前回、手鋸の柄を外し、替え刃を使って直線に切るアイデアを色々と紹介したけど、今回はその応用ジグを紹介したい。
一番のポイントは、電動工具を一切使わず、ホームセンターの雑なカットだけでしっかり精度が出せるということ。
ジグ機能としては、もっとも頻度が高いと思われる「長い距離の縦切り」と「短い距離の横切り」をほぼ網羅するジグとなっている。
前回の記事はこちら↓
【簡単すぎる】ノコギリで完璧に真っ直ぐ切る方法【裏技】
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用意するもの
こんな感じ。
一応剥がせるタイプの両面テープ。
ノコギリの刃は縦びきと横びきがセットになった両刃タイプを選択。
木材は以下の通り。
- 2x4材 長さ600mm x3本
- 1x4材 長さ350mm x2本
- 12mm針葉樹合板 600x300mm x1枚
- 12mm針葉樹合板 300x120mm x3枚
- 12mm針葉樹合板 200x50mm x2枚
これらは全てカットしてあるけど、誰にでも作れるというコンセプトがあるため、ホームセンターでカットしてもらうことを前提としている。
ホームセンターのカットは信用できないと言う人がいたとしても、ざっくりこのくらいのサイズになっていればよくて、切断寸法が精度に影響しないというのが今回のポイント。
作り方
早速作っていく。
まず300x120の針葉樹合板3枚を並べ。
2x4材をセット。
その上に残りの針葉樹合板を被せる。
これがほぼ完成形。
まずは上の針葉樹合板をビスで固定。
この時のポイントは前の2x4材が1mm前後出っぱるようにすること。
そのあとひっくり返して3枚の針葉樹合板を固定していく。
このとき写真のように左右が少し出っぱるように取り付ける。
これはクランプのかけしろとなる。
そして縦に起こして、側面に1x4材を固定する。
この時端からの距離は90mm程度(大体)かつ、盤面に対して直角(正確)になるように取り付ける。
上に少し出っぱらせているけど、これは20mm程度で良い。
使ってる定規はコンビネーションスコヤというもの、エンパイアのが使いやすい。品切れ多いから新潟精機のミリ寸法のものでもいいと思う。
次にノコギリの刃を、剥がせる両面テープを使って50x200の針葉樹合板でサンドイッチする。
刃の出っ張りは大体110mmに設定した。
ここが長すぎると刃が垂れてしまう原因になる。
ガイド調整
ものはほぼ揃ったので台をテーブルなどに固定する。
写真のように10cmちょっと前に出して、ユニクランプやFクランプなど強めのクランプで固定した方がいい。(オススメクランプは別記事で↓)
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続いて、盤面に45度になるように1x4材を取り付ける。
これは仮固定なのでボンドは使わない。角度の精度はなるべくしっかり出す。
そしておもむろにさっき作ったノコ刃をスライドさせてカットする。
とても綺麗な切断面が得られると思う。
同様に直角に取り付けた方もカットする。
続いて45度ガイドは一旦取り外す。
そして写真の位置に、カット面が盤面に対して45度になるように、かつ上が12mm以上出っぱるように取り付ける。
この時はボンドを使ってもいい。
そして上の少し出っぱらせたところをカットする。
このカットラインがガイドになる。
これにて完全完成。
縦びきする
ためしにアルダーという広葉樹を縦びきしてみる。
アルダーはスギより結構固く、ナラより結構柔らかい。
セットの方法は墨線をガイドの高さに合わせてクランプで固定するだけ。
あとはひたすら切っていくのみ。縦びきなのでもちろん縦びきの刃を使う。
カット完了、カットラインはこのような感じ。
直線精度も盤面に従ってほぼ真っ直ぐだと思う。
横びき・斜めびきする
続いてさっきのカットラインと直角に横びきしてみよう。
このガイドの直角を利用してセットする。
そしてカット。
完了するとこのような感じ。
直角もしっかり出たと思う。この精度はガイドの取り付けかた次第。
続いて硬い硬いナラを斜め45度にカットしてみよう。
こちらも左の45度ガイドに沿ってセットするけど、カットラインが分かりにくければ下のように12mmのベニヤを当てると目安になる。
そしてカット。
思ったけど硬い材料ほど切り心地がよくスムーズに作業ができる気がする。
切断面も機械で切ったかのように綺麗だった。
直線も完璧。
大きめの合板のカット
今回のジグはそれなりに大きいものでもカットできるように考えてある。
大きさの定義は人次第だけど、650くらいの幅のベニヤも切れる。
見切れているけど下の方でクランプしている。
クランプできさえすればどんなサイズでも切れる、大きいものを作りたければジグをデカくすればいいだけ。
というわけでカット。ベニヤなので横びきの刃を使う。
完了。
直線はまあそれなりにしっかり出ている。
このカットを普通の手鋸でやるのはめっちゃむずい。
カットの距離が伸びるほど神経がすり減り、ズレも発生しやすい。
電動工具を使えない環境の人は、直線を得る手段として一つ参考にしてもらえたらいいと思う。
動画解説
この記事は動画の方がわかりやすい。ごめんね。