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木工用オイル選び方・平米単価・特徴【オスモ・リボス・プラネットカラー・ワトコ・Esha】

2021年10月31日

前回木工用オイルの安全性の話をしてみたけど、今回はそれぞれのオイルの選択において参考になりそうな情報を用意したい。

具体的には各塗料の1Lあたりの金額、1Lあたりの塗り可能面積、そして平米単価(←重要)

あとはそれぞれのメーカーの特徴や塗料の選択基準、組み合わせ方なんかについて説明したい。

ちなみに前回は塗料の安全性の指標についてまとめたので、合わせて選択のご参考に。

木工用オイルの安全性の話【オスモ・リボス・プラネットカラー・ワトコ・Esha】

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1Lあたりの価格比較 (オスモ・リボス・プラネットカラー・ワトコ・Esha)

この価格比較は、金額というよりも比率がなるべく市場の動向とズレないように、いくつかの店舗の価格比を調査しながら最終的に単一の店舗で比較している。

あと、1Lの缶というのはあまり扱われていないので、各商品の0.75L缶を1Lに変換してる。

メーカー商品価格(円)/L
オスモエキストラクリアー5,600
ノーマルクリアー7,100
リボスアルドボス5,100
プラネットカラーグロスクリアオイル8,000
ワトコワトコオイル2,000
Eshaワックスオイル3,600
クラフトオイル3,800

プラネットカラーが一番高い、さすが完全自然塗料といったところ。ワトコの4倍じゃないか。

とは言え、かーったっけー、ワトコ一択やなー、となるほど浅はかな人もなかなかいないよな。

これでどれくらいの面積が塗れるのかというところが重要になる。

1Lあたりの塗り面積比較 (オスモ・リボス・プラネットカラー・ワトコ・Esha)

塗り面積はメーカー発表値をそのまま乗せている。

一回塗りを基準としていて、まあ体感値とちょっと違う感じもあったけどしょうがないかな。

メーカー商品塗り面積(平米)/L
オスモエキストラクリアー16
ノーマルクリアー20
リボスアルドボス18
プラネットカラーグロスクリアオイル20
ワトコワトコオイル10
Eshaワックスオイル20
クラフトオイル14

体感的にアルドボスとオスモNクリアー、Eshaワックスオイルは同じくらいかな、まあ数値上もあんま変わらないんだけど。

シャバシャバのワトコはやはり塗り面積がだいぶ少なくなるけど、よく浸透するとも言える。

【重要】平米単価比較 (オスモ・リボス・プラネットカラー・ワトコ・Esha)

このデータが一番大切なのでこれだけ載せてもよかったんだけど、それだとSEO的にうんちだと思うので3項目目になったのは仕方のないこと。

この数値が本当の価格とも言える

メーカー商品平米単価(円)/L
オスモエキストラクリアー350
ノーマルクリアー355
リボスアルドボス283
プラネットカラーグロスクリアオイル400
ワトコワトコオイル200
Eshaワックスオイル180
クラフトオイル270

今までこの数値をちゃんと出したことはなかったんだけど、ドイツ軍団にも明確な差がある。普段使いしてるリボスのコスパの良さが再確認された感じで嬉しい。

驚いたのはEshaワックスオイルの数値、ワトコより安いじゃん。Eshaは日本の食品衛生法370も取ってて結構説得力のある塗料だし、この価格だったら主力として使って行ってもいいレベルかもしれない。

そもそも実質的に必要な塗り回数は塗料によって違うので(人によっても違うけど)比較的粘度の高いEshaならよりコスパが高まる可能性がある。

とはいえ、もちろんコスパが選択基準の全てではないよな。

というわけでそれぞれのメーカーの特徴についても書いていきたい。

オスモ (独) の製品と特徴

日本では最も名の知れた海外の健康塗料メーカー。自然派ではあるものの健康を重視するが故にそれ以外の成分も積極的に取り入れているメーカー。

前回説明した通り、石油由来のホワイトスピリット(ミネラルスピリット)を主溶剤としているが、蒸留の過程で有害な芳香族は除去され、安全性はドイツ薬局方にも適合した医薬品レベルとされている。

