る気配はない。前線ではプロのニーズを狙って36Vのラインで攻防が繰り広げられている模様。
しかしDIYユースでこの18Vのラインを超える必要はなく、すでに完成されている感がある。
サイレントモードでハイコーキに軍配

サイレントモードで4,100min→2,500minに回転数を落とすことができる。高負荷がかかった時は4,100minに自動的に戻るということで、音を気にするDIYerには向いているかもしれない。
ただ速度の変化が気になるところ、丸ノコは定速で切れた方が扱いやすいのではという疑念はあるし、使うことがあるかは謎だがオプションが多いのは利点でしかない。
回転速度はマキタだけど・・・

マキタが5,000minでハイコーキが4,100min。回転が早い方が切断面は綺麗になるし、カット速度も早くなる。が、DIYユースで切断スピードがさほど問題になるとも思えない。しかもマキタの40Vmaxバージョンは4,100minを仕上げモードとして搭載している。あれ?
*マキタの「40VMAX」というバッテリは動作電圧36Vなので、実際はハイコーキの36Vと同等。
細々とした心づかいはマキタ優位か
細かい機能は、両社とも、これでもかと言うほどモリモリで搭載していて、前方にブロワ機構が搭載されてたり、あらゆるガイドが調節できたり、もちろんLEDもついてる。
マキタの普段使いに便利なところは、切り込み深さの位置ストッパ機構がついてるところ。僕はいつも12mmを切るための深さをキープしてる。
あと、ユーザーフィードバックが生きてるんだろうなと思うのが、平行定規を固定するときにネジを締め込んでもずれないようになっている。

まあ細々とした違いすぎて決定的な違いとはいえない。
正直なところ
違いがわからない。
マキタを買って1年以上使ったけどハイコーキもそんなに使ったわけじゃないし、なんかマキタの方がまっすぐ行く気がする〜みたいな気持ちはあるけど具体的じゃない。
どっちもガチで作ったんだろうなってことはわかる。
HS631DZSの機能の解説
で、DIY用の丸ノコを使ってるならこいつに切り替えて新しく備わる機構はいっぱいあるぞ、説明していく。

姿はこんな感じ。

正面の図。

背面にも墨線合わせの切り欠きがある。

裏面の図。

バッテリ残量確認ランプ。
刃の平行調整が可能

この裏のところのネジを回せば、刃の平行の微調整ができる。最初は平行だったんだけど、この記事を書いてるときに測ってみたら少しずれてたので修正した。
LEDランプ付き

インパクトと違って、あまり暗い場所に潜って作業することはほとんどないんだけど、ないよりあったほうがいいよな。
粉塵は一方向排出
一方向排出じゃないDIY用使ってた人は感動するかも。
まあ、実際には他のところからも結構出てるんだけど比じゃない。
ダストバッグ繋ぐだけで切屑はそこそこ減る、結構すぐ詰まるけどとりあえずまとめて買うべき。
ちなみに「防塵丸ノコ」ではないこのタイプは集塵機を繋いでも吸い込み切ってはくれない。
2割くらいは飛び散る感じかな。
鮫肌チップソー切れすぎ

初めて使うとマジでバターみたいに切り進められる、硬木でもほぼパイン。
切れなくなったら近所の金物屋さんに持って行ってみよう。1000円くらいでバキバキに研いでくれる。ただし一見さんで行ったらめっちゃ嫌がられた経験もある。
他のYouTubeの人の検証動画みたけど、ハイコーキの黒鯱に比べて倍近く長切れしてたのは印象深かった。
ブロワ機能
前方の木屑で前が見えなくなる事はない。進行方向の木屑を全部吹っ飛ばしてくれる。
切り込み深さ任意ストッパ

切り込みの浅い側にリミットも設けることができる。30mmを切った後に12mmの合板を切るときなど、決めた深さにいつでも戻せる。地味に嬉しい機構。ぼくは20mmにしてる。
キックバックしない
さすがの電子制御。キックバックさせようとしてもほとんどしないのほんとすごい。結局ハイスペックの方が初心者にも優しいってこと。
それでも気をつけないといけないけどね。キックバックするような状況下ではまともに切ることができないのは同じ。
左傾斜5度カット
フロア材の端面を納めるときの傾斜カットに使う。説明書を読むと確かに便利そうだけど、フロアのカットはほとんどスライド丸ノコでやると思うし、少なくともDIYerにはほとんど縁がない機能だと思う。
新・平行定規固定つまみ

これマキタの公式でわざわざ書いてるから結構キモ入りなんだろうな、地味に嬉しい。写真で見て貰えばわかりやすいだろうな。
こんな感じで、ネジの頭が平行定規に直接当たらないようなってるので、締め込んだ時にズレることがない。ストレスからの解放ってこういうことだと思うな。
カタログスペック
一応載せておく。マキタ公式の製品ページはこちら。

まとめ
バッテリー工具は自分の信仰に合わせてって書いてきたけど、今回もその通り。丸ノコのバッテリ化はインパクトの次に必ず訪れるステップだ。
この記事には思いのたけを込めたつもりだし、何か参考になったなら嬉しい。
僕はマキタの方が好き(ハイコーキにも浮気心は大いにある)。
でもそれ以上に重要なのはバッテリ化するということ。あたらしい世界においで。
その他電動工具の選択基準
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