個人的には家具より建設業のイメージが強い。特に床。

木工家具だったら浸透性の高いエキストラクリアーを塗り重ね、撥水性を高めたい時はノーマルクリアーを上塗りすると良い。

床だったらフロアークリアーが推奨されている。これは強度というよりもスベスベすぎて転ばないようにというところも考慮されていると思われる。

ちなみオスモは全体的にワックス配合率が高めで、上で書いたものはどれも1回塗りでの仕上げも可能とされてるけど、個人的には物足りないので2回は塗る。

リボス (独) の製品と特徴

女性エコ博士たちが集まって1972年に創立した塗料メーカー。

超自然派だったが、オーガニックゆえの有害性を克服するため「たとえ自然由来であっても健康に害のあるものは使わない」の理念のもとに溶剤をテレピンから石油由来のイソアリファーテに変更した過去がある。オスモ同様こちらも医薬品、食品レベルとされている。

オーガニックゆえの有害性とは主にアレルギーのこと、オスモもそうだけどリボスはアレルギー対策をかなり徹底していて、食器なんかに使う分には結構信頼性が高いと思う。

こちらも工務店に大人気だけど家具分野でも結構使われているイメージ。

アルドボスが非常に優等生なのでこれ一本で家具から床までなんでもいける。水回りなどでさらに撥水性を高めたいときはクノスが推奨される。

ちなみに針葉樹は少しサラサラしたメルドスが推奨されている。

個人的には天板なんかはオイルではなく蜜蝋ワックスのグレイボを塗り重ねてる。でもスベスベになりすぎて床なんかは危険かも。

ワトコ ワトコオイル(英) の製品と特徴

DIY初心者にもぶっちぎりでおすすめなワトコオイル。

イギリスの会社だけど製造はベルギー、主な販売先はデンマーク、今はEU全土と世界中で使われている(多分)。

ホームセンターでも結構売ってるし色もたくさんあって非常に安い。塗り心地は今回紹介する他の塗料と比較するとかなりシャバシャバで、これが塗りやすいという人もいれば塗りにくく感じる人もいると思う。

その分浸透性は抜群に良く深部まで保護してくれそうなんだけど、吸い込まれる分だけ塗り重ねは多めに行いたい。

Esha(日) の製品と特徴

ターナー色彩が販売するEshaシリーズ。

クラフトオイルが輪ジミなんかにめっちゃ強いとのことでキッチン天板の縁に使ってみたんだけど水にも油にもかなりの耐久性を見せた。シリコン樹脂が含まれてるのでこの辺が作用してるのかも知れないけど詳しくはわからない。

塗り心地はシャバシャバで撥水性の高いワトコみたいな感じ。

一般木工家具にはワックスオイル一本で行けば粘度もちょうど良くて使いやすいと思う。

ワックスオイルは平米単価が180円と抜群に安かったわけだけど、性能面も非常にバランンスが良いと思う。

個人的には普段使いの主役にしても良いと思える良品。

プラネットカラー(日独?) の製品と特徴

ドイツクライデツァイト社と日本のプラネットジャパンが共同開発した(?)という塗料。

完全オーガニックで、ドイツでも「自然塗料」を名乗る基準を満たしている、フルオーガニックは他にもアウロ(独)っていうメーカーもあるんだけどそれはまた今度。

自然塗料に於いて問題となるアレルギー対策もかなりのレベルで徹底されているようなので、安心して使えるのかもしれない。

元はと言えばYouTubeでみた日本の木工家さんが使っててミーハー心で買ってみたんだけど評価できるほど使ってはいない。あとめっちゃ高い、オスモより高い。

基本的に木工家具はグロスクリアオイル一本で良いが、撥水性を気にする場所はベーシッククリアオイルという下塗り剤を塗ってから塗る。

このベーシッククリアオイルはカビ防止の効果が結構強いみたいで、紹介した他の塗料の下塗り剤としても使うことができるみたいだ。(塗料販売店の情報)

グロスクリアオイルの塗り心地はオスモのエキストラクリアーと似ていて、ワックス成分は含まれていない純粋な木工オイルと言える。

なんだか選ばれし木工家が使うハイエンドオイルって感じ。

動画解説

ちなみにこの記事は動画での解説も行なっている。

オイルの塗り方

オイルの塗り方自体は別記事でマニアックにまとめてある。

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